【地図】登山の為の、地形図(等高線)を読まない地図読み

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山登りの技術のひとつとして「地図読み」があります。これがなかなか手強く、習得にある程度の学習が必要になります。また、知識を丸覚えしたところで、それでどうにかなるものでもないので、ある程度の時間と経験が必要になります。しかも、その成果も分かりにくく、

「果たして自分は本当に地図読みが出来ているのだろうか?」

と、疑問に思っている人も少なくないんじゃないかと思います。かくいう僕もそんな1人です。

この地図読みの技術というやつはとても厄介です。もちろん地図を読むということもそうなんですが、そもそもそのレベルがとても分かりにくいです。級や段があるわけでもないですし、認定制度があるわけでもないです。もしかしたら、講習会の修了証くらいなら貰えるかもしれませんが、これはレベルとは関係ないですもんね。

なので地形図が読めると言っても、そのレベルはバラバラなのが現状なのではないでしょうか? そういう僕自身もどのレベルにいるのかはさっぱり解りません。

とは言うものの、僕だって登山歴18年目で、地図読み歴だって同じくらいのはずです。そこそこの時間を地図とニラメッコして過ごしてきました。もちろん長ければ良いというものでもないですが、その間に、地図読みの講習会には2度参加しています(修了証は貰っていませんが・・・www)。

そして、実際に地形図を作成するお仕事にも就いていたこともあります。

下記に地形図を作成した時のことを記事にしています。地形図作りに興味のある方はクリック!

上記のお仕事では、文字を読み書きするのと同じように地形図を読み書きます。例えば、人に場所を教えるために簡単な手書きの地図を書いたりしますよね。道を書いて、交差点に目標物を置いて、線で道順を書いたりしたことがある人も多いでしょう。しかし、山の中ではこの地図は通用しません。そもそも道が無いんです。登山道があるじゃん、と思う人もいると思いますが、僕が地形図を作成した山域は登山道はおろか、バリエーションルートも無いような山の奥の奥です。なので、街の中で通用するような地図は通用しません。じゃあ、どうやって特定の場所を指定するの? と言うと、ここで地形図の登場です。下の画像はお仕事の初日に現場まで行く際に渡された手書きのメモです(場所が特定されそうな情報にはモザイクをかけてあります)。

この画像のような地形図を見て現場に向かいます。実際に測量が始まった後もこのような手書きのメモでのやりとりを何度も行いました。地形図が読めないなんて言っている場合じゃありません。読めて、書けないとお仕事にもならないのです。もちろん手書きなので縮尺や比率はめちゃくちゃですが、地形図が読める人ならこれだけでも十分に目的を果たせることが分かると思います。

というわけで、僕の地図読みの技術はこの時に相当鍛えられたと思います。

そんな僕でも、地形図が読める? と聞かれて、

読めますっ! なんの問題もないです。

とは即答できません。チョット口籠もってしまいます。

と言うのも、僕が実際に山で地形図を見ながら歩いていても、地形図に書かれた等高線と実際の地形を見比べて、一致しないことってよくあります。なんでこの地形で、こんな等高線になるんだろう? なんてことはザラです。

僕が普段使う地形図は国土地理院の25,000分の1の地形図です。なので、実際の地形の細かな凹凸は表現出来ません。極端な話、地形図では登っているのに、実際には下ってるじゃん! なんてことは珍しくありません。というのも、実際に自分が目にした地形をそのまま等高線にしてしまうと、どうしても25,000分の1の地形図との違いが大きくなり、その地形によっては同じ場所の地形図なのに似ても似つかないなんてことは珍しくありません。そうです、僕にはまだ目の前の地形を25,000分の1というスケールで見る能力はありません。ある程度の遠景ならそう違わないのかもしれませんが、近景をどう捉えるかは僕の今後の課題かもしれませんね。

