屋久島・宮之浦岳縦走記 7/7

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いなかた

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屋久島最終日。今日は帰るだけなので、楽勝だぜ〜、と思いきや、朝イチから、悪天候のためにフェリーが欠航になったと町内放送で知ることになる。来るときは鹿児島からフェリーを利用したけど、帰りは飛行機で鹿児島まで戻るので、飛行機は大丈夫なのか? と不安になりながら空港に向かった。

目次

山行データ

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山行日2009年06月17日(水)~2009年06月23日(火)
コース1日目(羽田~鹿児島~屋久島~海楽園キャンプ場)
2日目(海楽園キャンプ場~楠川歩道(縦走スタート)~白谷雲水峡~白谷山荘)
3日目(白谷山荘~楠川分れ~トロッコ道~大株歩道~ウィルソン株~縄文杉~新高塚小屋)
4日目(新高塚小屋~宮之浦岳~永田岳~鹿之沢小屋)
5日目(鹿之沢小屋~花山歩道~大川の滝(縦走ゴール)~屋久島青少年旅行村(栗生))
6日目(屋久島青少年旅行村(栗生)~安房)
7日目(安房~屋久島空港~鹿児島~羽田)
山 名宮之浦岳(1936m)
永田岳(1886m)
タ グ
山 域九州エリア
累積標高縦走1日目:(+)944m (-)-144m
縦走2日目:(+)1,086m (-)-453m
縦走3日目:(+)851m (-)-755m
縦走4日目:(+)383m (-)-1,934m
歩行距離縦走1日目:9.102km
縦走2日目:11.9852km
縦走3日目:7.659km
縦走4日目:16.217km
所要時間縦走1日目:05時間11分
縦走2日目:06時間23分
縦走3日目:06時間46分
縦走4日目:08時間20分
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縦走記(7日目)

7日目スタート
【07時17分】

6時起床、わずかに雨が降っている。町内放送で「エリーゼのために」が流れる。その後、
「~本日のフェリーは全便欠航になりました~」
って、おい! 飛行機は???

確かに天気予報で天気は崩れるようなことを言っていたけど、、、う~む鹿児島まで行ければあとは陸続きなのでどうにかなるけど、ここじゃぁどうにもならん。飛行機が欠航になったとは言っていないので、とりあえず空港に行ってみようと思った。

安房の停留所が7時39分なので、7時20分ころ宿を出る。階下は静かなので誰もいないのかな? と思いつつチェックアウトはそのまま出て行っていいと言う事なので、そのまま出ようとしたら女将さんが奥から顔を出した。「お世話になりました」と挨拶して宿を後にする。

安房の停留所までは2~3分ほどなので時間はずいぶんと余裕がある。もしかすると少し先の合庁前という停留所まで行けるかもしれない。と思っていたら安房停留所には男女二人組みのハイカーがバスを待っているところだった。明らかに山ノボラーだなと思いつつバスが来るまでは15分以上あるので、合庁前まで歩くことにした。これでバス代が少し節約出切る。自分が着いたときには合庁前のバス停には誰もいなかったが、すぐに続々と学生たちが集まってきた。そろそろ目的のバスがきそうだなと思っていたら、違うバスが来てバス停の前に止まった。スクールバスだ。先ほどまでいた学生たちはゾロゾロとバスに吸い込まれていった。再び一人になるとすぐにバスが来た。

屋久島空港
【07時57分】

10分ほどで屋久島空港に到着。なんか空港のイメージが違った。思っていたよりかなり小さく見えた。なんか近所の駅の駅舎を思い出させるようなその建物の中は暗く、最悪の状況(欠航?)を想像させた。とりあえず中に入ってみる。薄暗い待合室に男女のカップルがいるだけだった。どうやら早く着きすぎたようだ。空港の中では欠航を告げるようなものは何も無い。無事飛びそうだ。しかし、目的の飛行機まで1時間以上ある。仕方ないので自分もベンチに座る。そのうちお土産屋が開いたので暇つぶしに覗いたりしながら時間を潰していた。

やがてチェックインが始まり。一番で重い荷物を預ける。羽田で飛行機に乗るときは、あらかじめ荷物の重さを量っていたので、不安は無かったが、今度は勘に頼るしかない。およそ15キロぐらいだろうと読んでパッキンをして、あふれた荷物はサブバックに詰めた。おかげでサブバックはパンパンに膨らんでしまった。ちょっとドキドキしながら荷物の重さを量る台に乗せる。
「14.5㎏」

おぉ、ぎりぎりセーフだ。

とりあえず重い荷物を預けて、再びベンチでボーっとする。まだ保安検査が始まってない。しばらくボーっとしているとやっと保安検査の始まりを告げる放送が流れた。ここで急に屋久島を離れることの寂しさを感じ始め、結局保安検査を通過したのは締め切りギリギリだった。

保安検査では荷物を通した後に、係員から
「もう一度通していいですか?」

と聞かれちょっとドキドキしながら
「いいですよ」

と言って、2度目を通された。パンパンに詰め込んでたせいで中のものが良く見えなかったんだろうけどちょっとビビッた。

無事保安検査を通って、待合所の隅にマイレージを付加する機械があったので、あまり考えもせずにチケットを通してしまったら、どうやら入れるチケットを間違えたらしい、普通ならそのまま排出されるのだが、運悪く機械に引っかかって出てこなくなってしまった。係員を呼んで機械を開けてチケットを取り出してもらった。失敗、失敗。その後マイレージカードを渡すと係員が別の機械で調べてくれて、すでにマイレージは付加されているとのことだ。う~ん、いったいどのタイミングでマイレージが付加されたのだろう???

