"The mountains are calling..." by JOHN MUIR

【失敗談】暗黒編

FIN OD企画 山の失敗談

大抵の登山地図にはコースタイム(ある程度山登りの経験がある人がA地点からB地点まで移動出来るであろう時間)が書かれています。そこそこ山登りの経験のある人なら、自分の運動能力と照らし合わせて、そのコースタイムに対してx0.8とか1.2とか掛けて自分のタイムを割り出して(コースタイムが100分とあったら、x0.8を掛けて80分、x1.2だったら120分と考えます)、山行計画を立てたりします。歩くのが速い人ならx0.5だったり、遅い人は2.0なんて人もいます。僕の場合はほぼコースタイム通りなので、x1.0ということになります。しかし、登り基調とか、ほぼ下りしか無いなんて場合は多少調整して考えます。

また、今日はじっくり写真を撮るぞー、とか何かの調査の場合などはコースタイム+アルファの時間を取ることもあります。

これは山登りの経験を積むことによって、かなり正確に自分のコース「タイム」が割り出せることが出来るようになります。ただし、グループ登山で人の後にくっついて歩くことしかしない人には難しいかもしれません。また、ソロ登山だったとしても、何も考えずに歩いている人にも難しいでしょう。

もちろん、どんなに正確に自分の歩く速度が分かったとしても、例えば、たまたますれ違った人とウマがあって、思いのほか長く話し込んでしまったとか、あまり起きて欲しくは無いけど、転んで怪我をしてしまったりとか、死ぬほど強烈な向かい風で全然前に進めなかったりとか、思いがけく希少動物と遭遇してしまい、ついつい追いかけてしまったとか、通りすがりの山小屋からいい匂いがして、それに釣られてふらふら〜っと寄り道したりとか、天狗にちょっかいを出されたりとか、UFOに拐われたりとか、、。とにかく山の中では何があるか分かりません。自分の歩く速度がいくら正確に分かっても、その日、起こる事までは分かりません。しかし、自分の歩く速度が分かっていれば、何かイレギュラーな事が起きた後の対処に差が出ると思います。

なので、自分の歩く速度をある程度は把握して置いた方が良いでしょう。

ちょっと話は逸れますが、僕はロングトレイルが好きなので、1日にかなりの距離を歩く事があります。しかも普通の会社員なので、取れる休みが限られています。例えば全長100キロのロングトレイルがあったして、歩ける日数が5日あったとすれば、1日平均20キロ歩かなくてはなりません。

メジャーなロングトレイルなら公式マップがあり、そこにコースタイムや距離が書かれていたりします。しかし、まだトレイルが製作途中だったり、そもそも公式マップが無い、またはあっても役に立たないような時は、ロングトレイル用のマップを自作します。まぁ、自作とは言っても、コース上にマーカーを引いたり、各ランドマーク間の距離を調べるくらいなもんですけど、、、。

もちろんこのような時はコースタイムはありません。分かるのは距離のみです。では、20キロ先にあるテント適地に陽のある内に到着するには、その日の朝は何時にスタートすれば良いのでしょう。土地勘でもあればある程度予測を立てる事もできるでしょう。しかし、僕は今まで土地勘のある場所のロングトレイルを歩いたことはありません。というか、そもそも僕の土地勘があるところにロングトレイルはありません。

では、どうするかと言うと、これはあくまで僕の場合ですが、、、。他のロングハイカーさんは恐らく、その人それぞれの方法で同じような事をしていると思います。まず、その日歩く、全体のルートを距離や勾配、コース状況(舗装された道なのか? 山岳地帯なのか? など)を調べます。そして、その日のコースをいくつかのセクションに分けます。例えば、その日歩く予定のコースを4〜8くらいに分割します。分割の基準としては各セクションが3キロから5キロ程度になるようにして、それぞれの起点に分かりやすいランドマークを設定します。山岳地帯なら川や峠や山頂、街部なら橋や駅、神社仏閣などの間違いようにない場所をランドマークとします。そして、そのランドマーク間の距離を測ります。以前はマップメジャーのようなものを使用して計測していましたが、今はスマホアプリやPCのマップなどで簡単に距離を測れます。しかも、精度も高いです。

すると、その日歩くルートの全体の距離が分かり、それを分割したそれぞれの距離も分かります。一度に数十キロのコースタイムを考えるより、分割した3〜5キロならかなり正確にコースタイムを読むことが出来ます。

