今年の夏は暑いです。自慢ではないですが僕の場合はじっとしていても大量の汗がダラダラ流れてきます。頭の上からコップに入った水を静かに流している状態です。そんな状況で、山登りです。しかも低山です。一般的に高さが100m高くなれば約0.6℃気温が下がると言われています。つまり、標高0mのところで気温が35℃あったとすると、標高3,000mでは約17℃になるということです。かなり過ごしやすい環境になります。もっとも、その過ごしやすい環境の場所まで行くのが大変だったりするんですけどね……。
その真夏の低山を登るときに気をつけなければいけないことの代表選手の一人が「熱中症」君です。通常の生活ではなかなかおめにかかることのないこの「熱中症」君ですが、夏の低山ではその遭遇確率が飛躍的に上がります。僕自身もその初期症状だと思われる体調の変化には過去、何度か遭遇しています。
そんなわけで、今回は夏場の低山登山時の熱中症対策について考えてみたいと思います。
以下の熱中症の症状と対策は、CahtGPTからの回答を参考にしています。
そもそも熱中症(ねっちゅうしょう)って何だ?
まず、熱中症とは、高温多湿の環境に長時間いることで体温調節がうまくいかなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発生する健康障害です。主に次のような症状がみられます。
- 初期症状: めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん、吐き気、疲労感など。
- 進行症状: 頭痛、激しい口渇、冷や汗が出なくなる、体温が急上昇、意識障害など。
熱中症になったらどうする?
1・涼しい場所へ移動:
- 日陰や風通しの良い場所に移動し、体を休める。
- 無理に登り続けるのではなく、体調が回復するまで待つ。
2・水分補給:
- 少しずつ、こまめに水分を補給します。
- スポーツドリンクや塩分補給のための飲料を摂取する。
3・身体を冷やす:
- 冷たいタオルや水を使って首や脇の下、足の付け根などを冷やす。
- 頭や顔にも水をかけて冷やすことが有効です。
4・緊急対応:
- 意識がない、または重篤な症状(意識混濁、痙攣、高熱など)がある場合は、すぐに救急サービスを呼び、周囲の人に助けを求める。
- 救急サービスが到着するまで、涼しい場所で安静にし、水分補給と身体を冷やす対策を続ける。
じゃあ、熱中症にならないようにするにはどうするの?
1・計画的な登山:
- 天気予報を確認し、猛暑が予想される日は登山を避ける。
- 早朝や夕方など、気温が比較的低い時間帯を選ぶ。
2・水分補給:
- こまめに水を飲むことが重要です。喉が渇く前に定期的に水を飲む習慣をつけましょう。
- スポーツドリンクや塩分タブレットを携帯し、汗で失われた塩分も補給する。
3・適切な服装:
- 通気性の良い、速乾性のある服を選びましょう。
- 帽子やサングラスを着用し、直射日光を避ける。
4・休憩の取り方:
- 定期的に日陰で休憩を取り、体を冷やす。
- 汗をかいたら、タオルで汗を拭き取り、体を冷やすことを心がける。
5・体調管理:
- 無理をせず、体調が少しでも悪くなったらすぐに休憩する。
- 他の登山者とコミュニケーションを取り、お互いの体調を確認し合う。
熱中症対策グッズを試してみた
と言うことで、熱中症について基本的なことを押さえたところで、僕なりに熱中症対策を考えてみます。まず、そもそも僕自身熱中症の経験があるのか? ってことですが、ぶっ倒れて人様のお世話になるようなレベルの熱中症はありません。
しかし、コレはヤバいな。というようなことは何度かあります。最初に解説した初期症状の「めまい」「立ちくらみ」「疲労感」などを感じました。
そもそも、僕自身今までの経験上、体温が上がると極端にパフォーマンスが下がる傾向があります。具体的に言うと「極度の疲労感」を感じます。これは真夏に「高島トレイル」に挑戦したときに気付きました。これ以降僕自身、こうなったら熱中症の初期段階なんだと思うようになりました。これは長時間の行動による疲労感とは明らかに違いがあります。熱中症の時に感じる疲労感は、体温を下げると、すぐに元気になります。その反面、長時間行動による疲労のときは体温を下げようが、あまり関係ありません。
