2008年7月に仏果山登山口から入って一つ目のピークを超えた谷で謎の橋を見かけてからずっと気になっていました。その時は植物観察がメインで樹木図鑑などを抱えて入山していたので、それほど気にしていませんでしたが、下山後、あの橋の先はどうなっているんだろう??? という気持ちが芽生え、いつの日か確認してやろうと思いつつ、6年近くも経ってしまいました。そして、やっと確認してきました。当時はネット等で検索してもその橋のことは分かりませんでした(今は分かるのかな?)。なので、自分の中ではずっと謎の橋として心の隅に引っかかっていたので、今回の踏査で6年振りにスッキリした気分です。詳細は本文を読んでいただくとして・・・まぁ、読んだ人には余計にモヤモヤさせてしまったかもしれまんが・・・。
このルートのほとんどがバリエーションルートになっていて、沢沿いのルートがあったり、落石の危険があったりと、危険もバリエーション豊かになっているので、初心者の方にはお薦めできません。
山行データ
山行日 | 2014年04月12日(土) | ||
---|---|---|---|
コース | (スタート)大棚沢広場~仏果山登山口~山の神〜謎の橋~大棚沢広場(ゴール) | ||
山 名 | タ グ | ||
山 域 | 丹沢エリア | 累積標高 | (+)595m |
歩行距離 | 6.868km | 所要時間 | 03時間08分 |
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山行記録
【07時26分】
4月半ばとはいえ、ヒルの目撃報告がチラホラ散見するようになっていたので、念の為に・・・。
【07時29分】
準備を整えて、大棚沢広場から出発です。
丹沢をホームグラウンドとしている自分ですが、その中でも最も数多く登っているのがこの山域だと思います。なので、普段なら特に緊張するようなことも無いのですが、今日はチョット緊張しています。
【07時29分】
先週に比べて少し水量は減っているように見えるけど・・・。
【07時30分】
まずは、仏果山登山口に向かいます。
【07時31分】
大棚沢広場の駐車場からおよそ100メートルくらい土山峠方面に向かうと、登山口があります。
【07時32分】
目の前にはバス停もあります。
【07時32分】
本厚木駅行きは1時間に1本くらいしかありませんね・・・。(2014年4月現在の時刻表です)
【07時32分】
まずは階段を登って登山道に入ります。
【07時33分】
すぐに登山ポストがあります。
【07時34分】
登山ポストにはヒルの忌避剤が置いてあります。普段はだいたい空っぽなことが多いですが、今日は珍しくヤマビルファイターが入っていました・・・。もちろんすでに塗布済みなのでスルーです。
【07時34分】
それにしてもこの登山ポスト・・・、ボキってなっている・・・。
【07時34分】
トラロープで支えられています。
【07時35分】
まずは緩やかな登りです。
【07時40分】
何だあれ?
【07時44分】
蝮草(マムシグサ)が咲いていました。
【07時45分】
こっちはスミレ。
【07時48分】
結構急な斜面ですが、登山道がジグザグに付けられているので・・・
【07時50分】
・・・比較的楽に登れます。
【07時52分】
さて、第一目的地の山の神です。ここから登山道を外れて裏手のピークに向かいます。
【07時53分】
枯れ枝かと思ったら・・・。登山道からわずか1メートルくらいしか離れていないのに・・・。(拡大閲覧注意)
【07時58分】
ピークに到着。
【07時59分】
視界が開けて、高取山が見えます。あそこまでたどり着けるか???