ちなみに、お仕事で地形図を作っていた時の縮尺は500分の1でした。乱暴に言うと、その地形図は25,000分の1の地形図の50倍の情報量になります。かなり小さな凸凹も表現されます。小さな雨裂、大木、大岩、沢の幅、形なんかも詳細に書き込まれます。つまり、目の前に見える地形がそのまま紙の上に写し取られた感じです。前述の感覚でいうと、目で見た地形の等高線を頭の中で思い浮かべるのはこの500分の1の縮尺に近いのかもしれません。それに対して25,000分の1の方は、もっと俯瞰で見て、大きな形を捕らえるためのものだと思います。なので、遠くの山を山座同定する時なんかは25,000分の1の方が見やすいですよね。遠くは細かな地形は見えないですからね。しかし、実際に山の中に立って、目の前の地形を見ると、どうしても、細かな場所まで目に入ってしまいます。そこで、頭の中で地形図を書いてみると、当然、25,000分の1の地形図とは全然違う線を描いてしまいます。そうすると、

あれ〜、今はここにいるはずだけど、頭の中の地形図と紙の上の地形図の線が全然違うぞ?

なんてことになるのです。もし、そこで、自分の意識を地上100mくらいまで飛ばして地上を見ると、おそらく25,000分の1の地形図に近い等高線が描けるのだと思います。このあたりは修行あるのみですね。

COMMENT

厳密に言うと、実際に山の中で地形図を見るときは、遠景から近景に向かって見ることが多いので、無意識にですが、なだらかに補正がされているような気がします。決して近景だけを見て地形図と比べている訳じゃないので、地形図上の自分の位置の特定が出来ているのだと思います。

BREAK

ここでチョット脱線しますが、ここまで書いていた地形図とは国土地理院が発行する25,000分の1の地形図のことです。僕は登山道が無いような山域やバリエーションルートを歩く時はこれを使用しています。しかし、普通の山を登る時は昭文社発行の「山と高原地図」を使用しています。というか、愛用しています。登山道があるような山の場合はこっちの方が便利ですしね。

この「山と高原地図」は基本的に25,000分の1の地形図をベースにして、その上に登山する時に必要な情報を書き込んでいます。しかし、山域によっては25,000分の1をベースにしていません。例えば高尾山などの詳細図は15,000分の1ですし、富士山は表側の広地図は50,000分の1ですが、裏の詳細図は25,000分の1になっています。日本アルプス総図なんかは150,000分の1です。その周辺図にいたっては1,200,000分の1(!)だったりします。知っていましたか? しかも、紙の大きさの関係上、元の地形図を拡大、または縮小しています。つまり、25,000分の1の地形図では、その地図上の1cmは実際の250mですよね。しかし、このルールは「山と高原地図」では通用しません。山域によってバラバラです。もちろん、地図なのですから端っこの方に下の画像のようなスケールバーがあります。なので、縮尺が分からないということはありませんが、バラバラなのも地図読みという観点から見れば、ちょっと困ってしまいます。

なので「山と高原地図」を地形図として使うには、まず、元になった地形図の縮尺の確認、次に、「山と高原地図」の縮尺の確認、あと出来ればスケールバーも確認する必要があります。そして、それをベースにして頭の中で実際の風景と「山と高原地図」の縮尺を考慮して、変換して・・・あ〜、めんどくさい!

これで、地形図を読み慣れている人が好んで国土地理院の地形図を使う理由が分かったと思います。そうなんです。「山と高原地図」と国土地理院の地形図では、使用目的が全然違うんです。

地図を読むという行為はシンプルな割にややこしいんです。もちろん、ただ知識が足りないっていう場合も多いですが、大抵の人は、一通りの勉強はしたけど実際には、分かったような分からなかったような・・・という状態の人が多いのではないでしょうか? それはこのややこしさのせいだと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、今回はそのややこしさを少し省いて、もっと気楽に地図を読めないだろうか? と考えてみました。つまり、ややこしさの親玉の縮尺を抜きにして地図を見てみよう、ということです。

もちろん、これが地図読みの基本だ! なんて言うつもりはありません。そもそも、ある程度地図が読める人なら無意識でやっていることです。その部分をチョット抜き出してみただけです。抜き出しただけだと、分かりにくそうなので、僕の経験を織り交ぜて書いていきたいと思います。