ということで、今回僕が試した熱中症対策グッズは、体温を効率的に下げてくれるんじゃないかな? と思われるものを試しました。しかし、この「体温を効率的に下げてくれるんじゃないかな?」グッズは色々とあります。代表的なものだと、最近では街の中でも普通に見るようになった「ハンディファン」、たまに見る「ネッククーラー」、真夏の工事現場ではもはや標準装備なんじゃね? と思われる「ファン付きベスト」などがありますよね。始めに気になったのは「ネッククーラー」です。このネッククーラーには大きく分けて2つの種類があります。ファンのみのものと、ペルチェ素子とファンを組み合わせたものです。ペルチェ素子とは簡単に言うと、電気を流すと冷たくなる金属(厳密に言うとちょっと違う)で、その金属を肌に触れると冷たく感じます。なので、ファンだけのものより効率的に身体を冷やすことができそうです。しかし、ペルチェ素子付きのタイプはそこそこ高価です。もちろん、比較的安いものもあるにはあるんですが、あまり信用のおけないメーカーのものはねぇ〜。
なので、色々と検討した結果、下記のタイプの冷感グッズを買いました。TORRAS ベルトファン【COOLIFY ZONE 2】という製品です。
ぱっと見、何だこれは? と思うかもしれませんね。大きさもよく分からないし。では、下の写真を見てください。とりあえず、大きさは分かったでしょう。でも、写真はシャツの上に装着していますが、実際にはシャツの下に装着します。もし、この状態で写真を撮るとただのおっさんのケツの写真になってしまい、最悪、公序良俗に引っかかる恐れがあるので、あくまで主役は冷感グッズです。そこ以外は見ないでください。
これをシャツの下(中)にセットして、動作させると、上に向かって風が出ます。風量は三段階から選べて、一番強くするとそこそこの風量になります。恐らくこれでこの装置の目的が分かったと思います。背中に風を通すことにより、身体を冷そう! というものです。ネッククーラーならぬ、ウエストクーラーってことですかね。もっとも、メーカーは「ベルトファン」と謳っているので、あくまでファンで風を起こすものです。決して、冷たい風が吹くわけではありません。また、ファン付きベストのように外気を取り入れるものでもないので、乱暴な言い方をすれば、服内の暖まった空気を移動させているだけです。
なんとなくこの装置が何をするものか分かったと思うので、ここからは実際に山登りで使用した時のことをお話しします。
その時のブログはすでにアップしているので、暇な人は軽く目を通しておくとテストの流れが分かりやすくなると思います。もちろん、見なくても大丈夫です。
まず、前提をお話します。前述もしましたが、そもそも僕は体温が高くなると行動パフォーマンスが著しく落ちます。過去に夏の低山で何度も暑さのためにフラフラになり、最悪の時は途中撤退を余儀無くされました。まぁ、ぶっ倒れて意識が無くなるような経験はまだ無いのは不幸中の幸いですね。なので、体温が高くなると意識的に体温を下げる工夫をします。とは言うものの、山の中です。クーラーのキンキンに効いた部屋に飛び込む、なんてことは出来ませんよね。なので、沢などの水場があれば手拭いを水に浸して首に巻いたり、風がある程度吹いていれば、ザックを下ろして身体中に風を当てて体温を下げる努力をします。
なので、今回紹介する冷感グッズは、決して暑い山を快適に登ろうよ! という趣旨ではなく、最悪の事態を避けるべく、なるべく効果的に体温を下げられないかな? というのが目的です。
たとえ体温が上がっても、先ほど書いたように、水場があったり風が吹いていたりすればいいんですが、必ずしもあるわけではないですよね。そのような時のための、転ばぬ先の杖、的なモノを想定しています。
と、いうことを前提としてお話を進めます。それでは、中の人が山を登り始めたのでマイクをそちらに渡します。
