今回はコンパスです。山ノボラーや地図を見るのが好きな人は知っていると思いますが、意外に、「コンパスは真北を指してはいない」ということを知らない人が結構います。まぁ、小学校の時に一度くらいは理科の授業で使ったことはあると思いますが、その時は単純にコンパスの針が北を向く、ということだけを教わったような気がします(西偏とかちゃんと習ったっけ?)。詳しいことは文末に紹介している参考書を見てもらうとして、今回は簡単に真北と磁北の違いだけ書きます。
通常、地図では上が北になりますが、これは真北を指しています。この真北とは回転軸を基準にしています。つまり地球儀でいうところの北極にある支えの軸(ポール)の場所が真北にあたります。一方磁北とは磁石が指す北です。通常磁石は回転軸(つまり真北)は指していません。磁力かなんかの影響で少しずれた位置を指しています。ではどこを指しているかと言うと、カナダの北のあたりを指しています。あたりと曖昧に書いたのは、毎年少しづつ変化しているからです。ちゃんとした地図を見たことのある人は知っているかも知れませんが、通常、地図には(日本の場合)「西偏○○度」のような記述があります。これは磁石の針の指す北は西に○○度ずれていますよ。ということです。
ちなみに手元にあった国土地理院発行の2万5千分の1の地形図では高尾山付近で「西偏約7°10′」となっています。なので、この付近でコンパスを使って地図を見るときは、コンパスの針は西に約7°10′傾いて指すので、これを念頭において見ないと、実際の地形と地図が合わないと言う事になります。
今回は私が持っているコンパスの紹介なので、ここでは細かなコンパスの使い方には触れません。それをやっていたら分量が半端じゃなくなります。ちゃんとコンパスの使い方をマスターしたい方は、文末に参考書を紹介していますので、そちらを参考にして下さい。
SUUNTO(スント) A-30
山装備の中でもわりと最初の方に購入した装備のひとつです。この直前にSUUNTOのVECTORを購入していたのであまり深く考えずにこのモデルを選択したました。
使い勝手は・・・まぁ、普通だと思います。気温が-20度の時や、周りが鉄鉱石だらけの岩場、なんてところで使用した経験はないので、極地での精度についてはまったく分かりませんが、通常の登山で使用する場合は特に不便なことも無く普通に使っています。
もっとも、普段はこのコンパスよりは時計に付いているコンパス機能を使うほうが圧倒的に多いです。稀にバリエーションルートよりさらにマイナーなルートを地形図だけを頼りに進む場合はさすがに、このコンパスを首にぶら下げて地形図とにらめっこしながら使う、ということもありますが、これは例外中の例外ですね。
なので、普段はザックの中に入れっぱなしにして使わない方が圧倒的に多いです。しかし、腕時計にしても、GPSにしても電池が切れたら全く使い物にならなくなるので、万が一の事を考えて装備から外すことは出来ませんね。
SILVA(シルバ) No.3G
通常、登山用のコンパスと言えばこのモデルと言うくらい定番中の定番です。迷ったらこのモデルを買っておけば問題無いと思います。ただし、私が購入したこのモデルは「75周年記念限定モデル」で度数リングが緑になっています。通常モデルは赤です。上記のスントのコンパスを持っていたので、購入予定は無かったのですが「75周年記念限定モデル」という文句にやられて購入しました。
使い勝手もスントとほとんど変わりません。ただし、コンパス部はコチラの方が一回り大きいです。その代わりと言っては何ですがスントの方は暗いところでも見やすくなるように度数リングの周りには蓄光塗料が縫ってあります。
基本的にコンパスなんて一つ持っていれば事足りるのですが、「限定モデル」という言葉に弱い私は、コチラも購入してしまいましたが、今現在、メインで使用しているのはスントの方です。が、たまにちょっと気分を変えようと思ってこのモデルを持って行く事も結構あります。割合で言うとスント7に対してシルバは3くらいです。と、言っても実際には使わない時の方が圧倒的に多いんですが・・・。