富士山トレッキング紀行(八合目敗退編)

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いなかた

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生まれて初めての富士登山です。いつかは登ってみたいと思いつつなかなかチャンスが無くて実現出来ませんでしたが、昨年から始めた山登りの延長上としてこの度初挑戦することになりました。

富士山には一般の人が登るルートとして河口湖口(富士吉田口)、富士宮口、須走口の3つがあります。その他にずーっと下の方から登る御殿場口や旧道などもありますが、一般的にはこの3つのうちのどこかから登るのが普通です。その中で今回私が選んだのは須走口でした。理由は単純で家から一番近いのが須走口だからです。

まず装備ですが、靴は普段の山登りで使用しているSIRIOのP.F.662-GTXです。少々重い(片足約1キログラム)ですが履き慣れた靴を使用しました。ザックは一眼レフと三脚も持って行きたいのでカエラムのレクタス65を選択しましたがこれは大失敗でした。結果、山道具と合わせて10キログラム以上になってしまい、失敗の最大要因だったと思います。その他の山道具は普段丹沢を登るのとほぼ同じで、全く軽量化ということは念頭にありませんでした。

前日の金曜日に会社を定時に出て一度自宅に帰って夕食を取り入浴をした後、午後11時頃富士山に向けて出発しました。朝イチで登り始めたいので夜中に須走口に到着して仮眠を取るつもりでしたが、実際には思いのほか寒くて厚手の毛布を持っていったのに関わらずほとんど寝ることは出来ませんでした。もっとも寒さだけではなく、初めての富士登山で興奮していたのも眠れなかった原因のひとつだったと思います。そんな訳で、寝不足ながらも気分だけは興奮状態での出発です・・・。

目次

山行データ

スクロールできます
山行日2006年06月24日(土)
コース(スタート)須走口五合目~八合目(江戸屋)~須走口五合目(ゴール)
山 名富士山(3776m)
タ グ
山 域富士・御坂エリア
累積標高(+)1,808m
歩行距離12.421km所要時間09時間08分
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山行記

出発
【04時33分】
ほとんど眠れないまま、出発します。周りではまだ暗いうちに出発している人もチラホラいましたが、ひとしきり皆が出払った後の出発となりました。
須走口の五合目
【04時36分】
須走口の五合目です。お店もまだ開いていません。人の気配もありません。
通行止め
【04時38分】
五合目を抜けて少し行くと、まだ山開き前なので通行止めの看板があります。
古御嶽神社
【04時41分】
古御嶽神社です。ここから本格的な登山道になります。
樹林帯
【04時43分】
しばらくは樹林帯の中を進みます。

 

ここで前方から二人の外人が下りてきました。

ジャケットを脱ぐ
【04時51分】
ここで熱くなってきたのでジャケットを脱ぐと、すでにTシャツは汗でビッショリになっていました。

 

再び前方から二人の外人が下りてきて、「二人の外人を見なかったか?」 と聞かれたので、10分程前にすれ違ったと答えました。

それにしてもこの外人たちは、何でこの時間に下りてきたんだ? ご来光を見て下りてきたにしては早すぎるよな???

山頂方面
【05時02分】
ずっと樹林帯の中で山頂は見えませんでしたが、ここでやっと山頂方面を見ることが出来ました。
雲海
【05時03分】
下を見ると雲海が広がっていました。
晴れてきた
【05時07分】
晴れてきた!
富士登山らしく
【05時28分】
段々富士登山らしくなってきたぞ!
六合目まであと10分
【05時40分】
六合目まであと10分!
六合目到着
【05時54分】
六合目到着!

 

五合目からここまで約1時間20分かかった。これが早いのか遅いのかはよくわからないけど、調子は悪くない。のでトイレを借りた(有料)後は休憩を取らずに先に進む。

雪が残っている
【06時08分】
登山道の所々にまだ雪が残っている。
近づかない
【06時18分】
山頂はなかなか近づかない・・・。
五合目はかなり小さく
【06時39分】
でも、下を見下ろすと五合目はかなり小さくなっていた。
六合目でちょっとガッカリ
【06時41分】
七合目到着! って思ったけど、ここも六合目でちょっとガッカリ・・・。
六合目の瀬戸館
【06時41分】
六合目の瀬戸館。まだやってないのかな?
小さい鳥居
【07時23分】
途中、高さが30センチメートルくらいの小さい鳥居があった。
ガスって来た
【07時34分】
ガスって来た! さっきまで青空が広がっていたのに・・・。
大陽館到着
【08時14分】
七合目、大陽館到着。

 

