今回は富士山を登っているときに見られることについて書いてみたいと思います。特にまだ富士山には登ったことがなくて、でも、いつかは登ってみたいと思っている人を対象にしています。
本来なら夏前にでも公開すべき内容なんでしょうが、思い付いたのが最近なので、あえてこの時期に公開しました。まぁ、来年の富士登山時にでも思い出してもらえば幸いです。
タイトルでは「絶景」となっていますが、それだけではなく、富士登山時に僕自身が見た(体験)したことも含まれています。
僕自身、富士山には今までに13回ほど登頂しているので、それなりに色々な景色を見ていると思います。とは言うものの、数千回も登っている人に比べればまだまだですよね。そういう人たちはもっといろんな景色を見ているんだろうなーって思います。羨ましいです。
なんと言っても”御来光”
富士山の絶景 = 御来光、と言っても過言じゃないくらい、富士山といえば御来光ですよね。富士山に登ったことがない人でもこのイメージは不動だと思います。むしろ、御来光を見るために富士山に登ろうと思っている人も少なくないんじゃないかな? って思います。
しかーし、僕は富士山に14回も登頂しているくせに、一度も山頂で御来光を見たことはありません。上と下にある写真は間違いなく富士山から見たものですが、五合目からだったり、登山途中に見たものだったりします。そうなんです。景色的には山頂で見ようが、途中で見ようがそれほど違いがないんです。でも、やっぱり山頂で見る御来光は別格で格別な物だと思います。僕もいつかは見ることが出来るんでしょかね?
ちなみにですが、この御来光を見るには富士山の富士山の東側の縁で見ることが出来ます。登山口で言うと、富士吉田口(河口湖口)か須走口になります。もちろん、富士宮口から登っても、登頂後、富士山の山頂を半周して東側まで行けば見ることは出来ますが、効率は良くありません。特に初心者はペースが分からないと思うので、おすすめできません。しかし、何度も登って最適なペースが分かる場合は、比較的空いている富士宮口もおすすめです。まさかとは思いますが、御来光を見るのに御殿場口を選ぼうとしているそこのあなた! 考えなおすことを強くおすすめします。
また、時期は七月後半から八月後半までがおすすめです。それより前だと梅雨のシーズンだし、それより後だと台風の季節になり御来光が見られる確率ばグッと減ります。
以前聞いた話では、梅雨明け1週間は比較的は晴れが続くらしいです。昨今の異常気象ではどうなのかは分かりませんが・・・。
知る人ぞ知る”御来迎”
『御来光』と似て非なるもので『御来迎』というものがあるのを知っていますか? 前述したとおり、現在の富士山に登る主な理由のひとつが『御来光』を見ることだと思いますが、江戸時代の富士山に登る目的はこの『御来迎』を見ることだったらしいです。とは言うものの僕自身も『ブラタモリ』という番組で知ったんですが・・・。
『御来光』というものはみなさんご存知のように山頂から日の出を見ることですが『御来迎』は山頂のお釜の中(富士山のてっぺんには直径約700m,深さ約200mの穴があいています)に大日如来を見ることを言うようです。え? 大日如来? なに言ってんだ? ってなると思いますが、次章の写真を見てください。これがお釜の中に見えるらしいです。知っている人は知っている”ブロッケン現象”です。今でこそ、このような現象が起こる理由(次章で簡単に説明します)は解明されていて、興味がある人なら小学生でも理解していると思います。しかし、江戸時代ではまだまだこの現象のメカニズムは解明されていなかったんだと思います。そんな人々が山頂のお釜の中でこのような現象に遭遇すると、後光を纏った大日如来が現れた、って思っても不思議ではないと思います。
なんてなことを書いていますが、僕自身はまだこの現象に遭遇してことはありません。ってか、お釜の中に雲があって、背面に太陽が出ている状況ってかなりレアなんじゃないかと思います。通常ならお釜の中に雲があるなら背面にも雲があるので、このような状況にはならないんじゃないかと思います。とはいうものの相手は自然です。人間の想像を超える現象を起こすなんて朝飯前でしょう。なので、もしあなたが富士山に登って『御来迎』を見ることが出来たなら、それはかなりレアな体験なのでおもいっきり自慢しまくりましょう。
