前編の「樹海散策編」に続いての「長尾山登山編」です。前半では青木ヶ原樹海の新緑を楽しみましたが、今回は長尾山への取付きから始まります。ここからが本格的な登山になります。標高差はそれほどないですが、一般的な山とは違うので慎重に進みます。
山行データ
山行日 | 2022年06月04日(土) | ||
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コース | 精進湖登山口(富士宮鳴沢線)〜大室山のブナ林〜長尾山山頂(1424m)〜天神峠〜富士風穴〜精進湖登山口(富士宮鳴沢線) | ||
山 名 | 長尾山(1424m) | タ グ | |
山 域 | 富士・御坂エリア | 累積標高 | (+−)447m |
歩行距離 | 11.21km | 所要時間 | 4時間01分 |
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マップ
高低グラフ
山行記録
ここから長尾山に取り付きます。傾斜はそれほどでもなく、歩きやすそうなのでゴリゴリ登って行きます。このまま直登すれば間違いなく登山道を横切るはずです。
案の定、登山道に合流しました。それにしても思っていたより立派な登山道だな。でも保守はされていないらしく、所々荒れている。
登山道に飛び出たことで自分の位置がはっきりした。写真の右奥下から来て、左奥上にルートが続いている。地形図に書かれた通りになっている。
ここから一度山の南側に回り込んで、そこから山頂(三角点がある所)まで直登するようになっている。
最後の直登。かなり急だし、ルートはよく分からないし、倒木がいたるところにあって歩きにくい。
一応、ピンクテープがあり、これが山頂への目印になっているようだけど、過信すると痛い目に遭うので、基本は地形図とニラメッコしている。
最後の斜面はほぼ正しいルートは分からなかった。でも、目指すは山頂一点なので、歩きやすい場所を登っていく。
山頂の一角に出たら、ミズナラがありました。この辺りで見るのは初めてだと思う。
ウイスキー好きの方なら、ミズナラ樽を使用したものがあるのをご存知でしょう。シーバスリーガルなんかは文字通りの「ミズナラ」なんてものもありますよね。あのミズナラです。
このミズナラはよく公園に植えられているドングリのなる木のコナラの高山種で、関東近辺だと1,500m以上の標高で見ることができます。もちろん、ドングリもなります。しかもコナラより大きなドングリができます。大人になった今でも大きなドングリを見つけるとテンションが上がります。
この山は富士山の寄生火山(側火山ともいう)なので、その昔、ここでも噴火しました。なので、山頂には富士山のように火口があります。大室山にもありましたよね。
写真では分かりにくいですが、右下が火口になります。ここの火口は木で覆われていて底まで降りれるのかは不明です。機会があれば調査してみたいですね。
とりあえず、火口の縁まで来たので、あとは三角点のある山頂(?)までは縁伝いに歩きます。富士山のお鉢めぐりみたいですね。
山頂到着! 山頂感は無いし、展望も無いです。でも、ある一点を除けば気持ちの良い山頂です。
木が無ければ富士山が目の前にどど〜ん! と見えるはずなんですが、樹木に覆われて、全く見えません。葉が落ちる冬なんかだともう少し展望が良くなるのかな?
ここが山頂だと分かるのは、三角点があるのと・・・
・・・かなり擦れてほとんど読めなくなった山頂標があるからです。
以下に、山頂の様子をYoutubeのショート動画でアップしています。
山頂の少し下に腰を下ろせそうな倒木があります。ここで昼食を摂ることにしました。しかし、この倒木に腰を下ろすことは一瞬たりともありませんでした。というのも、前述した「ある一点を除けば〜」というその一点は、やたらハエが多いです。ジッとなんか座っていられないです。なので、カップを手に右往左往しながら食べてました。
今日のメニューは米化したオートミールにカレーを掛けて食べてみます。それだけだと足りないかな? と思いカップ麺もあります。
オートミールは出かける直前に50gをフードコンテナに入れ、少量の水も入れておきました。
それと、山頂の様子が分からなかったので、今回はバーナーは持ってきていません。その代わり、山専ボトルにお湯を入れてきました。
見栄えは悪いですが、オートミールカレーです。もっちりした食感で味は悪く無いですが、50gはちょっと多かったと思います。別にカップ麺があるのなら20〜30gで十分だと思いました。まぁ、これは人によりますが、僕の場合は少食なので少な目で十分です。
また、普通のカレーにするよりもっとシャバシャバ(カレーリゾット風?)にした方が食べやすかったかな? とも思いました。次回テストしてみます。
オートミールと組み合わせるのなら、カップ麺ももっとミニサイズでも十分ですね。
食事を済ませ、山頂を散策していると、なんか匂うな〜と思ったら山頂の三角点のすぐ後ろに山椒がありました。葉を揉むと、お馴染みの刺激的な香りが鼻腔をくすぐります。まだ、この時期なので実は付いていません。
お腹もいっぱいになったので、下山開始です。当初の予定では登ってきたルートをそのまま戻るつもりでしたが、登りでは結構ルートを見失っているので、最短で安全圏まで出られるルートで下山することにしました。この山のすぐ東側に車道が通っているので、そこを目指します。
ルートは付けられてはいるようですが、断続的に崩壊しているので、まずは御鉢まわりのつもりで、火口の縁をぐるっと回ります。
登山道は火口の少し内側に付けれているようですが、とりあえず無視です。縁の高いところをぐるりと回ります。前述で散々ルートからは外れないようにと言っておきながら矛盾していますが、十分に注意して歩いています。それに、樹海の底面に比べれば、山の上の方が少し安全です。
ちょっと分かりづらいけど、樹々の向こうに以前登った大室山が見えた。こう見ると大きいなぁ。
この辺りの地面はすごく富士山っぽい・・・あっ! ここも富士山か?
う〜む、、、(写真では分かりづらいけど)自然に出来た地形には見えない。誰かが道を作ったようだ。しかも、かなり広い道が付けられている。車が走れそうなくらいの広さはありそうだ。
しかし、管理はされていない。町おこしかなんかでこの山にハイキングコースを作ったけど、思うように人が来なくて、放置されたのだろうか?
無事に下山。やはりこのルートを選んで正解だった。というか、こちらが側から登れば簡単に山頂に行けそうだ。
車道を北に向かうと、先程の精進口登山道とぶつかるので、そこからは一本道で帰ることができる。
帰りは寄り道せず一気に帰る。
富士風穴まで戻ってきた。今度は人の声も聞こえず、気配も無かったので、ここだけ寄り道することにした。
溶岩の流れた跡。
樹海の中に突然大きな穴が開いている。対象物が無いのでスケールが分かりづらいですね。でも、ここからはケービンクのツアーでお揃いの赤いツナギを着た人たちが入って行くのを何度も見たことがあります。なので、それなりに奥までは行けるんじゃないだろうか? しかし、僕は入ったことは無いですし、入る気もありません。閉所恐怖症でも暗所恐怖症でもないけど、あんな暗く狭いところに入っていく勇気は、ありません。なので、上から眺めるだけ・・・。
富士宮鳴沢線に出た。あとは車道を少し歩いて・・・
・・・ゴールです。
今回は長尾山でしたが、樹海の中にはまだまだ山はあります。ただただ、山頂を踏むだけではなく、ひとつひとつ丁寧に回っていきたいですね。とりあえず、今の目標は今回登った長尾山の火口の底に降りることです。冬の葉が落ちた時期に挑戦してみたいですね。