目次

「地形図(等高線)を読む」という2つの意味

まずここで「地形図を読む」ということに関して少し整理しておきます。

僕の中では「地形図を読む」という行為は大きく分けて2つの意味(目的)があると思っています。ひとつは「地形を推測する」もうひとつは「自分の位置を特定する」の2つです。

1・地形を推測する

まずは「地形を推測する」というとことでが、おそらく「地形図を読む」と言われて、これを想像する人は多いでしょう。

確かに地図読みの講習会とか行くと、まずは整図(地図を東西南北正しい向きにすること)、そして等高線の意味を勉強して、尾根と谷を見分ける。なんてパターンが多いですよね。つまり、等高線を読んで「地形を推測する」ってことですね。

なので、等高線を読むことが地図読みの王道というか、最終目標と言っても良いでしょう。

これが「地形図を読む」という行為のひとつの意味(目的)です。

2・自分の位置を特定する

そして、もうひとつが「地図上の自分の位置を特定する」ということです。これは文字通り、地形図を広げて見た時、自分が立っている位置を正確に知る、ということです。

遭難するということは、言い方を変えれば、自分が何処にいるのか分からない、という風にも言えますよね。

いなかた

もちろん、例外もたくさんあります。例えば、クレバスに落ちたようなとき、場所は分かっているけど、そこから動けない(脱出できない)ような時も遭難と言いますよね。

基本的に山で自分の位置が分からないというのはNGです。たとえ道に迷っても、自分の位置が正確に分かれば、なんとかなる可能性が高いです。

これは「地形を推測する」のと同じくらい、大切な行為です。まぁ、実際にはこの2つをもって「地形図を読む」ということなんですけどね。

本当はこの2つを分離しちゃいけないのかもしれませんが、今回は特別に分離しちゃいます。

そして、今回書くのはこの2つ目のことです。地図上の自分の位置を確認する、ということに焦点を当てて考えていきたいと思います。

等高線を読まない地図読み

まず、最初にネタバラシをしておきます。

「等高線を読まないで、地図上の自分の位置を確認する」

ということは、単純に地図記号を読む、ということです。

なぁ〜んだ、そんなことか。って思ったかもしれませんが、そんなこと、です。でも、これって意外に使えるんですよ。

では、登山で覚えておいた方が良い地図記号と、前述した通り、それにまつわる僕の経験を書いていきます。

まずは沢です。地形図で青い線で描かれています。下の画像では見やすくするための演出をしています。

いなかた

ちなみに今回はあまり触れていない等高線の尾根と谷を見分けるひとつの指標として、この沢があります。沢のあるところはほぼ間違いなく谷になっています。僕の経験上、尾根筋に沿って沢が流れているのを見たことはありません・・・。

まぁ、地図記号の中でも特に教わらなくても意味が分かるもののひとつですよね。

基本的に山で道に迷った時は、下らずに上に向かった方が良い、と言われますよね。この章では僕が山の中で迷って、最終的に沢に出てしまった時のことを書きます。

下記にその時の山行記事のリンクを張っておくので、その時の山行全体を知りたい方は読んでみてください。

山登りを始めてまだ数年目の僕が、神奈川県の丹沢にあるとあるバリエーションルートを歩いた時のことです。

当たり前ですが、通常は山行前にその日のコースを確認しておくものです。しかし、その日は一ヶ所だけ、どうしても調べてもコースが確認出来ないところがありました。山と高原地図でも書かれていませんし、25,000分の1の地形図にも登山道のようなものはありません。(この記事を書くために、その山域の地形図を見たら現在はちゃんとルートが書かれていました)

まぁ、行きゃあ、なんとかなるだろう。踏み跡や目印のテープがあるに違いない、と思いその日の山行をスタートしましたが、やっぱり調べても分からなかったところは現場に行っても分かりませんでした。地形図を見ても、当時の僕には複雑すぎて次のピークへのルートを見つけることはできませんでした。あれー? あれー? とつぶやきながら、行きつ戻りつしていましたが、最終的には、1番やってはいけない尾根を下り、沢にぶち当たってしまいまい、その日1番のあれー? を叫ぶことになったのです。

