早戸大滝トレッキング紀行

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いなかた

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目次

出会いから準備

それは二週間ほど前、次のウォーキング場所を探しているときふとしたことから早戸川の上流に「まぼろしの大滝」と呼ばれる滝があることを知った。なんでも「日本の滝百選」に選ばれているらしい。(神奈川県ではここと「洒水の滝」の二箇所が選ばれている) 早戸川は小学校の頃よく釣りに行ったのでよく知っている川だったけど、上流にそんな滝があるなんてまったく知らなかった。屋久島とか北海道の山奥ならまだしも、まさかこんな近所に「まぼろし」の付く滝があるなんて夢にも思っていなかった自分は、

「これは、絶対見に行かなくては!」

と考え、実際に実行に移したのだが、ネットや書籍で調べて行く内に、その大滝に行くのは相当大変らしいということがわかってきた。「日本の滝百選」の中でも見るのが困難な滝のひとつに数えられているそうだ。

「そんな場所に山登り素人の自分が大滝までたどり着くことは出来るのか???」

などと何度も考えたが「まぼろしの…」というフレーズがどうしても頭から離れず、無謀にも実行に移してしまったわけだが、はてさてその顛末は・・・?

[準備編]

まず、趣味で写真を撮っているので当然この「まぼろしの大滝」も撮る! ということはカメラを持っていかなければならない、出来れば三脚も持って行きたい! カメラは最近新たに購入した「CANON EOS 20D」とスナップ用に「CANON PowerShot A80」の2台、これは問題なし。レンズはSIGMAの[18-50mm F2.8 EX DC](35mm換算で約29-80mm)を1本。

–三脚–
問題は三脚をどうするか? 今持っているのはスリックの三脚にジッツォの自由雲台を付けて約6kgもあるのが一台、まさかこれを持って行くわけにもいかないので、新たに購入することにした。ではどのような三脚にすればよいか?

  • まず、軽いこと。(持ち運ぶので、これは重要)
  • 次に縮長が出来るだけ短いこと。(リュックに付けるので長いとバランスが悪くなる)
  • 伸ばした時の高さが立ったときの目の高さに近いこと。(あんまり低いと使いずらい)
  • 35mm一眼標準ズーム対応。(ブレちゃったら三脚の意味が無い!)
  • 出来るだけ価格が安い方が良い。(これ、最重要!)

ということで選んだのがスリックの「スプリントPRO 3WAY」でした。重さ約1kg、縮長480mm、全高1,650mm、これならなんとか持ち運べそうです。

–リュック–
とりあえずは両手を空けなければならないのでリュックは必須です。とは言ってもトレッキング用のリュックなんて知らないので、リュック型のカメラバッグ を購入しました。しかし、これが失敗、普通のカメラバッグもそうなのですがこれって大きさのわりにモノが入らないんですよね・・・。20Dにバッテリーグ リップを付けると蓋が閉まらなくなるんです(ToT)。なので、やむなくバッテリーグリップを外して何とか収納しました。でも三脚を使うんだかからいらな いと言えばいらないんですよね。バッテリーも一つしか入れてなかったし、日帰りだし・・・。で、上下二つに分かれるリュックの上部にカメラ類を入れ下部に 食料、バック左側に三脚を括り付けて(さずがにカメラバッグなので、しっかりと付けられるようになっている)右側に飲料、というように配置したんですが、 微妙にバランスが悪いね。カメラは重量があるので下の方がよかったのかな??? まぁ、背負った時にグラグラしないからこれでOKとする。(ホントにいい のか? こんなんで?)

–シューズ–
これも単純にトレッキングに行くんだからトレッキングシューズでしょ! っていうんで、何も考えずにホーキンスの「トレッキングブーツGT9777」を 購入。本格的に山登りをするんならもっといいものにすればいいんだろうけど、とりあえず入門用ということでこれでOKとする。(再び、ホントにいいのか?  こんなんで?)
一応数日前より慣らし走行(?)を行っておいた。

  • ネットや地図を観てルートの確認。
  • 『カシミール3D』で作成したルートデータをGPSに移しておく。

[前日編]

  • カメラ2台、GPS、(繋がらないけど)携帯電話を充電しておく。
  • 早めの睡眠、、、のつもりが結局寝たのが午前3時に・・・(←バカなおれ!)