すると逆算して今日のゴールは◯◯時に到着しようとしたら、◯◯時までにここを通過して、さらに逆算して、ここを◯◯時までに通過するなら◯◯時には出発する必要があるな。と、スタート時間が割り出せます。また、予定した時間に予定した場所に辿り着けなくても、多少の時間なら前後のセクションで補完が出来ますし、修正が困難なほどズレていて、予定した時間にゴールに着けそうもない場合には、早いタイミングで対処することが出来ます。実際に僕も、予定よりかなり遅れてしまいリタイアしなくてはならなくなった時に、その日に林道に出るのは困難と判断して、早い時間からビバーク(まぁ、普通のテントを持っていたので厳密な意味でビバークとは言わないかも)の準備に入れ、翌日エスケープルートから無事に下山したということかありました(詳細は後日失敗談で書きます)。これも、自分の歩く速度が分かっていたので、早い時間に対応出来たのが良かったと思っています。

かなり脱線したので話を元に戻しますね。

自分の歩く速度がある程度分かるようになると、余裕が出て山行計画にも幅を持たせることが出来、1日の時間を自由に使えるようになります。初めて行く山域でも、自信を持って歩けるようになります。しかし、もし、その想定していた時間通りに行かなかったら? 2時間で歩けると思っていたのに、実際に歩いたら倍の4時間も掛かってしまったら? 

普段、山行計画を立てる時は、下山を日没の2〜3時間前に設定することが多いです。これは日帰りの時も、テント泊の時も(この場合はテント場に到着する時間)基本的には同じです。多少遅れても日没前にはその日の行動が終われるようにしています。

しかし、世の中は必ずしも想定の内側だけで動いているわけではありません。かなりの確率で想定の壁をぶち破ってきます。僕もその想定を蹴破ってしまったことが過去にあります。今回はその時の事をお話ししたいと思います。

ちなみに今回のサブタイトルは《暗黒編》となっています。なんか中二病的ですが、ようは日没までに下山できずに暗くなってしまった、というお話です。かなり脱線も多いですが、、、まぁ、これはいつのも通りですかね・・・。


2006年1月28日(道志・国境尾根縦走)

僕がまだ山登りを始めて3ヶ月程度しか経っていない頃。神奈川県と山梨県の県境の尾根を縦走した時の事です。結論から言いますと、今回の失敗の原因は、単純に自分の力の過信です。まだまだ、自分が1日で歩ける距離が分かっていなかったんですよね。

車をどうしの道の駅に置いて、県境尾根に取り付き、この日の最北の菰釣山(こもつるしやま)からずっと南下して、城ヶ尾山、大界木山、平指山と縦走して、県境尾根を外れて鳥ノ胸山、秋葉山とまわり、そこから国道413号線(どうしみち)に出て、道の駅に戻るというルートを想定していました。距離にして20キロを少し超えると思います。今、その時のルートを地図で見直してみても、だいぶ無謀だったなぁと思います。しかも、スタートが7時45分とかなり遅いです。しかも、昼間の時間が短い1月のことです。

今なら、ルートを見直してもう少し距離を短くするか、もっと早い時間にスタートします。それと、僕の場合は山岳地帯の平均移動スピードはおよそ時速2キロ程度なので、20キロの距離なら、10時間は掛かると計算出来るので、そもそも、この計画を実行することは無いでしょう。

で、スタートが7時45分なので、ゴールは17時45分となります。この時期は16時にはかなり薄暗くなり、17時には完全に夜です。そもそもの計画が無茶でした。まぁ、山登りを始めてまだ3ヶ月程度なので、自分の歩くスピードを正確に把握するのは無理ですよねー。完全に過信していました。ちなみにその日のゴールは17時56分でした。夏場ならまだ明るい時間ですが、1月のこの時間は真っ暗です。完全に夜です。正直言ってちょっとビビりました。

最後の山頂に到着したのがちょうど17時で、まだ、かろうじて周りの風景が見えますが、この後あっという間に暗くなるのは、登山初心者と言えども想像は出来ます。なので、急いで下ります。しかし、林道に出る少し手前、17時30分頃にはすっかり夜になっていました。しかし、林道に並走するように国道が通っていてそこの街灯があったおかげで、完全に暗闇になるのを防いでくれました。わずかな光量ですが、無いより全然気分的に違います。

もちろん、初心者といえども、ヘッドランプは装備しています。しかし、まだ、テント泊もしたことも無く、実際に山で使ったことはありません。なので、ヘッドランプを点けるタイミングがイマイチ分かりません。たとえヘッドランプとは言え、実際に使用したことの無いものは、いざという時に十分に活用出来ないもんだな〜って思いました。

最近、震災に備えるためにキャンプ道具をバックパックに入れて備蓄しておく家庭が増えているようですが、これも持っているだけではダメだと思います。最低数回は実際に使ってみなくては、いざという時に十分に活用出来ない可能性があります。