【08時00分】
6年前に来た時は7月ということもあり、もっと新緑が進んでいました。なので、広葉樹などは見分けやすくなっていましたが、いまは葉がほとんど付いていないので、見分けづらいです。が、さすがに6年も経っているので樹皮だけで判断できる樹が増えています。いや、増えているような気がします。
【08時00分】
ピークを外れて谷に下ります。一応、ルートは付けられています。が、このルートが何のためのルートなのかは分かりません。普通で考えれば、林業作業用か水源の森の保守用かとも考えられますが、なかり崩落が進んでいるのでよくわかりません。
【08時01分】
分岐もあったりします。ジグザグにルートが付けられているので6年前に来た時は楽に下れた記憶があるのですが、今現在はあちらコチラで崩壊が進んでいて、ルートは切れ切れになっています。
【08時05分】
ここからは急な下りなので、ストックを使用します。
【08時08分】
尾根に近い位置(高い位置)はそれほど大きな景況は無いようですが・・・
【08時13分】
・・・下っていく内にルートが分断されているところが多くなってきます。
【08時14分】
ほとんど道の判断がつかないような所も多々あります。
【08時16分】
道の判断が出来ないような場所は、少しでも楽に下れそうな所から、慎重に下ります。
【08時22分】
下ってきた所を見上げてみた。
【08時24分】
あっ、何かある?
【08時26分】
回りこむと・・・、正面に立てないくらいの急な斜面に建てられています。誰が見るんだ???
【08時27分】
少し下った所から振り向いたら、上から見たら見えなかった道が確認出来ました。でも、上からの土砂で他の斜面とほとんど同化している・・・。
【08時28分】
ピンクテープとトラロープがありますが、ここからは急過ぎて下れないので、水平移動で少しでも楽に下れるルートを探ります。ん?
【08時28分】
谷底になんか白い物が見えると思ったら、まだ雪がある・・・。
【08時32分】
石積みがある・・・。古そうだな・・・。
【08時38分】
やっと、谷底に着いた。
【08時38分】
下ってきた斜面を見上げる。昔はこの斜面に広範囲に渡って無数にジグザグにルートが付けられていたようだけど、この斜面は植林地ではなく広葉樹林帯なので、林業用とは考えづらい。まだこの辺りが宮ヶ瀬村の里山だったころの名残だろうか???
【08時40分】
おっ! 雪のトンネルがある。気付かずにこの上に乗ったら・・・と思うとゾッとする・・・。それにしても、この時期の丹沢でこのようなものが見られるとは・・・。
【08時41分】
まずは、沢の右岸に渡って下る・・・。昔、と言っても昭和のものだと思うけど、石積みの堰がある。
【08時42分】
ここからのルートはほとんど獣道になる。
【08時44分】
斜面を見上げる。さすがにこの斜面は登れない。
【08時46分】
高巻きして一度沢に降りる。
【08時46分】
下流側を見ている。右岸側の斜面はさすがに通れないので、左岸に渡る。
【08時48分】
また堰がある。
【08時48分】
右岸側から下れそう。
【08時51分】
堰の下に回り込めた。問題はここから・・・
【08時51分】
ルート上(?)にはトラロープがあるけど・・・。
【08時54分】
再び右岸を高巻きする。でも、途中で小さな谷があり、そこを渡るのはリスクが高そうなので・・・
【08時55分】
・・・再び沢に下る。高さは2メートル弱。ジャンプで下りれるレベルじゃない。辺りをキョロキョロしてみると・・・
【08時56分】
・・・トラロープ発見! これを掴みながら・・・
【08時58分】
・・・意を決する。ある程度下ったらつま先が掛かりそうな凸凹の岩があるので、そこからは3点支持で慎重に降りる。
【08時58分】
なんとか沢に下りた。けど、再び難関が・・・。左岸側はほぼ垂直の壁なので無理。写真の中央に見える岩の向こう側に行きたいけど・・・再びトラロープ発見! 手を伸ばしてなんとか掴むことに成功。トラロープに体重を預けながら岩場のトラバース・・・。あと50cmというところで足を滑らせ・・・
【09時00分】
・・・ドボン・・・。沢の深さは30cm程なので大事にには至らなかったけど、靴の中までグズグズに・・・。グスン・・・。
【09時00分】
振り返って見る。左側の岩場をトラバースしている時に足を滑らせた・・・。そもそも履いている登山靴は岩場歩きには適さないモデルだった・・・。
【09時02分】
気を取り直して・・・。よし、謎の橋が見えた。
【09時03分】
橋を渡った対岸の斜面にも上の方まで階段が付けられている。これを見たらどうしたって、この先がどうなっているか確かめたくなるでしょう?