いざ『早戸大滝』へ

  • 朝7時起床。
  • 自宅を8時に出発して途中でコンビニに寄って丹沢観光センターに向かう。
  • 9時、丹沢観光センター前到着。
  • その少し先にある路肩に車を止め9時10分、いざ『早戸大滝』に向けて出発!
伝道終点

しばらくは舗装された道が続くがすぐに砂利道になり、20分程でそれ以上車が進めない場所に到着。
[9時27分]

早戸大滝看板

上の写真の中央の軽トラの右側に早戸大滝の看板がありました。でも落ちてます・・・(^_^;
[9時28分]

道標

で、その看板の左側から看板の後ろを回りこむようにして山に入っていきます。ここからが本格的に山登りになります。

写真右上に大滝への道標があります。
[9時28分]

鹿よけの柵

しばらくは鹿よけの柵を左側に見て歩いて行きますが、ここら辺が結構キッツイです。この峰を越えて早戸川に出てしまえば多少は楽になりますが、また別の苦労があります(^_^;
[9時30分]

目印

写真中央左寄りの木の幹にピンク色のヒモが見えると思いますが、基本的にこのような目印を辿っていくんですが、よーく目を凝らして見なければならなかったり、また、どう考えてもこっちじゃないだろう???という方向にも付いていたりするので要注意です。

それにしてもこの写真のどこが道なんだろう???
[9時33分]

造林小屋

伝道終点の早戸大滝の看板からおよそ15分、突然山の中に小屋が出現!

「よくもまぁ、こんな所に建てたよなぁ!」

と思いつつ小屋の横を通り抜ける。
[9時42分]

造林小屋看板

小屋の壁にこんなものが・・・。

「これって雷平まで15分?35分?45分?・・・読めないジャン」

と軽いツッコミを入れつつ先を急ぐ。
[9時42分]

道

小屋を過ぎたらこんな道です。左側に落ちたら笑って済ますことが出来ないくらい高いです。でも足場がいいので歩きやすいです。
[9時44分]

木橋

噂の木橋出現!

この後もいくつもの木橋を通るのですがここのは木が腐っていてベコベコだったのでちょっと怖かったです。
[9時46分]

下に早戸川

早戸大滝の看板からおよそ20分、早戸川はまだ下に見えます。
[9時48分]

道

まだこの頃は、道も安定していて、色づき始めた木々に目をやる余裕もあった。
[9時48分]

モード選択ミス

余裕があったはずだが・・・、カメラの撮影モードを間違えていた(ToT)。風景モードで撮ってたつもりがポートレートモードになっていた。もう背景がボケルボケル。
[9時48分]

木橋

ここからしばらく木橋が続く。左側は恐らく20~30mはあろうかという崖。ちょっと怖い。
[9時49分]

岩にワイヤー

写真は通り過ぎた後、振り返って撮っているのでちょっとわかりづらいけど、進行方向右手に大きな岩が張り出していて行く手を塞いでいたので、このワイヤーを辿って岩を回り込むようにして進む。
[9時50分]

振り向けばそこに木橋

ここも通り過ぎた後に振り向いて撮影しています。木橋の向こう側の大きな岩が上の写真です。
[9時51分]

またまた木橋

またまた木橋です。
[9時51分]

またまたまた木橋

しつこいようですが木橋です。
[9時52分]

またまたまたまた木橋

上の写真の木橋から下を見たところです。とっても高いです。
[9時53分]

この木何の木?