意外に見られる”ブロッケン現象”
前述の御来迎もブロッケン現象の一種、というか、同じブロッケン現象ですが、御来迎に比べると、あくまで御来迎に比べるとですが、普通のブロッケン現象を見るチャンスは多そうです。とは言うものの、僕自身は富士登頂14回、リタイアも含めると20回弱は富士登山をしていますが、見たのは一回だけです。その他の山域を含めても、まだ3回しか見たことはありません。
実際にこのブロッケン現象を見るとこが出来る確率がどのくらいなのかは分かりませんが、山登りを続けていればいつかは見ることが出来るんじゃないでしょうか。少なくとも、山登りをしない人に比べたら、その確率は爆上がりだと思います。
では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか? そのメカニズムを簡単に説明すると、自分が立った時に正面に雲、背面に太陽があるとき、正面の雲に自分自身の影が映っていて、その際に雲の中の水蒸気の粒に太陽光が乱反射して頭の周りに虹ができるということです。言葉で書くとちょっと分かりづらいですが、実際に見ると、あぁ、自分の影なんだなぁ、ということは分かります。それというのも、自分が動くと、雲に映った影も同じ動きをするからです。当たり前ですが、地面に映った普通の影も自分の動きに追従しますよね。もし、そうじゃない人がいたら教えてください。もれなく、木の杭を胸に打ち付けて差し上げましょうwww
ちなみ、このとき見た場所は、宝永山の手前の尾根(宝永山の馬の背と呼ばれている辺り)です。登頂後、御殿場口に下っていた時に見ました。
雲は見下ろすもの
童謡の『富士山』の一節に「あ〜たま〜をくぅも〜の〜う〜えにだぁし〜♫」とありますよね。富士山は高い山です。とっても高い山です。普段、街の中では雲は見上げる存在ですが、富士登山をしていると、雲は横にいたり、見下ろしたり、する存在になったりします。文字通り、雲より高い場所にいるってことです。
この状況は結構頻繁に見ることができます。山頂まで登らずとも車で行くことができる五合目でも見ることができます。
僕自身、富士登山に向かっていて、あ〜今日は曇っていて富士山は見えないなぁ、あ〜あ、雨まで降ってきたよー。なんて時でも実際に五合目まで行ってみると、下から見ていた雲を突き抜けて、頭上には青空が広がっていて、無事登頂できた、なんてことは結構ありました。
なので、雲より高いところに立つ、という経験はかなり高い確率で実現できます。普段はこのような経験は飛行機にでも乗っていなければすることができませんよね。でも飛行機の中では機体に囲われているので、雲感はかなり薄れてしまいます。でも、富士山の上では遮るものはありません。雲がすぐそこに圧倒的迫力で広がっています。この経験はぜひ自分自身の目で肌で実際に感じてみてください。
ちなみに童謡『富士山』のその後の歌詞に「か〜みなりさぁま〜を〜し〜た〜にぃきぃく〜♫」とあるりますが、本当に下や横でゴロゴロ鳴っています。雨だって上から降るとは限りません。普通に横や下から降ってきます。
影富士
富士山は当たり前ですが物質です。なので光(太陽)が当たれば、その反対側に影を落とします。自分自身も太陽が正面にある時は、後ろ側に影が落ちます。もし、俺は影なんて落ちないぜ、なんて人がいたら教えてくださいね。もれなく、木の杭を胸に打ち付けて差し上げますので・・・(←しつこい)
富士山の山体は日本でも有数のデカさです。それゆえ、そこに出来る影も超巨大です。その際の山頂の部分の影は60km以上先まで伸びることもあるようです。60kmというと、琵琶湖の縦の長さがおよそ60kmです。
影なんて珍しくもなんともないんですが、これが富士山の影となったら話は別です。先程のブロッケン現象もそうですが、富士山では普段見ることが出来ないようないろいろな光学現象がおきるので、それらを見るのも富士登山の楽しみのひとつです。今回は富士登山中に見ることが出来ることに注目してきましたが、富士山から離れると「ダイヤモンド富士」や「逆さ富士」なんてものもあり、富士山に魅せられた人々が富士山から離れられないもの納得です。