沢に下りるときは垂直に近い壁を滑り落ちたので、登り返すことは容易ではありません。周りをぐるりと見渡してみたら、まるで漢字の凹のへこんだ部分にいるようです。しばらくはボーゼンとしていました。しかし、いつまでもそうしているわけにもいかないので、地形図を確認します。そこであることに気が付きました。目の前には小さな沢が流れています。落ち着いてよく見ると、その沢は少し上流で二股に別れていたのです。地形図上の自分が少し前まで歩いていた尾根は確認出来ています。地形図の中でも山頂や特徴的なピークはわかりやすいので、そのピークから尾根伝いに歩いたので尾根が簡単に特定出来ました。さらにその尾根から延長線上にある二股の沢を地形図上に探しました。ビンゴです。まさに想像した通り、その延長上に二股の沢があります。沢に降りたせいで、逆に自分の位置を確認することが出来ました。

これはもしかしたら、稀有なケースなのかもしれません。本来はやっちゃあいけない沢に下ってしまったことにより、自分の位置が特定出来たということです。

その後はどうなったのかと言うと、自分の位置が確認出来たことにより、そこから次に目指すピークまでのルートがおぼろげながらも分かったので、あとは地図とにらめっこしながら沢を少し登ったところから、一気に尾根に直登して、無事に次のピークにたどり着くことが出来ました。

いや〜、終わり良ければすべて良し。ってことですかね。いやいや、山でそれはいかんでしょう。ちゃんと事前にリサーチしなかった僕の間違いです。自分の地図読みの能力を過信していました。反省です。

鉄塔&送電線

次は鉄塔と送電線です。地形図では以下のように表現されています。

ん? 送電線は分かるけど、鉄塔はドコ?

って思ったかもしれませんね。そう思った人は鋭いです。

確かに鉄塔はこの地図には書かれていません。しかし、実は書かれています。

ん? なんじゃあそりゃ?

そう思ったかもしれませんが、まぁまぁ、落ち着いてもう一度地図をよーく見てください。

とりあえず、送電線を端から指でなぞってみてください。何か気付きませんか? ここで気が付いた人もいるでしょう。まだ気が付かない人は、地図の送電線の上から、きちんと定規を使って赤ペンで上からなぞってみてください。

もう気づいたでしょ。定規を使うと、最初から最後まで一本の線では書けませんよね。何ヶ所かで角度が変わっているので、そこで、新たに定規を置き直して線を引いたでしょ。よく考えてみてください。送電線が空中で角度が変わるなんてありませんよね。そうです。送電線の角度が変わっているところに鉄塔が立っているのです。地図には書かれていないけど、書かれている、って言った意味が分かりましたか?

いなかた

ただし、仮に鉄塔A、B、Cとあった場合、AからCまで1本の直線で結ばれるような時は、鉄塔Bの位置が確認しずらくなります。この場合ある程度は等高線を読んで推測は出来るかもしれませんが、確実に鉄塔Bの存在を確認することは出来ません。少なくても、今の僕には・・・。

ちなみに地図記号に高塔というものもあります。鉄塔と何が違うのでしょう? 僕も勉強中です。

もうひとつちなみに、この送電線は10年くらい前でしょうか、地形図から消えたことがあります。しかし、山登り愛好家他、色々な人が反対をして再び書き込まれるようになったという経緯があります。僕も当時、山雑誌でそのことを知りビックリしたのを覚えています(詳しく知りたい人はググってみてください)。

実は前の章の章『沢』のところでもこの送電線が役に立っていたのです。気がつきましたか? ちょうど二又の沢の真上に送電線が通っているんですよ。この送電線は見上げれば頭の上を遠っているし、展望の良いところからならかなり遠くからも見えるので、これも自分の位置を特定するのに役立ちますよね。