ボンバルディアQ400
【09時10分】

ボンバルディアQ400

搭乗時間になると雨が降り出して、出口で黄色い傘を渡された。飛行機まで50メートルほどの間傘を差して、タラップの前でその傘を回収された。屋久島から鹿児島までの飛行機はプロペラ機なので、ずいぶんと小さく見えた。中に入っても高速バスとほとんど変わらない。両側に2席づつで真ん中の通路も狭い。客は7~8割くらいだと思う。けっこう乗る人はいるんだ。でも人数は少ないので出発までの時間は短かった。すぐに扉が閉められ、プロペラの音が少し大きくなるとゆっくりと動き出した。滑走路の端までくると一瞬停止して、プロペラが全開で回りだした。体にGがかかる。小型機とはいえ加速感はジェット機以上だ。やがて地面から伝わってくるゴトゴト感がなくなり、機首を上に向けた。これでほんとに屋久島とお別れだ。窓から最後の屋久島を見ようと思ったけど左側に座っていたせいで海しか見えなかった。フライト時間は30分程度、けっこう揺れる。鹿児島に近づくにつれ雲が多くなったように思う。やがて高度を下げて雲の下に出ると、窓を激しく雨粒が流れていった。雨だ、それもかなりの土砂降りだ。大丈夫なのかと心配になるが無事に着陸。滑走路を出てゲートに向かうが、はて? このちっちゃい飛行機はどこに止まるのだろう? と思っていると建物までかなり離れた所に止まった。距離的にはたいしたことはないのだが、外は土砂降りの雨だ。また傘を差して行くのか? と思っていたら隣にバスが止まった。どうやらこのバスで移動するらしい。飛行機のタラップギリギリにバスを着けて、その間は係員が傘を差していた。バスに乗り込むとすぐに発車して、空港内にも車の走るルールがあるのだろうか、かなり複雑なコースでゲートに着いた。

荷物を受け取りに行くとすでにベルトコンベアの上に出ていた。その荷物を取ると空港内の待合室に行き、テレビの見える位置に座る。天気が気になったからだ。鹿児島地方は傘マークだったが、東京は晴れているようだ。でも、外は土砂降りだ、時折降りてくる飛行機を見ていると水しぶきが尋常じゃない。それに欠航、または検討中の放送が何度も繰り返されていた。屋久島から自分が乗った飛行機の次の便は欠航になった様だ。羽田行きは大丈夫なのか? と思いつつ重い荷物をさっさと預ける。身軽になって空港内を散策する。そういえば今日はまだ何も食べていないので、空港内のラーメン屋に入った。しかし、ここのラーメン屋はハズレだった。腹ごしらえもして再び散策。なぜか空港内のお店には花畑牧場の生キャラメルが沢山売っていた。オリジナルの他にもマンゴー味もあったので、宮崎県の流れで置いてあるのだろう。自分はまだ生キャラメルは食べたことはなかったので、お土産としてオリジナルとマンゴー味を買った。あとはブラブラしたり展望デッキの内側から離発着する飛行機を眺めていた。そんなことをしているうちに時間になったので、保安検査を受ける。まただ、また
「もう一度通していいですか」

と聞かれた。またかよ、と思いつつ2度目で無事通過。

ボーイング777 ER200
【11時46分】

飛行機に乗る。今度は777-200ERという機種で座席の前にモニタが着いていた。

12時10分、動き始めた。雨が激しいのでちょっと不安だ。無事に離陸して高度をどんどん上げていく。やがて雲の上に出ると雨は止んだが、やたらと揺れる。窓から翼を見ても上下に激しく動いているのが分かる。ベルトのサインが消えるのはかなり時間がたった後だった。サインがやっと消え機内サービスが始まった。行きはマンゴージュースを頼んだが、帰りはコーヒーを頼んだ。カメラを取り出して窓の外を撮影する。せっかくなので飛行機のトイレの初体験をさせてもらう。狭いし、全面鏡張りなので、ちょっと落ち着かない。

飛行機の機内
【12時02分】

平日ということもあるのだろう。機内はガラガラだった。搭乗率は3割~4割位だろう。真ん中の列には一人も乗ってなかった

外を見ると
【12時59分】

窓から外を見ると、上空がかなり暗くなっている。宇宙に近いってことか???

富士山だ!
【13時23分】

富士山が雲の上に頭を出していた。所々雲も切れていて丹沢山塊も見ることが出来た。やがて海ホタルが見えてきて房総半島にさしかかる。東京湾に浮かんでいるタンカーもおもちゃのようだ。房総半島を回るということは16Lに着陸するようだ。だいぶ高度も下がってきたので、山の木々の一本一本が見えるようになる。あっという間に羽田に到着。こっちは快晴だ。

荷物を受け取ってリムジンバスの乗り場に向かう。タイミング良く乗ることができた。バスは動きだし、首都高に入る。車がいっぱいだ。屋久島の閑散とした道が頭に浮かんだ。流れる車とバスの運転席の後ろにある電光掲示板のニュースを見ていると急に現実に引き戻され、不思議な気持ちだった。これで終わったんだなと妙に感傷的な気分になった。

リムジンバスは最寄の駅に到着。路線バスを待っていると、日常的な風景の中で、登山靴と大きなザックが場違いなことに気づく。

このとき初めて早く帰りたいと思った。

ルート図

ルートマップ

ルート図

ルート断面図

ルート断面図

ルート鳥瞰図

縦走1日目

ルート鳥瞰図(縦走1日目)

縦走2日目

ルート鳥瞰図(縦走2日目)

縦走3日目

ルート鳥瞰図(縦走3日目)

縦走4日目

ルート鳥瞰図(縦走4日目)

縦走装備

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