また、買ってただ置いておくだけでは、万が一初期不良などで問題があっても気が付かない可能性もあります。

物によっては、実際に震災に遭った方が監修しているものもあり、一見、すごく役に立ちそうですが、そのセットはあくまでその監修者の物です。必ずしも万人に適しているわけでは無いので、そのセットをベースにして、実際に自分で経験をしてカスタマイズすると良いと思います。

もちろん、実際に震災に遭った方の経験談は貴重ですし、そこから得られた知識は貴重です。参考に出来るところは、貪欲に吸収しましょう。

かろうじて、遠くの国道の街灯があったおかげで、真っ暗にはならずに済んだのは幸運でした。その後、国道に出て、無事にどうしの道の駅に帰り着くことが出来ました。今なら秋葉山の山頂の時点(この時点ですぐに暗くなるのは分かっていた)ですぐに使えるようにヘッドランプを装備していたでしょうね。色んな意味で初心者だったということですね。

以前もこの【失敗談】で、「死なない程度のミスは、なるべく早いうちにたくさん経験しておくべし」と書きました。まさにこういった小さな失敗ほど、反面教師になることはないと思いました。こういった物は本で読んだり、人の経験談を聞いたりしただけでは、やはり他人事として受け取ってしまうので、自分で経験したものには敵わないと思います。そう言った意味では僕は、早いうちにこのような失敗を体験(?)をして良かったと思います。

実際にこの経験を機に、ヘッドランプの装備は忘れないようなったし、ヘッドランプ選びも慎重になりました。また、事前のコース選択も慎重になり、長いコースを歩く場合には、必ず、エスケープルートも忘れずに確認するようになりました。

2016年1月15日(大山巡礼トレイル)

さて、上の経験からちょうど10年が経った頃・・・また、やらかしました。上で良い経験をしたとか、散々偉そーな事を言っていましたが、今は自分で自分を、どの口が言うか〜!!! と100トンのハンマーで殴ってやりたい気分です。

そして、ふたたびの舞台もまた1月でした。だ〜か〜ら〜、この時期は陽が短いんだから、計画は慎重にしなくちゃならんでしょ!

今回の舞台は神奈川県の大山(おおやま)付近です。ある意味、僕にとってはホームグランド中のホームグランドです。目をつぶっても歩ける山です。嘘です。そのくらい親しんでいる山って事です。

この大山は山登りを始めた頃から、毎年その年の最初に登る山で、僕の中では初詣登山のための山になっています。これは約15年ほど続いて、自宅から近いせいもあり、お正月以外にも登っているので、単純計算で30回以上は登っていると思います。コースも一般的なコースから、バリエーションルートなどあらゆるコースを歩いています。

そんな大山を中心に『大山巡礼トレイル』と言うルートが(恐らく)厚木市が中心になって制定されています。コースの詳細はググって頂くとして、簡単に書くと、蓑毛のバス停をスタートとして、大山に登り、そこから不動尻に下り、林道を南下して、山の神隧道からふたたび登山道に入り、鐘ヶ獄に登り、そこから広沢寺温泉に下り、再び山に入り、見城(みじょう)山、日向山と進み、日向薬師へ下ります。そこから暫く車道を進み、今度は飯山温泉のある白山の山塊に入ります。まずは住宅の脇を抜け、巡礼峠まで登り、そこからは尾根伝いに白山まで北上、白山から長谷寺(ちょうこくじ、と読む)に下り、さらに山門くぐり、飯山温泉の入り口にある赤い欄干が特徴的な庫裡(くり)橋でゴールになります。

全行程の距離は約22キロあります(公式マップでは22キロですが、実際にはもっとありそう)。そこそこ、いや、めっちゃ距離あるやん! こんな距離をこの時期に日帰りで歩くなんてただの無謀じゃん。って思われるでしょう。僕も同感です。もちろん、足の速い人やトレランの人なんかは、えっ? 22キロ? そんなの一瞬じゃん。とか思うかもしれませんが、前述の通り、僕はコースタイム×1.0の男です。しかも、僕はこの距離を陽が暮れるまでに完歩しようとしていました。何でこんな無謀な計画を立てたか? それは、今までこのコースを通して歩いたことは無いですが、部分部分では全てのコースを歩いています。しかも何度も・・・ある意味勝手知ったる何ちゃら、ってやつです。それと、このルート自体、全てが山岳地帯というわけではなく、林道や舗装路もまぁまぁあります。なので、そこをキビキビ歩けばなんとかなると思ったんでしょうね。なんともならなかったんですが・・・。

