"The mountains are calling..." by JOHN MUIR

【失敗談】#1 転がる編

このサイトでは、別の企画で『山登りの始め方』というのをやっています(あまり更新していないですが・・・)。で、その企画で何を書こうかと考えていたら、反面教師的に自分の失敗談を書いたらどうかという結論に達しました。でも『山登りの始め方』に入れるのはなんか違う気もするので、新たにカテゴリーを作り、独立した企画にすることにしました。

だからといって、すごく参考になるような、失敗談があるわけでもありません。僕の山登りの歴史を振り返っても、じみ〜な失敗の連続でした。なので、過度な期待はしないで下さい。

そもそも、山登りで失敗と言ったら、遭難や滑落などの命に関わるよう重大事故を想像するかと思いますが、ここで言う失敗は、もう少し軽いものだと思って下さい。直接命には関わらないけど、しかし舞台は山なので、一歩間違えたら、命を落としてしまった可能性だってゼロではなかったでしょう。ても、ここではあまり暗い話はしません。

なので、軽い気持ちで読んで下さい。ついでに、こんな失敗をしたバカもいるんだよな〜、ということを頭の隅っこにでも蹴飛ばして置いておいてくだされば幸いです。

裏のテーマとして、今までの自分の失敗を振り返ることによって、これからの自分の山行に役立てようと言う個人的な目論見もあったりしますwww


今回の失敗談は『転がる編』です。まぁ、コケたお話ですね。コケたことは正直数え切れないくらいありますが、以下は僕の登山史の三大転倒です。

最後に、おまけもあるよ!


初夏の屋久島

ただでさえ雨の多い屋久島に6月に行くこと自体どうかと思うけど、3泊4日(全体では6泊7日)で屋久島を縦走したした時のことです。

楠川登山口のスタートからかなりの雨が降っていて、歩き始めから、レインウェアを着て、最初は林道歩きだったので、さらに傘を差しての重装備でのスタートでした。

林道が終わり、本格的に登山道(屋久島では歩道と呼びます)が始まったので、さすがにここからは傘を差すわけにもいかないので、それを畳んで歩き始めてすぐのことでした。

以下は、僕の過去ブログからの引用です。(少し手を入れています)

過去ブログ(Blueな雑日記)より引用

 所々急なところはあるが比較的歩きやすいルートだったが、気を抜いて歩いていたら、思いっきりバランスを崩してコケてしまった。左足を岩に乗せたときツルッと滑りそのままスローモーションで左にバランスを崩した、とっさに左手で支えようと手を出したが、以前同じような状況で手をついて腕の骨にひびが入ってしまった経験があったので、ヤバイと手を引っ込め体をひねる様にして背中から倒れこんだ。

 倒れこんだ場所が水深2~3センチ程度のチョロチョロと流れている沢で底が砂地になっていたのと、背中に背負ったザックがクッションの役割をして大事にはいたらなったが、20kg近いザックを下に、ひっくり返った亀状態でしばらく起き上がることは出来なかった。

 冷静になって仰向けのままザックのウェストベルトを外し、起き上がることに成功した。その場で手や足を動かしてみて強く打ったところがないか調べてみたが、痛みはどこにも無く(強いて言うなら心が痛むが・・・)大事には至らなかった。しかも、周りに人影は無く、その無様な姿を誰にも見られていなかったのが不幸中の幸いでした。

以上がその時の様子です。本当にこういう時ってスローモーションになるんですよね。そして、意外に冷静だったりします。以前、バイクでコケた時もそうでした。夜のコーナーでタイヤが浮き砂に乗って滑った時も、一緒にいた友人は、間違いなく死んだと思ったそうです。しかし、本人はゆっくりと倒れ込んでいく途中にバイクのメーターを見ていて、オレンジのランプが綺麗だな〜とか思っていました。その、真っ暗な中で浮かび上がったオレンジ色のメーターはいまだにハッキリと覚えています。

まぁ、バイクの話はさて置いて、足を滑らせてコケることってよくあります。コケないまでも、コケそうになることはさらによくあります。だいたい、大別すると、コケる時は滑るか、躓くか、バランスを崩すかが多いと思います。今回は滑った後にバランスを崩しているので、合わせ技と言うことができると思います。

滑るのは足元の状況をよく観察して、足を置く場所をよく考えてから置くようにするとかなり減らせるのではないでしょうか。経験上、滑りそうなところは、かなりの確率で滑るものです。しかし、滑りそうで滑らなかったり、滑りそうもないのにツルツルだったりすることもよくあります。困ったもんです。

では、登山時にこの滑りゴケを減らすにはどうすれば良いでしょう。

山の歩き方でフラットステップとかフラットフッティング、または日本語でベタ足などと呼ばれる歩き方があります。通常の歩き方は、踵で着地して、つま先で蹴り出して歩きますが、山では足の裏全体で着地して、蹴り出す時も足の裏全体で地面を蹴る(と言うか押す)。という歩き方が推奨されていますが、この歩き方は果たして滑りゴケを減らすことが出来るでしょうか? 