【09時04分】
左岸をよじ登って橋のたもとに出た。6年前に来た時はまだ数枚の木の板が残っていたけど、今は完全にフレームだけになっている。
【2008年】
ちなみにコチラが6年前の様子。
【09時09分】
沢を少し下った所にも同じようなものがある。こっちは対岸に渡るためというより、両側が切り立った沢を登り降りするのに使われるものと思われる。見える範囲でずっと下流の方まで続いている。つまり、沢を登ってきて、先ほどの謎の橋で対岸に渡り、そこから垂直に近い壁を階段伝いで上部に出る。というルートになっている。このルートを気にするな、と言う方が無理だ。どうしても気になる。
【09時15分】
でも、そもそもこの橋は渡ることが出来るのか? という疑問もある。鉄パイプで出来ているとはいえ、自分が存在を知ってから6年は経っている。そもそも6年前の時ですら、すでに朽ち果てた橋に見えた。
しっかり5分以上は考えて、意を決して橋に足をかける。思っていたよりはしっかりしているけど、中間地点辺りまでくると微妙に揺れている。当然底板が無いので足元はスカスカ状態だ。高所恐怖症の人には無理だ。というか自分も高い所は得意な方ではない。かといって立ちすくんでいる方が怖いので、さっさと対岸に渡る。少し上にポッカリと穴が開いている。何かの坑道跡のようだけど詳細は不明。そこから左に曲がり階段に移る。しばらくは橋と同じに足を置く板が無いので、パイプの上を進む。しかも、手摺が片方しか無いので、恐ろしくへっぴり腰になっていると思う。しばらく登って切り返すところから普通の足が置ける階段になるも、上からの土砂で半分は埋まっている。
【09時20分】
最上部まで来た所でやっとカメラを取り出す余裕が出来たけど、何を撮っているのかよくわからない。恐らく登ってきたところを見下ろしているんだと思う。
【09時20分】
上を見上げる。完全な岩場になっている。ここから上は行けない。と言うか今の自分のレベルじゃハーネスを着けてしっかりビレイしていないと無理だ。写真は無いけど、10メートルほど水平移動した奥に測量用のプラ杭が見える。でも、途中が大きく崩落した跡があるので、昔は水平に移動できたのかもしれないけど今は無理だ・・・。
と言うことでこのルートは以前は通れたのかもしれないけど、現在は通れない。という結論に達した。少なくても謎の橋を渡って行ける所までは行ったので、自分の中では「謎の橋」から「行き止まりの橋」となって、妙に気持ちがスッキリした。
【09時23分】
そうと決まればサッサと下る。写真は途中から「行き止まりの橋」を見下ろした所・・・。
【09時23分】
見にくいけど、下流側にも同じような鉄パイプの構造物が見える。
【09時25分】
それにしてもこの辺りはトゲトゲの木があるので要注意。
【09時27分】
下りは橋を渡らずに斜面を滑り降りてきた。
【09時27分】
沢の中から橋を見上げる。
【09時29分】
回りこんで、橋の欄干にこの先は行けませんよ、という意味で枯れ枝を置いておいた。
【09時30分】
さぁ、これで高取山へのここからの登頂は無理だと分かったので、戻ることにした。同じルートを戻るのは無理なので、6年前のルートを辿る。
【09時31分】
最後に対岸の上部を見上げたら道らしきものが見えた。自分がたどり着いた最終地点より10メートル以上は離れている。方向的には測量用の杭が見えた上部だ・・・。これが何を意味しているのかは考えないことにしよう・・・。
【09時33分】
橋を渡った時には収納していたストックを再び出す。
【09時35分】
トラロープがある。なにげにこのルートはちょいちょい人の痕跡があるなぁ。
【09時39分】
宮ヶ瀬湖が見えた。
【09時40分】
傾斜は急だけど、歩きやすい尾根を登る。
【09時41分】
ミツバツツジ。
【09時45分】
あっ! 階段が出てきた。ちょうどここが十字路のようになっている。階段は尾根をまっすぐ登っている。