上の2枚の写真の木橋を振り向いて見たところです。
真ん中の青白い木、ちょっと気持ち悪くないですか?(撮った時は気付かなかった・・・)
[9時53分]

目指せ大滝

おぉ、こんなところに道標が・・・。道は間違っていないようだ。
[9時53分]

またまた大岩

また、でっかい岩が・・・。
ワイヤーを伝ってよじ登っていきます。
[9時54分]

虎ロープで降りる

ここを降りれば早戸川の川原にでます。しかし、かなり急です。
[9時56分]

虎ロープを見上げる

降りたところで今来た道を振り返る。ふと、

「帰りはここ登るのかよ・・・」

とちょっと不安になる。
[9時57分]

早戸川の川原到着

早戸大滝の看板からおよそ30分。やっと川原に出た。ここからは沢登りとなる。
[9時58分]

最初の丸太橋

ほっとしたのもつかの間、丸太橋登場です。今朝方降った雨のせいか、はたまた川の流れが激しいので飛沫が付いたのかこの丸太橋濡れてます。自分の頭の中では

「木 + 濡れてる = 滑る」

という図式があるので、この丸太橋は恐怖です。。。とは言うもののここで引き返すわけにもいかないので、一歩足を踏み出して丸太に足を架けてみる・・・滑らない・・・

「うん、これなら大丈夫そうだ」

ということでソロリソロリとなんとか渡りきりました。
[9時59分]

虎ロープ再び

なんとか丸太橋を渡りきったと思ったら、次は岩登り。虎ロープにつかまり一気に駆け上る!
[10時00分]

木橋を進む

岩を登りきったと思ったら、再び木橋。
[10時01分]

木橋を進む

また木橋。ここからしばらく川を右手に見ながら進む、進む、さらに進む。
[10時02分]

最大の難所

5分ほど歩くと今後は川の右側に出るため、再び川渡り。しかし、、、

「オーマイガッ!丸太橋に何かまとわり付いてるじゃん、どーすんの?これ?」

手前の丸太橋は笑っちゃうくらいグラグラしてるし、奥のは得たいの知れない黄色いものがまとわりついてるし、、、

「この黄色いのを踏んでも滑らないのか?」

と思いつつも(恐らくへっぴり腰で)なんとか渡りきる。

全工程で怖い所ベストツーの内のひとつです。ここはホントに怖かった。。。
[10時07分]

キケンな目印

大滝の看板から約40分、丹沢観光センター前からだとおよそ1時間。ちょうどへたばってきた頃、目印発見!
[10時12分]

大滝まで40分 ガンバ 『大滝まで40分 ガンバ』

 

の文字に大いに励まされ足取りが軽くなる。しかし、、、
[10時12分]

再び川渡り

再び川渡りが、、、今度は川の右側に移動。

ところでこの岩は自然にこう並んだのだろうか? はたまた前人がここに置いたのか??? どっちにせよここは渡りやすかったです。
[10時13分]

二股

恐らくこの辺が雷平だと思うんだけど・・・。

写真ではちょっと見づらいけど、奥のほうで川は右と左に分かれています。早戸大滝は左の本流の上流にあるので、そっちに進む。

この辺から写真の数はめっきり減る。う~ん、ゴールはまだか???
[10時20分]

早戸川

さらに川原を進む。
[10時32分]

おっ!滝だ! 「おっ!滝だ!早戸大滝か?」

 

と思いきやなんか迫力が無い・・・。ここじゃない・・・。
[10時43分]

それから10分ほど進んだところで、川横の丘のようなところに数人の人影が・・・。

自分  「こんにちわー」
おじさん『滝の写真撮りにきたの?』
自分  「はい、大滝まではあとどのくらいですか?」
おじさん『すぐ、そこだよ』
自分  「えっ?」

とおじさんの指差す方に行ってみるとそこに・・・

「おおっ!」

早戸大滝

思っていたよりずっとでかい!

ここが落差50mもある『早戸大滝』だ!

う~ん、苦労しただけ感激もひとしお。。。

[11時00分]着、丹沢観光センターから約1時間50分、大滝の看板から約1時間30分でした。

で、さっそく写真撮影・・・と思いきや滝つぼあたりに人の影が・・・。まさか写真に人を入れるわけにもいかないので、朝コンビにで買ったおにぎりとチョコレートを食す。ちょっと早い昼食です。

で、その昼食も食べ終わり

「ぼーーーっ」

としてると滝つぼの人もいなくなったので撮影開始。。。

「ん? なんかいつもと勝手が違うぞ?」

三脚を立ててるとは言え足場はかなり悪いです。撮影できる場所も限られています。そんなんでもなんとか撮影していたんですが、数分が過ぎたときなにがいつもと違うか気が付きました。三脚の雲台です。