ここからは全くの個人的な意見です。ご了承下さい。

結論から言うとこの歩き方で滑りゴケはかなり減らせるとは思います。しかし、この歩き方と、ちょっとした体重移動の工夫を合わせればさらに減らせはしないか考えてみました。

まず、前足が滑りそうなところにあるとしましょう。具体的なイメージにすると、流れの速い沢に架けられた丸太橋を想像して下さい。しかも、その表面は沢の飛沫で常に濡れています。さらに、たくさんの人が渡ったので、丸太の樹皮は剥げて、ツルツルした表面が露出しています。遠目に見ても滑りやすそうです。そんなところに前足を掛けたとしましょう。器用な人は、前足が滑る前に後ろ足を前に出せるでしょうが(これが出来る人はきっと水の上も歩けるでしょうwww)、ほとんどの人は、滑った時点で、そのまま、前足が水に垂直に落下するか、またはバランスを崩して、身体全体で水にダイブすることになるでしょう。

しかし、前述した山の歩き方と、体重移動を工夫すればどうでしょう。まず、足を丸太に掛けます。その時は前述したベタ足です。足の裏全体を丸太に接地します。そうすることで丸太と足の裏の間に最大の摩擦が掛かります。つまり滑りにくくなります。そしてここから後ろ足を前に出します。ここの体重移動にちょっと工夫してみましょう。通常は後ろ足を前に出す時には一度前足に全体重を掛けて、後ろ足を押し出しますが、その時に、前足の体重を掛ける比率を減らして、後ろ足に体重を残しつつ、慎重にに後ろ足を前に出すようにします。後ろ足が前に来たら、後は同じことの繰り返しです。ここで重要なのは、前足に全体重を掛けない、または掛けすぎないことです。こうすることで多少は滑りゴケを防ぐことは出来ないでしょうかね?

しかし、これはあくまで机上の空論です。僕だったら前述のような丸太があったら、上流や下流を見て、もっと安全に渡れそうなところを探しますが・・・、

冬の硫黄岳(八ヶ岳)

次は、下界はもうすっかり春だけど、山の上はまだまだ冬の3月下旬の硫黄岳に登った時のことです。天気もまずまずで、硫黄岳山頂から赤岳鉱泉まで夏場は1時間以上掛かりますが、雪で段差が無くなって歩きやすく、45分ほどで下山出来、疲労も最小限で気分良く下山していました。

美濃戸口辺りはすっかり雪も無くなっていますが、赤岳鉱泉の辺りはまだまだ雪が残っています。とは言うものの、雪はザグザグで滑る心配も無いので、後は下るだけだし、アイゼン(12本爪)は外してもいいかな、と思いつつ面倒だから外さずにそのまま歩いていました。

それは赤岳鉱泉を過ぎてすぐの時でした。道は広く、傾斜もほとんど無く、躓くような岩も雪の下に隠れて、ほぼ平坦なところです。前述の通り、雪も柔らかく、適度に足が沈むので、滑る心配もありません(アイゼンも履いていますし)。

突然、目の前が真っ白になりました。次に胸の痛みが・・・、そうです、おもいっきり前方に倒れました。あまりに突然のことで手を出すことも出来ず、そのまま前にバタンです。よく顔面を打たなかったなぁ、と思います。その代わり胸を強打しました。転倒後しばらくは息をするのが困難で、5分ほどその場で動けず、うずくまっていました。

息も落ち着き、立ち上がり、自分の足元を見て、やっと何が起きたか理解できました。スパッツの一部が切れて(裂けて)います。そうです。アイゼンの爪を反対側の足のスパッツに引っ掛けての転倒です。雪山の教科書に書かれている通りの見事なコケ方です。あまりにもキレイに倒れたので、もし、動画を撮っていたら、そのまま雪山講習の教材になりそうです。

もう、これは恥ずかしいですね。散々雪山の本や、雪山講習で言われていたことです。なので、僕も十分に注意をしていました。しかし、この日は順調満帆で気分も良く、難所ももう無いので、完全に気が緩んでいました。

普段ならアイゼンを付けた時は、意識的にガニ股で歩くようにしていたのですが、完全に自分のミスです。トホホ!

