昭和の始めアラスカにてエスキモーとして生きたフランク安田という名の日本人がいた。彼はエスキモー一族の危機を救いアラスカのモーゼと呼ばれ生涯をそこで過ごした。
この小説を読むまではこんな日本人がいたなんて知らなかった。
顔は日本人と似ているとはいえ、文化や風習などは全くと言っていいほど違うのになぜ彼はエスキモーの世界に入っていけたのだろう? 小説内では顔が似ているため、日本というところのエスキモーと認識されていたようだが、自分としては彼の容姿だけではなく性格もや本質がエスキモーに近かったため、エスキモーの社会に受け入れられたのではないだろうか。
この本を読み終わった時、ふと疑問に思ったことが今のエスキモー社会の中でどの程度「フランク安田」という日本人が残したものが残っているのだろう? そんなことを思いながら機会があれば調べてみたいと思っている。
目次