いつもはジッツォの自由雲台を使っているのですが、今回は三脚も新調したので標準で付いているレバーが2本出てる普通の雲台を使用しました。しかし、このタイプの雲台を使うのはほぼ初めてでしたので、なかなか思うように構図が決められません。仕方がないので、雲台は固定にして三脚の方を動かして構図を決めました。

尾根に登る

上の写真の左側の尾根を登っていけば滝つぼに出られるとのことです。ここは怖い所ベストツーのうちのひとつです。あまりにも急なのでビビッて写真も手ぶれしてます(^_^;

昼食&写真撮影に約1時間費やし、12時ちょうどに帰路につきました。

帰りはさすがに一度通ってきたので楽勝でしょう。と思いきや、、、山を舐めてはいけません・・・。基本的には一度通った道なので来るときに比べたらぜんぜん楽なのですが。川を下り、尾根に登って造林小屋を抜けてちょっと行ったところでなんと例の目印がふた方向に分かれてるじゃないですか、来るときは右側から来たということはすぐにわかったのですが、なんとなく左側のコースのほうが近道っぽいなと判断してそっちに入ってしまいました。。。ちょっと登ったあとはものすごい急な下り坂があります。ロープやワイヤーのたぐいもありません。ダーッと駆け下りて木にガシッてつかまり、また、ダーッと駆け下りて木にガシッてつかまり、を何度か繰り返して小さな沢に出ました。ここまでは目印があったのですが、ここからはぷっつり消えてしまいました、

「やばい!」

と思っても後の祭りです、今来た道を引き返すわけにもいかないので、少し高いところまでよじ登って目印を探しました。

「あった!」

沢の向こう岸の崖の上に小さな目印発見!沢を渡りなんとかそこまでよじ登ってはみたものの2、3箇所目印が続いたところで再び目印を見失ってしまった。踏み後も見つからない。

「これは本格的にやばいかも・・・」

と思い始めたとき、ふとGPSを持っていたことに気づく。トラックデータを録っていたので、せめて帰りの方向はわかるだろうと即効確認。

「あれ???」

自分のいる地点はじつは、行きに通った道よりわずか3mしか離れていなかった・・・。視点が違うので気が付かなかった・・・。そんなこんなでなんとか来た道に戻り、見覚えのある目印を見たときは少しホッとした。

その後すぐに大滝の看板がある伝道の終点に出る。ここでやっと無事に帰還した実感が沸いてくる。
[13時30分]

あとは伝道を通り丹沢観光センターまで来てゴーーーーールです。
[13時50分]

お疲れ様でした。

[総 評]

はっきり言って素人が独りで行くところじゃないです。

出来れば上級者(ここで言う上級者とは経験豊富というだけじゃなく、素人に適切なアドバイスが出来、素人のペースで歩いてくれる人のことです)と一緒に行くことをお勧めします。

とはいうものの、紅葉が残念な結果だったのはがっかりですが、山や沢の風景はすばらしかったです。

出来れば今度は新緑の季節に行ってみたいと思っています。

[後日談]

案の定、翌日&翌々日は筋肉痛で一日中ロボットのような動きでした・・・。

[資 料]

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 友人からせがまれて、コースを考えようと探していたところ、こちらにたどり着きました。滝の写真をみて、ぜひ!行きたくなりました。
    また、詳細の内容もとても参考になります。
    お礼までに、コメントさせていただきました。

  • > あゆっちさん
    コメントありがとうございました。

    水に濡れた木など滑りやすい場所も多いので、
    気をつけて楽しんできて下さいね(^o^)

  • はじめまして。
    私は登山初心者に毛の生えた程度のものです。
    伊勢原市在住なので物凄く参考になります。
    早戸大滝といい塩水橋から塔の岳といい自分が挑戦したいと思っていたルートがそのままのっていたのでビックリしました。
    これからもちょくちょく覗かせていただきます。

    • > ykさん
      コメントありがとうございます。

      伊勢原市在住とのこと、丹沢へのアクセスが良くてうらやましいですね・・・。
      私はこれからも丹沢を中心に活動していくので、そのうち山中でバッタリ・・・
      なんてこともあるかもしれませんね(^_^;;

      これからもよろしくお願いします。

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