ふぅ〜、暑いなぁ〜。今回の山行はあくまでテストをするのが目的だ。なので、クッソ暑くて、水場もない、風も吹かないであろうコースを選んだつもりだ。そんなコースなので、案の定、30分くらい登ったら、体温が激上がりしてフラフラになってきた。
よしっ! 予定通りだ! とはいえ暑さでかなり辛い。あわよくば、仏果山山頂までいくつもりだったけど、最初の休憩ポイントですでにフラフラになり、サッサとテストして山登りはここまでにしよう、こんなクソ暑い日に山登りなんかしていられるか! 山頂なんてどーでもいー。
なんてことを考えながら、ベルトファン(以下、ZONE2)を腰に装着します。もちろんザックは背負っていません。スイッチ、オン! ボーーーーーーーー。音はそこそこするね。まぁ、異常に大きな音がするというわけではないですが、ネッククーラーを装着している人やファンベストを着ている人の近くに寄ると、それなりに音が聞こえますよね。あんな感じです。
ファンは左右に2つ付いて、シャツの下に装着しているとはいえ、もし、登山道で人とすれ違ったら、ネッククーラーのように装着しているのは見えないですが、音で、あっ! この人何かしているな? くらいには気付かれそうです。まぁ、基本的には行動時ではなく、休憩時に使用するので、音が問題になることはないでしょう。
基本的にこのZONE2は腰に付けているので、ザックを背負うと干渉して使いづらいですよね。そこでふと背中側ではなく、お腹側に付けたらどうなるんだろう? と思いやってみました。う〜ん、なんか背中ほど効果が感じられないな。そこで、位置を色々変えてみます。初めは腰の高さにセットしましたが、イマイチ効果が感じられないので、次はおへそより少し高い位置に移動してみます。手を首元に持ってくると確かにシャツの中を風が通っているのが分かりますが、かなり生暖かい風が感じられます。
やはりお腹側はイマイチ効果が感じられなかったので、再度背中側に移動して高さの調整をしてみた。そこで気づいたのが、装着位置により効果というか感じ方が少し違う。腰の位置よりおへそより少し高いくらいが1番効果を感じます。しかし、これは体型や着ているものによって変わるんじゃないかな? なので、この位置が絶対というのではなく、都度調整した方が最大の効果が得られると思います。位置を少し移動しては、しばらく様子をみて、再び、位置を少し移動しては、しばらく様子をみる。を繰り返していると、ふと気付いたことがあります。風を送り始めて5分くらい過ぎると、風の温度が少し下がったような気がします。まぁ、シャツの中の暖まった空気が排出されたのが原因のひとつだとは思うんですが、その他に、そもそも山登りの最中で、シャツは汗でびしょびしょになっています。そしては山の服は速乾性があります。
ZONE2で風を送ることにより、シャツが効率的に乾くことになります。その時の気加熱の作用により風の温度が下がったんじゃないなか? と思う。
その後、しばらくテストをして、下山しようかと思いましたが、このテストの効果なのか? ただ単に休憩していたからなのか? は分かりませんが、体温が下がりもう少し行動出来そうなので下山は辞めにしてもう少し進んでみよう。
中の人は暑い中もう少し登山を続けるようなので、ここで彼のマイクを奪って、ZONE2の操作についてお話しします。
操作と言っても、ボタンはひとつだけです。使用中は服の中に隠れてしまうし、装置は背中側にあるので、複雑な操作は無理です。なので、このボタンひとつはありがたいです。始めはオンオフするたびにお腹側に回す必要があると思っていましたが、背中側にあっても手探りで操作はできます。というか、すぐに慣れました。
1回押すと電源オンになり小風量になります。ボタンを押すたびに、小風量→中風量→大風量となり、4回押すと電源オフになります。また、動作中に長押しするとすぐに電源オフになります。
基本、操作はそれだけです。ちなみに充電式で端子はUSB-Cです。バッテリーの持ちはまだ実地テストはしていませんが、カタログ値だと以下のようになっています。
- 小風量→11時間
- 中風量→6.5時間
- 大風量→3.5時間
まぁ、行動中にずっと使用することはなく、休憩の度に使用することを考えれば一泊二日の山行くらいは楽に持ちそうですね。