今回は10年前の失敗の時とは違い、可能な限り早い時間にスタートしました。前回はスタートとゴールが同じ場所でしたが、今回は違います。しかも、かなり離れているので、途中までは車で行きましが、そこからは公共交通(電車、バス)を使っています。それぞれ始発を使い、可能な限り早い時間でスタートするようにしました。と言うか、公共交通機関を使ってこれ以上は早くはスタート出来ないっす。さすがの僕も学習しています。長い距離を歩く時は可能な限り早い時間にスタートします。

6時30分、蓑毛のバス停からスタートして、すぐに登りは始まります。傾斜はそれほどではないですが、初っ端からこのルートの最高所の大山に登ります。高低差は今日イチあると思います。なのであまりペースを上げずに淡々と登りました。大山山頂に着いたのは8時50分、コースタイム3時間10分に対して2時間20分で、まぁまぁのペースでした。この調子でなるべく前半に貸しを多く作っておこうとここからしばらくはペースを少し上げることにしました。しかし、まだこの時点では全然余裕じゃん。ってことで、山頂で20分も時間無駄にしてしまった。

次は、大山山頂からは不動尻に下ります。ここからは下りですし、大山山頂から見晴台へと下る雷尾根を歩いた事のある方なら分かると思いますが、しばらくは段差の大きなそこそこ急な斜面を下らなくてはなりません。しかも、もう一本のメインルートである表尾根同様、登ってくる人も多いです。なので思ったよりペースを上げることは出来ませんでした。やがて、見晴台と不動尻との分岐で、不動尻方面に入って、人も減り、やっと少しだけペースを上げることが出来ました。唐沢峠を過ぎて滑りやすいジグザグのコースを下ると、不動尻です。時刻は10時40分です。大山山頂から1時間30分で、ほぼコースタイム通りです。

不動尻からは舗装された林道を進みます。暫く歩くと山神隧道があり、そこを越えてすぐに再び山に入り、鐘ヶ嶽山頂を目指します。登山口からしばらくは急ですが、山頂稜線に入ると緩やかな登りが山頂まで続きます。

鐘ヶ嶽山頂に着いたのが、11時40分。不動尻から1時間です。なかなかいいペースですよね。そこで気を良くして、ここの山頂でのんきに食事など摂ってしもうた・・・。当初の予定ではもっと先で、昼食にするはずだったけど、、、あれ? なんか変だぞ?

ここまではほぼコースタイム通りか、それ以上のペースで歩いているのに、この予定より遅れている感はなんだ? なんか違和感がある。

ここでよく考えてみる。

あっ! 分かった! 勘違いしていた。過去にあまりにも何度も歩いていたせいで、わざわざマップなんか見なくても大丈夫、とばかりに何箇所かのセクションのコースタイムをかなり短く見積もっていた。

分かりやすく説明すると、6つのセクションがあったとします。そして、それぞれのコースタイムが2時間だったとしたら、全コース歩くのに12時間掛かりますよね。しかし、その内の2セクションを1時間で歩けると勘違いしていると、全体で10時間で歩けるだろうと思ってしまいます。なので各セクションをコースタイムで歩けば、6時30分にスタートすればゴールは16時30分にはゴール出来、この季節でもギリギリ明るい内にゴール出来と思っていたんです。しかし、実際には2時間ほど足りていなかった。進めば進むほどそのズレが顕著になってきて、違和感を感じたんだと思う。これが第一の悲劇でした。

完全の自分の勘違いです。なまじ地元で何度も歩いている場所なので、完全にナメていました。しかし、鐘ヶ嶽山頂ではまだこの事実にはっきりとは気がついていません。何か違和感があるなぁ〜程度でした。

そのせいで、かなり遅れているのにも関わらず、鐘ヶ嶽山頂でのんびりと食事&休憩で20分ほど費やし、12時ぴったりに下山を初め、広沢寺温泉に向かいます。

当初の考えでは13時には日向山を下り、日向薬師付近にいるはずだったけど、さすがにここから日向薬師まで1時間で行けるわけもなく。よってここからちょっとハイペース気味に歩くことにしました。

しかし、ここで第二の悲劇が起こります。鐘ヶ嶽山頂から下り始めて、しばらくすると滑りやすいところがあります(丁目石で言うと二十三、二十四丁目付近)。ここで足を滑らて足首を捻挫してしまいました。しかし、不幸中の幸いで。歩けないほどのひどい痛みは無く、下りなどで足を着地させるときに軽い痛みが走る程度です。ここで多少はリタイアのことも考えましたが、とりあえずは行けるところまで言ってみよう、という結論に達しました。ただし、ここから先は、下りでは足の痛みがあるので、あまりペースを上げられません。なので、その分登りでがんばらなければならなくなりました。

