山登りをする人で島々から徳本峠へのルートを歩きたいと思っている人は少なく無いと思います。私もその一人で、いつかは歩きたいと思いつつなかなか実行に移す機会に恵まれなかったけど、ひょんなことからこの夏にこのルートを歩いた人(コースは徳本峠から島々)から話を聞くことが出来、一気に歩きたい熱が再燃して計画を立てました。
それまで実行に移せなかった最大の理由が何処に車を駐めて、どうやってそこに戻ってくるか? ということでしたが、お話しを聞いた時に何処に車を停めれば実行可能かということがイメージ出来たので、ネット等で調べて、今回のコースに決まりました。
距離はそこそこありますが、それに対する不安は無く、一番の不安材料は、3年くらい前に買った登山靴が合わなくなっていることでした。まぁ、自分の足に合った靴も持っているのですが、それはあまり岩場歩きには適さなく、北アルプス=岩場歩きというイメージがあったので、不安のある靴の方を選んでしまいました。結果からいうとこのコース(霞沢岳に登らない)は、ソールがしっかりしていればローカットでも十分だと思いました。なので、次回は足に合った靴で再チャレンジです。
山行データ
山行日 | 2014年09月13日(土)〜15日(月) | ||
---|---|---|---|
コース | 【1日目】(スタート)島々(林道駐車場)〜二股〜岩魚留小屋〜徳本峠(ゴール) 【2日目】(スタート)徳本峠〜明神〜(梓川右岸)〜河童橋〜上高地バスターミナル〜小梨平(ゴール) 【3日目】(スタート)小梨平〜上高地バスターミナル〜(バスで移動)〜島々・徳本峠入口〜島々(林道駐車場)(ゴール) | ||
山 名 | タ グ | ||
山 域 | 北アルプスエリア | 累積標高 | 深い谷を歩くコースなので、GPSが飛んでいる箇所が多々あり正確なデータを取得することが出来ませんでした。 |
歩行距離 | 深い谷を歩くコースなので、GPSが飛んでいる箇所が多々あり正確なデータを取得することが出来ませんでした。 | 所要時間 | 【1日目】07時間00分 【2日目】03時間26分 【3日目】00時間12分 |
関連記事 | 島々から徳本峠を越えて上高地へ(前編) 島々から徳本峠を越えて上高地へ(後編) |
注)深い谷を歩くコースなので、GPSが飛んでいる箇所が多々あり正確なデータを取得することが出来ませんでした。
トレッキング(一日目)
【06時37分】
島々谷林道の駐車スペースに車を駐めて出発!
【06時38分】
しばらくは沢を右手に見つつ、歩きやすい林道を進む。
【06時41分】
出発してすぐに左側に小さな滝がある。
【06時44分】
古そうな碑がある。鳥獣供養?
【06時45分】
小さな橋を渡って・・・
【06時47分】
・・・左岸を進む。
【06時51分】
何かの施設がある。変電設備と書いているから、近くに発電設備もあるのかな?
【06時59分】
隣の沢への分岐らしいが、読めない・・・。
【06時59分】
ちょうどその分岐に山の神がある・・・。
【07時00分】
よく見ると、アレだよね・・・。
【07時00分】
ココが分岐。左奥から歩いてきて、振り向いて撮っている。右上が隣の沢への分岐。ちょっと行ってみたい気もあるけど、それは今度・・・。
【07時02分】
今日の装備は行動用の水も入れて約16kg。自分にしてはまぁまぁ軽い方だ。
【07時20分】
休憩していた三人組の先行者を追い越して、少し先に進むと沢が開けていた。よく見ると下にダムがある。
【07時22分】
ん? 何やら賑やかになったと思ったら・・・
【07時23分】
・・・ゲートだ。
【07時23分】
徳本峠までは自己責任で歩けということか・・・。
【07時30分】
少し進むと再び何かある。
【07時30分】
吊り橋の修繕工事か・・・。
【07時31分】
ここか・・。でも、ここは渡らない。
【07時31分】
ん? 車が停まっている。
【07時37分】
右側から小さな沢が流れている。
【07時46分】
雰囲気のある木があった。一瞬、屋久島の縄文杉を思い出してしまった。太さも結構ある。大人三人が腕を伸ばしても一周できるか微妙な太さだ。
【07時52分】
あれ? いつの間にか右岸にいる。
【07時57分】
ここまでも、この先も所々で栃の実が散乱している所がある。初めは動物が中を食べて皮だけ捨てているのとも思ったけど、どうやら人間が中を収穫しているみたいだ。
【07時58分】
ふむふむ、この辺には落人伝説があるのか。
【07時58分】
これがその碑かな?