しかし、僕がホームグラウンドにしている丹沢ならかなりの鉄塔&送電線がありますが、山域によってはほとんど無い場合も多いので、要注意ですよね。

でも、山で迷ったら、まず頭の上を見て送電線が通ってないか確認する、ということを覚えておくとよいでしょう。

植生

次は植生です。植生って何? という方に簡単に説明すると、そこに生えて(植えられて)いる植物です。

山の中を歩いていると、当然色々な植物を目にしますよね。実はそれらも地形図には書かれているんですよね、まぁ、植物とは言っても、一般的に言われている高山植物なんかはさすがに書かれていません(例外として高山帯に生えているハイマツは「ハイマツ地」として鳥の足跡のような地図記号はあります)。

では、どういう植物が書かれているかというと、広葉樹林、針葉樹林、笹地、高山帯などではハイマツなどが書かれています。また、村や町の近くの里山なんかには竹林なんかも書かれています。

つまり空から見た時の地面の様子って感じですかね。Googleマップなど航空写真モードで山岳地帯を見ると、緑色になっています(高山帯ではグレー(石、砂)茶色(土)、白(雪)なんかの場合もあります)よね、あれは葉っぱの色です。つまりなんらかの植物が生えているってことですね。あれを細かく分類するのはかえって地図が見にくくなるためなのか、前述したように大雑把に分類して地形図に書き込まれています。これも、自分の位置を特定するのに役立つ時もあります。

しかし、針葉樹林帯なんかはかなり広範囲に広がっている場合があり、自分の場所を特定しにくいんじゃね? と思うかもしれませんが、そのような場合でも、特定出来るチョットしたコツをお話したいと思います。

まずは、ここでは植生の代表選手のような「広葉樹林」と「針葉樹林」を紹介します。ついでに植生とはちょっと違いますが、日本の山ではよく目にする「荒地」も紹介します。以下の地形図を見てください。基本的にこれらの地図記号はグレーで描かれていますが、今回はわかりやすく「広葉樹林」をオレンジ色、「針葉樹林」を緑色、「荒地」を青色に分けています。

下の地形図は山梨県にある青木ヶ原樹海にある大室山の地形図です。ここからパッと見で読み取れるのは、大室山の北側の斜面には広葉樹がたくさん生えていて(ここの広葉樹はブナやモミジで構成されています、なので秋は素晴らしい紅葉を見ることが出来ます-おまけでこのページの一番下にその写真を貼っておきます)、南側は荒地で、大室山の東側には針葉樹林が生えているのが確認できますよね。実際に現場に行ってみてもそうなっています、当たり前なんですが・・・。

僕の今までの山行の中で、この植生を特に意識した時は何度かありますが、特に記憶に強く残っているのは山梨県の青木ヶ原樹海の中にある大室山に登った時のことです。その時の記事のリンクを下記に貼っておきます。

この山には明確な登山道はありません。しかし、地形は単純なんで地形図読みの勉強にはもってこいです。とは言うものの、前述の通り登山道が無いような山なので、初心者がお気軽に入山するような山でもありません。なので、ある程度地形図読みの出来る人が近くにいるような人は、地図読みの勉強会と称して同行してもらうととても勉強になると思います。しかし、この辺りは地形図には描かれていない穴が無数にありとても危険なので、いつも以上に注意する必要はありますが・・・。

大室山の山頂は双耳峰になっています。そのふたつのピークの真ん中の少し西側には噴火でできた火口があり、その底まで簡単に下りれるようになっています。これは地形図からも読み取ることができます。

僕はその火口の底を堪能して、さぁ、下山するか、と思ったとき、当初は登ってきたルートをそのまま戻るもんだと漠然と考えていました。しかし、地形が単純なせいで、別のルートでも下山できそうなのに気付き、地図を見て、このルートなら下れそう、と目星を付けたルートを進み始めました。

地形は単純なことは単純なんですが、逆に単純すぎて特徴的なポイントが見つけにくくなっています。そのせいで、自分のいる場所が微妙に特定できません。うーん、と地図を睨んでいた時、ふと気付きました。あっ! 植生が書かれている、と。

今自分が歩いていると思われるところは荒地とある。確かに木はほとんど生えていない。背の低い笹ヤブが広がっていて、とても歩きにくい。(下の写真が実際の荒地の模様です)