ちなみに内側の(肌に当たる)部分はこのようになっています。触るとプニプニしていて、肌触りも悪くありません。似た製品でこの部分が外れて冷凍庫で凍らせられるようなものもありますが、山で使う分には凍らせて持っていっても、実際に使うときには確実に溶けているのであまり意味がありません。むしろ外れて落とすリスクを考えると、この固定式の方が良いです。
ベルトはゴムで伸縮出来るようになっていて、標準で2本付いてきます。細い人用と太い人用です。もちろん僕は太い人用を使用してます。基本的にはお相撲さんのような体系でない限りはどんな人にもフィットすると思います。ただ、山で使うとなるとこのゴム製のベルトの耐久性は少し不安ですね。汗などで濡れても大丈夫なのでしょうか? せめて、別売りでベルトだけ購入出来ればいいんですけどね。
あっ、中の人が再びフラフラになり始めましたね。マイクを本人に戻します。
ふぅ〜、やっと宮ヶ瀬越に到着。まぁ、この暑さの中、よく頑張った。もう下山してもいいぞ! と自分に言い聞かせる。その前に宮ヶ瀬越を仏果山方向に少し進んだところにベンチがあるのでそこでいったん休憩しよう。
せっかくなので、再びベルトファンを装着。ハァ〜、何度か使っているうちに1番効果が出るポイント見つけた。
結局、再び復活して撤退を撤回して、山頂に向かう。ここからは尾根伝いに小さなアップダウンがあるけど、この小さなアップダウンがかなりつらい。ここってこんなにキツかったっけ? と思いつつ、山頂まで100mを切った辺りにある最後のベンチでも休憩。ここまでくると僕も学習している。どんなにつらくても撤退は考えない。例のモノを装着。
ボーーーーーーーー。
(5分経過)よしっ、最後のひと踏ん張りだぞ!
(さらに数分後)やったー! 山頂到着。よしっ!メシ!
中の人が昼食を食べているので、再びマイクを拝借します。結局はフラフラになりながらもなんとか山頂に立ちましたが、果たしてこれが、このZONE2が効いたのか、ただ単にいつもより休憩を多く取ったので、それが良かったのかは分かりません。これを装着したからといって、決して冷風が出てくるわけではないです。生暖かい空気が服の中を通り過ぎるだけです。正直言って、現時点ではこれが効果があるのか? 無いのか? の判定はムヅカシイです。なので、もう少し、色々なシチュエーションでテストをしたいと思います。
実は、上で紹介した方法以外でもテストをしていました。その中のひとつにお腹側に装着したまま行動してみました。背中側だとザックに干渉しそうなので、お腹側に固定して、高さはおへそより少し上です。やっぱりお腹側は効果が薄いような気がします。 そこでふと考えたことがあります。シャツの上に装着して、高さは胸辺りのかなり高い位置です。そこでスイッチを入れます。もちろん服の中を風が通るようなことはありません。しかし、外側に付けたことで、顔に直接風が当たるようになりました。簡易ハンディファンです。もしかしたら、こっちの方が手っ取り早く涼めるかもしれません。 ただし、見栄えはかなり悪いです。
今のところは気づかなだけで、もしかしたらもっと色々ないか使い方が出来そうです。
と言うことで、しばらくはテスト&新しい使い方発見! をしていこうと思います。
また、これもテスト中に気づいたのですが、もし、山行中に他の登山者が熱中症の初期症状で倒れているところに遭遇したら、その人に風を送ることができます。山の中で体温を下げる手っ取り早い方法は、何かで扇いて風を送ることです。仮にうちわや扇子を持っていたとしても、ずっと仰ぎ続けるのは最悪、扇いている方が倒れてしまうかもしれませんよね。そんな時には活躍してくれそうです。
そういう意味でもしばらく(暑い時期)は装備に加えたいと思います。何か新しい発見があったらまたブログに書きます。
あっ!中の人がちょうどお昼を食べ終えましたね。でも、下山時はあるトラブルでテストどころではなかったんですよね。なので、テストはここまでです。もし、この先が気になる方は以下のリンクをご覧くださいね。
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