【07時59分】
分岐がある。でも、・・・
【07時59分】
・・・道標があるので迷うことはない。
【08時00分】
ん? また何か見えてきた。と思ったら・・・
【08時00分】
・・・二俣だった。ここがこのルートの第一の目標ポイント。
【08時01分】
車が入って来られるのもここまで(一般車は不可だと思う)。
【08時03分】
次の目標は岩魚留小屋。約5.2km。コースタイムでは約3時間。
【08時06分】
トイレを済ませて、ここからはストックを使用。そして、ここからが本格的な山道になる。
【08時06分】
ん? 何やら石室のような物がある。次回は近くまで行ってみよう。
【08時07分】
徳本峠までは9.7km。結構あるな・・・。
【08時07分】
ふむふむ、こういった解説板はありがたい。
【08時07分】
むむむ、早速の急登か? と思ったけど、最初だけですぐに歩きやすい道になる。その昔ここ(道は何度か付け替えられているようだけど)を馬や牛を連れて上高地まで放牧に行ったというから、それほどキツイルートでは無いとは思うけど・・・。
【08時15分】
ここにも新し目の碑が・・・。
【08時15分】
お〜、先ほどの落人伝説に出てくる人がここで殺されたのか・・・。
【08時17分】
昔もこんな木道があったのか???
【08時18分】
あっ? 橋だ。
【08時18分】
「行き橋」と言うらしい・・・。じゃぁ、この先には「帰り橋」があるのか?
【08時22分】
このブログでも散々書いているけど、昔の人が作った道は歩きやすい道が多い。この二俣から明神までは高い段差はほとんど無く(全然無いわけじゃない。特に後年付け替えられている道は段差がある)、緩やかに道が続いている。まぁ、馬や牛を連れて歩いていたんだから変な道は付けられないよね・・・。
【08時26分】
岩魚留まで4.3km。
【08時28分】
あっ! また橋があった。
【08時28分】
うっ、「帰り橋」じゃなくて、「戻り橋」だった・・・。
【08時29分】
このルートは徳本峠直下まではずっと沢沿いに付けられている。両岸が切り立った所は大きく高巻きしているが、所々で沢の水を取得することは可能。だと思っていたので、行動用の水は最小限(600ml)しか持ってきていない。その代わりに簡易浄水器を持ってきている。なので高島トレイルの時のように残りの水の量を気にすることは無い。でも、結局は「ちから水」までは最初の600mlを飲み切ることはなかった。沢沿いプラス樹林帯の中なので、それほど気温は高くない。それに急登が連続するような所も無く、大汗もかくことも無いのでそれほど水分補給はいらなかった・・・。
【08時31分】
ん? 炭焼きがま?
【08時31分】
これがそうか・・・。ってことは近くには炭焼小屋跡もあるのかな?
【08時31分】
中を覗いても真っ暗で何も見えなかったのでストロボをたいてみた。そこでふと、想像してしまった・・・。もし、後でこの写真を見た時に、奥に人の顔のようなものが写っていてこちらを睨んでいたら・・・と。もちろん、足早にここを立ち去ったのは言うまでもない。
【08時34分】
沢を渡る。
【08時40分】
ルート上にポッカリと穴が開いている。
【08時40分】
道は穴の上部を巻くように付け替えられている。
【08時41分】
左上から栃の実が転がって来た。あと数メートル先を歩いていたらぶつかっていたと思う。って言っても小さい木の実なので、衝撃や痛みは無いと思うけど・・・。山の中を歩いていると、この様に木の実や葉っぱが落ちる瞬間に出くわすことが多い。街の中では桜の花弁が舞う瞬間は見ることはあるけど、どんぐりが落ちる瞬間を見ることは少ないように思う。
【08時43分】
以前は真っ直ぐに道が続いていたと思うけど、道が崩れて小さく迂回しなくてはならない所がある。このルートは概ね歩きやすい道が続くけど、たまにちょっとスリリングなところもある。山歩きに慣れている人なら何の問題も無いけど、初心者で高所恐怖症に人にはちょっと酷かも・・・。
【08時45分】
鹿の角みたいな形の木があった。
【08時45分】
本当に歩きやすくて気持ちの良い道だな・・・。
【08時46分】
徳本峠まで7.8km。岩魚留から徳本峠までは4.5kmなので、岩魚留まではあと約3.3km。
【08時58分】
ここも崩れている。
【09時01分】
再び沢を渡る。
【09時02分】
ベンチがある。
【09時02分】
岩魚留まで2.6km。
【09時11分】
橋。
【09時11分】
瀬戸下橋。ってことは「瀬戸上橋」もあるのか?
【09時19分】
階段を登ると・・・
【09時20分】
・・・離れ岩とある。
【09時20分】
あれがそうか?
【09時21分】
再び橋。
【09時21分】
あっ! 瀬戸上橋だ・・・。
【09時21分】
橋の上からみた離れ岩。
【09時23分】
ベンチ。適度に休憩ポイントがある。
【09時27分】
両岸が切り立った所に橋があるけど、昔のルートはココじゃないのかな? それとも昔も橋があったのか?