実際の荒地

地形図を見ると、もう少し進めば紅葉樹林帯に出るようだ。頑張ってそこまで行けば歩きやすくなるだろう。と思い、頑張って進んだ。

景色が変わった。歩いた季節が10月の後半だったこともあり、紅葉に彩られた木々が僕を出迎えてくれました。地面もフカフカの土になり歩きやすくなりました。実はこの時、足を怪我していたのでかなり助かりました。

振り返ると荒地が広がっています。と言うことは僕は今、荒地と紅葉樹林帯の境目に立っているということ。境目にいることで自分の位置が特定(GPSでも確認しました)できました。自分がいる場所が分かれば、あとは登山口までルートを引けば良いだけ、単純な地形なんで多少ズレても問題なし。

やはり、自分で地形図を読んで、思った通りの山行が出来た時って、充実感は大きいですよね。


本来、地形図は遭難や道迷いをした時だけに使うものじゃない、ってことはみんなよく知っていますよね。しかし、地形図が正しく読めて、かつ正しいタイミングで使うことができれば、遭難や道迷いのリスクはかなり減らすことが出来ます、それにより山行そのものの楽しさがひとつ広がるんじゃないかとも思っています。高い山に登る、百名山をひとつクリアする、のも山の楽しさのひとつですが、そこに地形図を読む、という隠し味を加えれば、さらに楽しくなるんじゃないかと僕は思っています。

しかし、地図読みの技術の習得ってそれなりに難しいんですよね。最初に戻っちゃいましたが・・・。

実はもう10年以上前から、僕流の地図読みのノウハウの記事を書こうかどうか悩んでいます。とは言うものの、僕もまだまだ勉強中ですし、そもそも、地図読みのハウツー記事ってブログをはじめ、雑誌、書籍、Youtube・・・と世の中にはたくさん溢れかえっていまよね? なので、いまさら僕が何を書くんだ? 僕に何が書けるんだ? という思いが多々あります。

それでも僕と一緒に地図読みの勉強をしたいと言う人がいたら、このページの下の方にある「いいね!」ボタンを押してください。もし、そのような人が多くいたら、地図読みを企画化して、もう少し詳しく解説したいと思います。まだまだ地図の世界は奥が深いですからねー。だって今回は地図読みに絶対必要なコンパス(方位磁石)のことは一切触れていませんですしね。憶えなきゃいけないことはたくさんあります。なので、出来るだけ楽しんで地図が読めるようにするのを最終目的として、僕なりの地図読みの楽しさを紹介できればと思っています。はてさて、どうなることやら・・・。

おまけ(その1)

青木ヶ原樹海の中の紅葉

おまけ(その2)

この記事を書いているときに、ふと、見つけてしまいました、地図記号のガチャガチャを・・・。

普段ガチャガチャなんてやらないので、あ〜、こんなのもあるんだ・・・、くらいに思ってその場を過ぎ去ろうとしたけど、5mほど進んだところで、足を止め、気がついたら引き返して、ガチャっていました。

んで、出たのが温泉マーク・・・。個人的には「広葉樹林」か「針葉樹林」が良かったのですが「温泉」でした。一般的にはこれが一番人気だとは思いますが、あまりにもメジャー過ぎて、地図記号というより「温泉マーク」のイメージが強いですよね。思わずもう一回やりそうになったけど、そこは大人なので我慢しました。というより、これ以上やったら、コンプリートするまで止めれそうになかったので・・・。ちなみに以下の12種類あるようです。シークレットがあるのかは知りません。

  • 果樹園
  • 広葉樹林
  • 針葉樹林
  • ヤシ科樹林
  • 温泉
  • 病院
  • 郵便局
  • 高等学校
  • 博物館
  • 工場

う〜ん、数ある地図記号の中からこれらを選んがセンスがよくわからんなぁ。例えば一般的には「ヤシ科樹林」より「竹林」なんじゃね? とは思うけど、ビジュアル的に考えれば、やっぱり「ヤシ科樹林」なのかなぁ、とも思う今日このごろでした・・・。

さて、このキーホルダー何処につけようかな???

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