なんとなく頭がボーっとしてきた。今考えればここで十分な休憩を取ればよかったと思うけど、ここではほとんど休まずに進む。

雪渓
【08時16分】
大陽館の脇に大きな雪渓があった。
足が全く上がらなくなってきた
【08時18分】
この辺りから、足が全く上がらなくなってきた。眠気もものすごくて、ちょっと歩いたら休んで目をつぶって、再び、ちょっといたら休んで目をつぶっての繰り返しになってきた。
見晴館まであと5分
【09時19分】
見晴館まであと5分。
眠気がどうにもならない
【09時33分】
ますます、ペースが遅れる。頭痛はしないが、眠気がどうにもならない。それと同時に自分の肌ががやたら黄色く見えるようになった。これが高山病なのだろうか??? でも肌が黄色く見えるなんて聞いたことはない。目がおかしいのか、本当に肌が黄色くなっているのかの判断が出来ないので、デジカメで写真に撮ってみる。その場では分からないが下山した後で見れば判断出来ると思った。結果、写真では普通の色で写っていたので、おそらく目がおかしくなっていたのだと思う。
見晴館到着
【09時41分】
見晴館到着。5分で着くところを20分以上かかってしまった。

 

ここで小屋の前にあったベンチに倒れこむ。ザックの重さが2倍にも3倍にも感じられ、小屋の脇にでもデポしていこうかと本気で考え始めた。

10分程、休んで体調が少し回復したので先に進む。それにしてもザックが重い・・・。

途中で静岡から来たという人と一緒になった。この人は年に数回富士山に登っていると言っていた。人と話していると気が紛れて少し元気になったけど、その人の歩くペースには付いていけない・・・。

自分はゆっくり行くので、先に行って下さいと、静岡の人と別れた。その後しばらくして、後ろからもう一人来て抜いていった。

八合目の江戸屋に到着
【10時42分】
八合目の江戸屋に到着。

 

もう、限界だった。江戸屋の少し前から、今日はここで撤退と決めた。

江戸屋に着くと先程別れた静岡の人が休憩していた。どうやら私と別れた後に私を抜いていった人と一緒に来ていて、その人と合流したようだ。

私が今日はここで撤退すると告げると、「もうちょっとがんばりましょうよ」と言ってくれたが、すでに撤退を決めていた私はお礼を言って、また挑戦しますからと下山の意思を告げた。

下山開始
【10時54分】
彼らは何回も登っているのでルートには詳しくて、下山ルートを教えて貰い下山開始。

 

途中で山頂方向を振り返ると、彼らは次の山小屋に着く直前だった。

雲海が広がっていた
【10時57分】
相変わらず雲海が広がっていたが、空は青い。
体調が回復してきた
【11時02分】
下山を開始して、しばらくすると標高が下がったからなのか、体調が回復してきた。
砂走の入り口
【11時38分】
気分は晴れ上がったが、天気は下りぎみだ。砂走の入り口に来た時はすっかりガスっていて、視界は100メートルくらいしか無かった。
砂走り
【11時41分】
噂に聞いた砂走りも、思いのほかスピードは出ない。というかスピードを出すとそのまま転がって行きそうで怖い。なので、下っているというよりずっとブレーキをかけている感じで結構疲れる。

 

”砂”とは言っているが実際は砂利が多く混じっていたり、大きな岩がゴロゴロあるので、軽くコケても擦り傷だらけになりそうだ。

砂走りって結構長い
【12時27分】
砂走りって結構長い。視界がほとんど無いので、景色もほとんど変わらない、何時終わるか分からない、このまま一合目まで下りちゃうんじゃないか? と思い始めたころ・・・
樹林帯
【12時28分】
・・・やっと、ちょっと変化があった。ほんの数メートルだけだけど、樹林帯の中に入る。でもすぐに出て再び砂だらけの登山道を進む。
砂走五合目
【12時54分】
楽しみにしていた砂走りも、いい加減うんざりし始めた頃やっと砂走五合目に到着。でもまだ建設途中でした。
樹林帯
【12時57分】
砂走五合目の奥にある鳥居をくぐって樹林帯を少し進むと、再び砂利道に出る。
登山道との合流地点
【13時12分】
そこをしばらく下ると、やっと登山道との合流地点だ。
樹林帯の中を歩
【13時20分】
もうすっかり体調は回復していて、思いのほか清々しい気持ちで樹林帯の中を歩く。
古御嶽神社到着
【13時28分】
古御嶽神社到着。
五合目到着
【13時32分】
五合目到着。小屋の人がやたらおみやげを買うように勧めているが、これ以上荷物を増やしたくないので、スルー。
駐車場に戻ってきた
【13時38分】
やっと、駐車場に戻ってきた。しかし、五合目から駐車場まではちょっとした上り坂になっている。これは結構キツイ。一度では上がれずに途中何度も休憩してやっと駐車場に到着した。

 

今回は八合目で撤退となったけど、原因は明らかなので、それを反省して次回はてっぺんに立ってみたいと思います。

ルート図

ルート断面図

ルート鳥瞰図

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