『あやかし』〈上・下〉 高橋克彦(著)を読んで

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岩手県のとある片田舎の村で1件の交通事故がおきる。その車に跳ねられた老人は事故の直後姿を消してしまう。残されたのは加害者が抱き起こした時にジャンパーに付いた血液だった。その血液の検査を依頼された青垣史朗はその血液の異常に気付き、被害者の老人を探すため村に入った。そこで青垣史朗はとんでもないことに巻き込まれてしまう。

10年以上前、高橋克彦さんにはまっていた時期があって、その当時出ていた書籍はほとんど読破していた。しかし、その後しばらく高橋さんの本は読まなくなっていた、特別意味があるわけではく色々環境の変化等で本自体あまり読めなくなっていたからだと思うが、今回久々に読んでみた。やっぱりというか高橋克彦ワールド全開だった。荒唐無稽もここまでくるとかえって気持ちが良い。60年代、まだ人類が月に到達していなかった頃の話だが、この小説では主人公たちは信じられない方法で月に行ってしまう。ご都合主義と言われればそれまでかもしれないけど、科学を無視した生命維持装置などは思わず笑ってしまった。でも、結構ボリュームがあるにも関わらず、一気に読んでしまった。

前述した通り、高橋さんの初期というか10年以上前に発表された作品はほとんど読んでいるが、個人的には『総門谷』が好きだったのでこの作品も結構楽しめた。高橋ワールドにどっぷり浸かりたい人にはお勧めの一冊である。

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