これはアイゼンあるあるですよね。アイゼンの前爪(冬山の本にはこのように書かれていることが多いけど、実際には前爪ではなくて、前方の横の爪に引っ掛かるらしい)に引っ掛かたようだ。スパッツも裂けているので間違いないだろう。

では、これを防ぐにはちゃんとアイゼン用の歩き方をしろって事ですよね。少し歩幅を広げて、いわゆるガニ股で歩けば・・・いや、今回に限っては気を許すなってことですね。山行中はちゃんと意識して歩いていたんですから、最後に気を抜いてしまった・・・。

実はこの事件(?)の後、変わったことがあります。それは、それまでのスパッツはわりとダブダブのデザインでしたが、それを足にピッタリフィットしたモデルに変えました。昔の日本の兵隊さんの脚絆をイメージしてもらえば分かると思います。少しでもアイゼンの爪が引っ掛からないようにとの思いです。そのせいか、その後は今回のようなことは発生していません。

秋の北穂高岳

秋の涸沢は山登りをしていない人でも、一度は行って見たい所じゃないでしょうか。僕も一度は行ってみたいと、北穂高岳に登ることを口実に10月の始めに予定を組みました。

通常は1泊2日程度で、1日目に涸沢まで登って、2日目に北穂高岳をピストンして、上高地に戻るのが定番ですが、僕はもう一泊加えて、2日目に上高地まで下りて、小梨平のキャンプ場でもう1泊して3日目に帰る予定を組みました。

1日目は順調に涸沢まで登って、そこでテント泊、さすがに人も多く場所を探すのに苦労しましたが、少々ナナメっていますが、なんとか場所を確保しました。

名物の涸沢ヒュッテのおでんを食べながら、見事な紅葉にココロ踊ると共に、翌日登る予定の北穂高岳への斜面を見て、本当にあんなとこ登れるのかよ? とビビっていました。正直、もう綺麗な紅葉も見れたし、これで充分じゃね? とか考えだし、やがて、よし、明日はのんびり下ろう。北穂高岳はまた来ればいいよね。と、ソロ登山の利点を最大限に生かそうとしました。

2日目。テントから出る。多少の雲はあるけど、ギリギリ晴れと呼べる天候に恵まれた。

ん? なんか行列が出来てるぞ、なんだアレ? あっ! アレが有名な涸沢のトイレ待ちの行列かっ!
これは乗り遅れてはいかん! と、慌てて並ぶ。

、、、40分後、、、ふぅ〜、やっとテントに戻ってこられた。後はテントを撤収して下るだけだ。

北穂高岳を背にして、テントに頭を突っ込み、中を整理していたら、アレ? ここで山を下っていいのか? という思いが頭をよぎった。頭をテントから出し振り返り、北穂高岳を仰ぎ見た。昨日と変わらない姿がそこにある。しかし、昨日とは違い、僕でも登れそうに見えた。昨日見た時と時間帯が違うので、山の光の加減で表情が違って見えたのかもしれない。

生来、単純な僕は、よしっ! それなら登ってやろうじゃないか! とあっさりと前日の自分の決定を反故にした。

予定していたより30分ほど遅れてしまったが、今日は小梨平まで下りればいいので気分は楽だ。最悪、横尾や徳澤で一泊すればいい。

急いで、朝食代わりのミニあんぱんを2つ胃に流し込み、サブザックに登頂装備を突っ込んで、テントを後にする。涸沢の外れから北穂高岳への登りが始まる。

いつもそうだか、登り始めの30分はかなりツライ。30分を過ぎてやっとエンジンが掛かり楽に登れるようになった。傾斜は急だけど、高度感はあまり無いので、思っていたより楽に登れる。岩場や梯子がアトラクションのようで楽しい。

山頂近くは雪がうっすらと積もっている。しかも、ガスってきて何も見えなくなった。

涸沢を出てから3時間後、無事に山頂に到着。気温も低く、かなり寒いので、山頂の一段下にある山小屋でコーヒーを飲む。ここのコーヒーも名物だ。

すると、ガスが晴れ、大キレットが見えてきた。思わず、うわ〜っと声に出してしまった。鳥肌が立った。今まで真っ白だったのに急に目の前に絶景が広がったのだ。感動した。

そんな感じで無事に登頂でき、かつ、絶景を堪能して、十分に満足して下山を開始しました。下らなく登頂を諦めて下らなくて良かった・・・。

下りも順調で、小走り気味に下ってきて、あと少しで涸沢に着くというとき、それは起こりました。

再び、以下に過去ブログを引用します(例によって多少手を入れています)。

過去ブログ(Blueな雑日記)から引用

下から登ってくる人を避けようとしたら岩に躓いてコケた・・・。というか前転を一回・・・。周りの人は驚いたと思う。僕自身はもっと驚いたけど・・・。しかし、運良く草の上に倒れこんだのでダメージは最小ですんだ。と思ったけど、どうやら左腿を強打したらしい。イ、イタイ・・・。でも、左足の踏ん張りが効かなくなったけど、歩けないほどじゃない。痛みを堪えて下山。