【09時27分】
上を見上げると、せり出した大岩がちょっと怖い。
【09時31分】
何の花だろう? あまり見かけたことがないな・・・。
【09時32分】
沢の中を歩く。
【09時34分】
岩魚留まであと1.4km。
【09時45分】
落ちたら洒落にならない所もある。
【09時55分】
ワサビ沢を越える。
【10時03分】
岩魚留橋。
【10時04分】
橋の向こうに屋根が見える。
【10時04分】
徳本峠までは4.5km。
【10時04分】
岩魚留小屋到着。二俣から2時間。コースタイムが3時間なのでここまではまぁまぁのペース。
【10時04分】
岩魚留小屋じゃなくて岩魚止小屋なんだね・・・。ちなみに昔の岩魚止小屋は対岸にあって、1921年10月に現在の所に移ったらしい。
【10時04分】
メニューが見える。
【10時05分】
値段から考えるとつい最近まで営業していたのか?
【10時05分】
縁側がある。
【10時05分】
この先は滝が多くなり、イワナがそれより上には行けないことからこのような名前になったらしい。
【10時05分】
ちょっと休憩。
【10時14分】
徳本峠の標高が約2,140mだから、標高差であと900mも登るのか・・・。
【10時14分】
10分ほど休憩して岩魚止小屋を後にする。
【10時15分】
岩魚留沢橋。
【10時16分】
大きな滝がある。
【10時21分】
中ノ沢を渡る。
【10時22分】
おいおい、この橋大丈夫なのか?
【10時24分】
この辺りは嘉門次やウェストンの時代と景色はほとんど変わっていないんじゃないかな。
【10時34分】
おいおい、斜めってるぞ。
【10時39分】
挙句の果てには渡るな! という橋。ここは橋の右側を歩く。この時には沢には水が無かったので普通に歩けたけど、水があったらどうなんでしょう?
【10時53分】
おいおい、これも橋って呼ぶのか? 白峰三山を縦走した時に通った、大門沢小屋から奈良田のルートを思い出した。
【10時59分】
ハシゴ。
【11時01分】
スケスケ橋。金属で出来ているので、壊れる心配は無いけど、濡れていると滑りそう・・・。
【11時08分】
徳本峠まで2.8km。
【11時28分】
沢からちょっと離れることもある。
【11時30分】
再び沢を渡る。この橋の後半はどうやって渡るのか分からず、しばし立往生・・・。最後は決死のジャンプ!
【11時36分】
おなじみのトリカブト。
【11時48分】
徳本峠まで1.9km。
【11時49分】
これが最後の橋。
【12時00分】
ここからは徳本峠への登りが始まる。
【12時10分】
稜線まではまだまだありそう。
【12時12分】
沢を渡るとすぐに・・・
【12時15分】
・・・ちから水があります。ここで、テント泊&明日の行動用の水を確保します。4kg弱重くなったけど、徳本峠小屋だ水は有料になるので、ぜひここでゲットしておきたい。
【12時43分】
徳本峠まであと1km。ルートは大きくジグザグに付けられていて、傾斜は緩やかで、段差もほとんどありません。でも、長距離を歩いた後なので、これが思った以上に辛かった。プラス靴が合わずに足が悲鳴をあげていた。
【13時17分】
そんなこんなで最後の登りはかなり苦労して、10歩あるく毎に立ち止まって息を整えながらの、まるで富士山の九合目辺りを登っている気分だった。
【13時28分】
空が近くなってきた。あと少し・・・。
【13時37分】
徳本峠到着。岩魚留から約3時間20分も掛かった。
【13時55分】
テント場もすでにかなりのテントが張られていた。小屋の人の案内で何とかテントを張るスペースを確保。
【14時02分】
とりあえず転がり込んで、ゴロゴロ・・・。
【15時04分】
おやつ代わりのちっちゃいチキンラーメン。
【16時23分】
小屋にビールを買いに行くついでに展望台に行ってみる。
【16時24分】
テント場も一杯。小屋の裏のテント場もかなり埋まっていた。
【16時45分】
今晩の晩御飯。ワンタンスープにうどんを入れてみた。どちらも好きなのでさぞ美味しいかと思ったけど、味はイマイチ・・・。やはりワンタンとうどんは別々に食べた方が良さそうだ・・・。
とりあえず1日目は無事に終了。当初の計画では調子が良ければ2日目には霞沢岳をピストンして上高地に下るつもりだったけど、今回のコンセプトとしては、「古道で島々から徳本峠を越えて上高地へ入ること」だったので、2日目の霞沢岳は調子が良ければ・・・というユルユルな計画は速攻破棄して、コンセプト通り「徳本峠を越えて上高地へ入ること」に決定。テント泊の受付でも、2日目の予定を聞かれて、上高地に下るだけです。と答えて、え? 霞沢岳に行かないの? と聞き返されてしまったけど、コンセプトはゆるぎません。って言えばカッコいいけど、実は靴が合わなくなっている。靴が縮んだのか自分の足が大きくなったのかはわからないけど、最近は長距離を歩くと足が痛くてたまらない。いつも後半は顔を歪めながら歩いている。そんな状態で往復7時間の霞沢岳をピストンするのは無謀以外の何物でもない。ので、霞沢岳は次回挑戦するとして、今回はノンビリすることにした。