丹沢の本について

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今回はちょっと毛色を変えて山の本、特に私のホームグラウンドである丹沢に特化した本を紹介したいと思います。

丹沢について書かれた本は結構あります。まぁ、私自身が丹沢の近くに住んでいて、近所の書店でも地元の本、ということで多く扱っているためだと思いますが、そのことを抜きにしてもかなりあると思います。ではなぜ今回紹介するのが3冊だけなのか? というのは丹沢の本は沢山あるのですが一冊一冊が結構高価だったりもします。もっとも高価と言っても所詮本なのでたかが知れているのですが、丹沢の本が沢山あるのを知った頃とほぼ同時期に森に関する勉強をしていたので、そっちの本ばかり買ってしまい、なかなか丹沢の本まで手が回らなかったというのが原因のひとつだったりします。森に関する本は一段落したので今後は丹沢の本をもっと読んでみたいと思っています。

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誰も知らない丹沢 岡澤重雄著

誰も知らない丹沢 岡澤重雄著

まずは「誰も知らない丹沢」ですが、丹沢をホームグラウンドにしている方ならば知らない人はいないでしょう。この本の元になったサイト(誰も知らない 丹沢)はあまりにも有名ですね。。。私自身も山行の計画時においておおいに参考にさせてもらっています。

この本では主に西丹沢を中心に紹介しています。確かに登山地図でも西丹沢は未だに空白地帯になっていて特に菰釣山の南側などはポッカリと穴が開いたようになっています。当初私もこの穴は不自然に感じましたが、単純にこの山域は人が入り込めないような場所なんだろうと、勝手に解釈していましたが、前述の「誰も知らない 丹沢」のサイトを見てルートがあることを始めて知りました。いつか行ってみたいと思いつつなかなか行けていませんが、機会があればチャレンジしてみたいと思っています。

・・・本のことから脱線してしまいましたが、この本では西丹沢のマイナールートが10コースほど紹介されています。初心者にはお薦め出来ませんが、地図読みが出来る中級以上の方でしたらお薦め出来ると思います。もっともこの本が書かれた時(厳密に言うと実際にこれらのコースを歩いた時)から状況は変わっている可能性もあるので、その辺は自己責任ということですね。もっとも中級以上の方ならばその辺はしっかり理解できているので大丈夫だと思います。いつもと違う丹沢が楽しめると思います。

ちなみにこの本には「未知の道シリーズ」というシリーズ名が付いています。第1弾がこの「誰も知らない丹沢 岡澤重雄著」で第2弾が「ホントに歩く 大山街道 中平龍二郎著」、第3弾が「大山北尾根・支尾根 岡澤重雄著」と続いています。第2弾の大山街道に関してはうちの近所にも『大山街道』と掘られた石碑があったりして、いつも疑問に思っていましたのでちょっと興味がありますね。そして第3弾の「大山北尾根・支尾根」は「誰も知らない丹沢」の著者と同じ岡澤重雄さんが書いています。大山北尾根は何度か歩いていますが、支尾根にまではまだ手を出していません。以前北尾根を歩いていて支尾根に降りていく人を見て何処に行くんだろう??? と思っていたのでこっちも興味津々ですね。

丹沢の行者道を歩く 城川隆生著

丹沢の行者道を歩く 城川隆生著

この本の「はじめに」には次のように書かれています。
この本は歴史の本である。しかも、丹沢の古代から中世・近世という古い時代にスポットをあてた山岳歴史ガイドブックでもある。

そもそも丹沢は古くは修験の山であったようです。確かに現在では山名は変わっている山もありますが、古い山名ではソレを思わせる名前が残っていたりもします。その最たるものは表尾根の「行者ヶ岳」ですが、まさにそのまんまの名前ですね。また、山中ではいわれのある奇岩や山の神とは違う古い社、仏像(?)などもよく目にします。最近では都内からでも日帰りできる山として(またはヤマビルの多い山として)有名になっていますが、この様な本を読んでから山に入るといつもとは違った丹沢が見えてきて面白いと思います。

この本では大山、表尾根を中心としたコースを主に紹介しています。当たり前ですが単純な登山コースを紹介しているのではなく、あくまで昔の修験者の人が歩いたルート(多少のアレンジもしているようです)を紹介しています。なので、現在では登山地図でバリエーションルートになっていたり、全く書かれていないルートも紹介されています。場所によっては藪漕ぎも必要な箇所もあるようです。なので、通常の山登り感覚でルートをトレースするのはお勧めできません。また、本の中ではアレンジされた一般ルートも紹介されているので、興味を持った方はこちらを歩くこともお勧めします。

とは言うものの昔の修験者が実際に歩いたコースを歩いてみたいと思うのも事実です。それにはもっとたくさんの資料を読む必要があると思います。私自身もっと勉強していつかは古の修験者たちの足取りをトレースしてみたいと思っています。

丹沢今昔-山と沢に魅せられて- 奥野幸道著

丹沢今昔-山と沢に魅せられて- 奥野幸道著

前述の「丹沢の行者道を歩く」は明治以前の丹沢の歴史ならば、この本はまさに昭和に入ってからの丹沢の歴史と言ってもいいかと思います。著者の奥野幸道氏は戦前から丹沢に入っていた方で、言ってみれば丹沢をホームグラウンドとする私の(こういう言い方はちょっとおこがましいですが)大先輩ということになりますね。ほぼ丹沢全域を網羅して紹介しているこの本は丹沢好きの方々には是非読んで貰いたいです。特にその文章力もさることながら、豊富な写真が魅力だと思います。まさに”百聞は一見にしかず”です。今はただのちょっと開けた場所でしかない(蛭ヶ岳の近くの)原小屋平ですが、当時は本当に”原小屋”という山荘があったんだとこの本で始めて知りました。始めて知ったと言えば丹沢にスキー場があったのもビックリですし、宮ヶ瀬が外国人の愛した避暑地だったなんて話もあります。

とにかく丹沢好きにはたまらない一冊です。普段何も考えずに歩いていた場所が実は・・・なんて話も沢山あり、一気に読めてしまいます。また、前述の通り写真が沢山掲載されているので、今の景色や山小屋なんかと比べてみるのも面白いです。まさに丹沢の登山史そのものだと思いました。


今回は丹沢の魅力を3つの視点から紹介している本でしたが、この3冊に共通するのは著者が無類の丹沢好きであるということだと思います。今回この記事を書くにあたって、3冊を読み返してみたのですが、それぞれ視点は異なりますが”丹沢”というキーワードで繋がっているので、一気に読んでも何の違和感もありませんでした。むしろもっと丹沢が好きになり、もっと丹沢の事を勉強したくなります。私自身「丹沢がホームグラウンド」と公言しているので、これからも、もっと丹沢についての勉強をして行きたいと思っています。

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