これはもう、いい気になって岩だらけの登山道をしかも下りを小走りで下ってきた罰ですね。岩を落としてしまう危険もあるので、慎重に下らなくてはなりませんでした。なので、そのせいで罰を受けたのだと思います。幸い、コケたのは僕だけでしたし、他の登山者には影響しなかったけど(驚かしてはしまった)、やってはいけませんね。反省です。

このような岩場の、特に下りは慎重に歩かなくてなりません。たまたま、この日は調子が良くて身体が軽く感じ、スイスイと下ってしまったけど、やはり足の筋肉は披露していたのだと思う。自分では十分に足を上げたつもりでも上がりきらずに岩を超えられず躓いたんだと思う。やはり、下りは慎重に下らなくてはなりませんね。

おまけ『転がらない編』

ここからはおまけです。特に失敗談というわけでもありません。本当のおまけです。

ストックは転がらない

普段僕は登山時、特に手を使わない程度の急な登りや、下山時にはダブルストックを使用します。それと同時に写真もたくさん撮ります。なので、撮影時にはストックが邪魔になります。そこで、必ずストックに付いているストラップに手首を通します。そうすると、ストックを離したときにストックが落下するのを防げます。落下防止だけではなく、素早くカメラを構えることが出来るので、シャッターチャンスを逃しません。

それをふまえて、鳳凰三山を縦走した時のことです。鳳凰小屋でテント泊をして、翌朝一番で地蔵岳に向かった時のことです。

僕はエンジンが掛かるのが遅いので、鳳凰小屋から地蔵岳への登りをヒーヒー言って登っていた時、写真を撮ろうと、いつものように右のストックのグリップから手を離したら、手首にストラップを通しておらず、ストックは当たり前ですがそのまま落下、しかも、右側の谷にコロコロっと・・・。しかし、普段の行い(?)が幸いしたのか、運良く1mくらい転がったところで木に引っかかって止まりました。ストックが転がった瞬間は、あ〜、もう谷底まで落ちて回収は不可能だぁ〜! と思いました。

しかし、そのストックが止まった場所は、下って回収出来るような斜面でも無いし、もちろん手も届きません。そこでふと気づいて、もう1本のストックの先を、斜面にあるストックのストラップに引っ掛けて回収することができました。

もし、転がり続けていたら谷の底まで落ちていたけど、転がらなかったために運良くストックを失くさずに済んだというお話でした。

転がらない水筒

次は前述した鳳凰三山のすぐ南にある、白峰三山を縦走したときの話です。

北岳、間ノ岳、農鳥岳と縦走して、あとは農鳥小屋まで一気に下るというだけ、という場所で起きました。農鳥岳からの稜線上にある鐘が付いた慰霊碑のある辺りです。そこから稜線を外れて農鳥小屋まではかなり急な下りが続きます。ここから稜線を外れるので、念の為地図で確認します。実は農鳥岳の手前で、ルートを外れて、危うく変な方へ行くという失態を犯しているので、ここでは慎重に確認します。

ルートが間違っていないことを確認して、ザックを背負い直した時のことです。サイドポケットに入れていた水筒がコロンと落ちて地面を2度、3度とバウンドしました。ここはかなり急な斜面なので、あっ、オワタ・・・もう、この水筒とはお別れなのか・・・。という思いが脳裏をかすめましたが、次の瞬間、水筒はスタッと地面に着地しました。その証拠が以下の写真です。いやいや、こんなの適当に撮影しただけだろ! と思うのも頷けます。しかし、この写真は正真正銘その時のものです。あまりにも珍しい出来事だったので、思わず撮影してしまいました。

僕はこのブログを書いている時点で山登り歴16年目に突入するところです。正直言って、水筒を落としたことは数限りなくあります。しかし、このようにちゃんと着地したので後にも先にもこの1回だけです。

まぁ、だから何だということですが、あくまでおまけなので、温かい目でみてやってください。


以上、『転がる編(おまけで『転がらない編』)』でした。次回は『迷走編』を予定しています。お楽しみに〜。

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