このあとなんとか鐘ヶ嶽を下り、広沢寺温泉まで一般道を進み、そこから再び山に入り、見城山(みじょうさん)、日向山と縦走し、日向薬師に下ります。ここで14時30分。当初思っていたが13時だったので、1時間30分の遅れです。ここで初めておかしいことに気が付きます。というか、おかしい理由を知ります。今まではほぼコースタイムで歩いているのに、なぜ、1時間30分も遅れたんだろう? ということです。答えは前述の通りで自分のコースタイムの認識ミスです。ここで初めて気が付きました。

しかし、ここから巡礼峠までは舗装路が続きます。なんとかなるだろうと先を進み、巡礼峠への登り口に到着したのが15時35分。この時間から山に入って大丈夫なのだろうか? とも考えましたが。もうここまで来たら巡礼峠まで登ってそこから白山までは尾根伝いに進むだけなでなんとかなるでしょ。なんて軽く考えていました。

巡礼峠(15時50分通過)を越えて、思っていたよりも激しいアップダウン(歩いた事のあるコースだけど、キツいアップダウンの事はすっかり忘れていた)に悩まされつつも、足をかばうために、下りはゆっくり、登りはハイペースで進み、白山には17時10分到着しました。この時期のこの時間は、陽はすっかり落ち、辺りは夜の一歩手前です。ずいぶんと前から日没のカウントダウンは始まっていました。だけど、なるべく考えないようにしていたので、辺りは暗くなり始めた頃になってやっと、ヤバイ! 後少しでカウントダウンはゼロをコールしてしまう。と慌てます。しかし、時すでに遅し、無情にもゼロはコールされました。

ここで10年前と違うのは、この10年の間で、暗い時間帯にヘッドランプを着けて歩く経験を幾度もしてきたことです。なので、陽はすっかり落ち、辺りが真っ暗になっても、白山の頂上にある展望台から関東平野の夜景を楽しむ余裕がありました。まぁ、ここまでくればあとは長谷寺(ちょうこくじ、と読みます)に下り、そこからゴールの庫裡橋までは目と鼻の先なので、気分的にも余裕があります。

しかし、経験というものは大きいですね。今日は暗くなる前にはゴールするつもりだったし、ゴール前に暗くなるなんて微塵にも思っていませんでしたし、完全にイレギュラーなことだったのにも関わらず余裕を持って行動できたのは、やはり、経験の賜物だったと思います。

以前にも書いたことがありますが(というか、この企画の影のテーマかもしれませんが・・・)僕には「死なない程度のミスは、なるべく早いうちにたくさん経験しておくべし」という持論があります。まさにその持論が活かされた経験だったと言えると思います。

暗い山中をヘッドランプで歩く事に関しては、過去の経験を生かすことが出来たと思いますが、ただし、計画の不備に関しては全くの僕のミスです。完全にナメていたとしか言いようがありません。慣れと思い込みによる単純ミスです。

この後、タップリと夜景を堪能して、無事にゴール出来ました。歩行時間は約11時間半にもなりましたが・・・。


結局、今回は思い込みや過信が生んだ失敗だったと思います。まぁ、結局は過去の失敗談も原因を突き詰めれば、思い込みや、過信によるところが大きいような気がします。しかし、こればっかりはなかなか防ぐ事は難しいような気がします。

だったら逆に、起こることを防げないんだったら、起こってからの対応を適切にすることにより、最悪の事態を防げるようになるんじゃないか? なんてことを考えてもみたけど、よくよく考えたら、「起こる」「起こらない」ってゼロかイチで判断できるもんじゃないよね。実際にはゼロからイチまで間に無限のパターンがあり、ただ単に事象としての「コケる」っていっても、尻もちをつく程度から谷底に滑落するまで、いろんなパターンが考えられ、その程度をコントロールするのは不可能ですもんね。

そう考えると、やはり「起こらない」ようにする事が大事だと思うけど、単純なミスほど防ぐのは難しいですね。そもそも、そればっかり考えて山登りをしていても面白くないだろうし、結局、準備段階でどれだけ、あらゆる事を想定して準備出来るかって事ですかね。

長々と書いてしまいましたが、やはり「死なない程度のミスは、なるべく早いうちにたくさん経験しておくべし」ってことで、色んな経験を積む事で避けれることも多いと思いいます。なので、これからも小さなミスを恐れずに山登りを楽しんで行こうと思っています。

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