星野道夫という写真家を知っていますか? アウトドア系の人なら知っている人も多いでしょう。一般の人でも名前は知らなくても、この人が撮った何枚かの写真を見せれば、あ〜見たことある! って人も多いかと思います。または、悲劇の最後を遂げたことで知っている人もいるでしょう(詳しくは下記Wikipediaを参照してください)。
今回はその人の写真展に行ってきたお話をします。
僕は以前から機会があればこの人が撮った写真を生で見たいなぁ〜と思っていました。しかし、すでに亡くなられているし難しそうだな〜と半ば諦めていました。もしかしたら常設展示をしている場所もあるのかもしれませんが、そこまでは調べていません。
そんな中、昨年のことですが、石井正則さんのVoicyを聞いていて、東京で写真展をやっていることを知りました。知ってしまった以上、行かないわけにはいきません。年末の忙しい時期でしたが、いくつかの用事をキャンセルし、すぐにチケットを取り、昨年の12月25日に行ってきました。
場所は恵比寿の「東京都写真美術館」です。恵比寿にはもう20年以上は行っていません。「東京都写真美術館」がどこにあるのかも知りません。でも、恵比寿ガーデンプレイス内にあるということで、まぁ、適当に行けば大丈夫だろうと、適当に恵比寿ガーデンプレイスに向かいます。場所はすぐに分かりました。というか、ほぼ1本道なので迷いようがないですね。一応場所が分からないので30分前(事前に日付と時間を指定してチケット取っていました)に着くようにしていたのですが、実際には30分以上も早く着いたので、久しぶりに恵比寿ガーデンプレイス内をブラブラしてみました。しかし、あまりにも久しぶり過ぎたので、以前来たときと変わったのか変わっていないのかも分かりませんでした。僕の中の恵比寿ガーデンプレイスの記憶がほぼ消えかけていました。
予約した時間(午前11時に予約していました)が来たので、受付に向かいます。このコロナ禍の中なので事前登録した人しか入れないと思っていましたが、当日券の方はこちらです、と係の人が誘導していたので、予約しなくても入場出来るようですね(未確認です)。
受付を済ませ、会場内に入ります。思っていたより人がいます(予約制だと思っていたので入場制限しているのかと思っていた)。それより圧倒されたのが壁に掛けられた写真たちです。テーマ別に並べられているんだと思いますが、順路に沿って歩けばアラスカの旅が追体験出来るような展示になっています。その写真一枚一枚が圧倒的な迫力で迫ってきます。
僕自身も趣味で写真を撮りますが、どうやって撮ったんだろう? って写真ばかりです。生き物が写っている写真がほとんどですが、なぜ? この構図で撮れたんだろう? なぜ? このタイミングでシャッターが切れたんだろう? と思うような写真ばかりです。しかも、その全てにピントがばっちり合っています。まぁ、プロの写真家なのだからピントを合わせるのは朝飯前だろうとは思いますが、相手は動きの予測が出来ない動物です。いちいち止まってポーズをとってくれる気の利いた動物なんかいるわけがありません。恐らく星野道夫という人は、動物の動きはもちろんその呼吸のタイミングまでばっちり理解しているのだと思います。
当たり前なんですが、写真は全てフィルムで撮られています。僕自身も写真を始めた頃はフィルム写真でした。その後デジタルに移行しましたが、昨年からフィルム写真を復活しました。しかも、50年以上も前に作られたフィルムカメラ(中古で買いました)で撮影しています。久しぶり(20年近く振り)にフィルムで撮影した写真は、あぁ〜写真ってやっぱりこうだよなーって思わせるものでした。そんな中に見たのが今回の写真展の圧倒的な写真の数々・・・。打ちのめされるのと同時に、やっぱりフィルム写真っていいよなーって再認識しました。デジタルでは再現の難しい自然界のグラデーションもアナログフィルムなら見事に再現してくれます。まさに無段階の階調です。今年はもう少し本格的にフィルム写真を撮りたいなぁ、って思いました。しかし、フィルムが高すぎぃ〜!!
また、今回の写真展の目玉のひとつで、昨年(2022年)新たにアラスカにある地下倉庫から発見されたパノラマカメラ(フジパノラマG617プロフェッショナル)の展示と、そのカメラに入っていたフィルムからコンタクトプリントされたものも展示されています。これは展示ルートの最後にあり、ちょっと分かりにくいところにあって気づかずに帰って行く人もいたので、忘れずに要チェックです。
この写真展は全国を巡回しているようです。今まで、仙台、北九州、岡山、神奈川、名古屋、福井と回ってきて、今回は東京だったということです。東京は1月22日までですが、その後も全国を回るそうなので、興味ある方は公式サイトでチェックしてみてください。
今回の写真展に合わせて(?)「星野道夫 悠久の時を旅する」という写真集もリニューアルされたみたいです。写真展に展示されていた写真のほとんどが載っているので、なかなか写真展までは行けないよー、という方はAmazonでも買えるみたいなので購入を検討してみてはいかがでしょうか? 解説が多く載っているので、写真展にこれから行くっていう人も予習用にいいかもです。おすすめします。