【09時46分】
こっちは左側。恐らく途中何箇所かは分断されているだろうけど、山の神の後ろのピークに出ると思う。
【09時46分】
こっちは右側。以前より気になっていた所に出るような気がするので、直登はしないで、このルートを進むことにした。
【09時47分】
途中崩れているところもあるけど、なんとか歩ける。
【09時49分】
鹿柵をくぐる。
【09時49分】
支柱もくぐる。
【09時50分】
振り返ってみる。倒木で柵が崩壊している。
【09時50分】
ルートはまだ続いている。
【09時51分】
ある程度来た所で、斜面の崩落で小さな谷が出来ていた。谷に下ってもう少し進めそうだったけど、谷の向こう側の取り付き点が危険に見えたので撤退。
【09時52分】
再び戻るのが面倒なのでこの辺の斜面を直登出来ないか考えたけど、上部が見えないので素直に諦めて戻ることにした。
【09時56分】
鹿柵をくぐるところまで来た所でふと、このまま真っすぐ行っても元に尾根に戻るよな・・・と思い数歩進むも、よく考えたら自分が今鹿柵の中にいることに気がついた。確かに方向的には真っ直ぐ行った方が近いけど、鹿柵があれば尾根には戻れない。と言うことで素直に戻ることにした。
【09時58分】
十字路まで戻ってきた。
【09時58分】
ここを登る。
【10時00分】
ミツバツツジ。
【10時01分】
やっぱり尾根には鹿柵があった。でも先程のところを直進してきた合流点には柵が壊されていた。けど、高低差がちょっとあったので、素直に戻って正解だった。
【10時01分】
道が鹿柵を越えて・・・
【10時02分】
・・・水平になった。たしか6年前は尾根を直登したので、今日は道なりに進むことにした。方向的には先ほど引き返した道の上部にほぼ水平に通っていると思われる。
【10時05分】
先ほど引き返した道の谷の上部あたるところ。やはりこちらも多少崩れているが何とか進めそう。
【10時08分】
高取山から宮ヶ瀬越の稜線が見える。あそこを歩いたら気持ちよさそうだなぁ・・・。
【10時09分】
先ほど引き返した道と合流した。
【10時11分】
結構登ってきたんだな・・・。橋があんなに下に見える。
【10時12分】
尾根を回り込むように進むと、再び鹿柵をくぐる。奥にもう一つの鹿柵があるけど、こちらの扉は開けづらいので・・・
【10時14分】
・・・少し登り返して、鹿柵が倒れている所を越える。
【10時14分】
鹿柵の右側が植林地体で左側が広葉樹林帯。
【10時17分】
なんとなく、広く緩やかな斜面に出たけど。ルートを見失う。
【10時18分】
ルートが分からずボー然と立ち尽くすおっさんの図。とは言うものの、ここまでくればどこをどう下ろうが県道64号線に出るのは間違いないので道無き道をグイグイ下る。
【10時21分】
落ち葉が深い・・・。
【10時25分】
下から見てずっと気になっていた柵のところに出た。
【10時25分】
もう、すぐ下が県道64号線。
【10時27分】
下から見た時はずっと階段だと思っていたけど、実際にはただのコンクリートのスロープだった。
【10時28分】
県道を車で走っている時にずっと気になっていたんだよな・・・。
【10時28分】
県道に出た。
【10時29分】
今出てきたところ。橋の撤退を決めた時にこのルートに出られればいいな、と思っていたけど、思っていたところに出られた。もちろん、数日前からこの辺の地形図を見てある程度のルートのメドは立てていたけど・・・。
【10時30分】
大棚沢広場。
【10時32分】
ちょっと高いところからの宮ヶ瀬湖。
【10時35分】
ゴール・・・。でも、なんか変な感じ・・・。気分的には気になっていた謎の橋を解決できたのでスッキリしているけど、体力的にはものすごく物足りない気分・・・。でも、七峰縦走ハイキング大会まであと一週間なので、無理して怪我してもなんなんで、今日はさっさと引き上げることにした・・・。