その他、面白い景色
ここからは絶景ではないんですが、チョット意外な富士山を紹介します。
いたずら書き
おそらく今やると、ぶっ飛ばされると思いますが、僕が初めて富士山に登ったとき(2006年)には山頂のお釜の斜面に石で落書きがありました。
みんな富士山頭頂を記念して、なにか足跡を残したかったんだと思います。しかし、現在は一切禁止されているので、やらないようにしましょう。本当にぶっ飛ばされる思います。
山頂展望台
意外に知られていないんですが、富士山の山頂で1番高い剣ヶ峰には展望台があるんですよ。夏のシーズンで剣ヶ峰の山頂標には記念写真を撮るのに長い列ができているような時でも、展望台はガラガラだったりします。
では、どこにあるのかと言うと、剣ヶ峰の日本最高峰の碑を右手に見てもう少し先に進むと、左側にあった測候所の建物の端っこのさらにその先に写真のような入り口があります。そこを進むと・・・
・・・それほど広くはないですが、小さな展望台があります。
展望台からの景色です・・・、残念ながらこの日は雲だらけで展望はありませんでした。
ただし、この展望台が今現在も立ち入りが出来るのは分かりません。老朽化や不具合が出ても今後、修理や新設することもなさそうなので、立ち入り禁止になっていたら素直に諦めましょう。
(この記事を公開するのにあたり調べてみたら)どうやらここは2012年から老朽化のため立ち入り禁止になってしまったようです。残念です。
なんだよ! せっかくここまで来たのに(日本最高峰の碑からほんの数メートル程度ですが)無駄足かよ! って思うかもしれませんが、安心してください。富士山頂にはまだ見るべき場所があります。それは次章で・・・。
本当の山頂?
日本で1番高い山は富士山で間違いないですが、ではその富士山で1番高いところはどこでしょう? ほとんどの人が日本最高峰の碑の場所か、そのすぐ隣にある三角点(写真の右寄りにあります)が1番高いところだと思うでしょう。実は最高所は少し離れたところにあるんですよ。
これには賛否両論あるようですが、以前誰かが、真の最高所と三角点の間に雨どいのようなものを渡して、そこに水を流してみたそうです。その水は三角点側に流れたそうです。つまり真の最高所の方が高かったっていうことですよね。
では、その場所はどこでしょう? それは前章の展望台の入り口のそばにあります。
展望台に向かうのと同じように、日本最高峰の碑を右手に見て進みます。左には測候所があります。すると前章の展望台への入り口が左側にありますが、その時右側(お釜側)の地面を探してみてください。すると写真のように赤いペンキが描かれている岩があります。小銭もたくさん落ちて(お賽銭です)ます。そこが真の日本最高峰になります。せっかく剣ヶ峰まで行ったのなら、ここも忘れずに確認しておきましょう。このことを知っていも、富士山初登頂でテンションが上がって忘れちゃう人もいるので、しっかり頭に刻み込んでおきましょう。
しかし、ここは崖っぷちになっているので、十分注意しましょう。間違っても赤いポイントに立たないようにしてください。すぐ下にも登山道があるので、落石にも要注意です。
富士登山の楽しみ方は人それぞれ
次は富士山で見た愛しき変な人たちについて書いていきます。
富士山頂で三点倒立
やっぱり日本一高いところですもんね、何かやってみたい気持ちは分かります。
お釜に向かってライブショー
これはサイコーに気持ち良さそうですね。僕もやってみたいけど、山頂までギターを持っていける自信が無いっす。
富士山頂に自転車⁈
これは一瞬、自分の目を疑いました。富士山頂にある郵便局の前に自転車が・・・? なぜ? ここに?
テレビの撮影隊
テレビの撮影もしています。このときの様子は過去の記事でも公開しているので、そこから引用します。
ここでテレビの撮影をしていました。野口建さん、ますだおかだの岡田圭右さん、それとフジテレビアナウンサーの斉藤舞子アナウンサーがいましたが、斉藤アナはほぼスッピンだったのでオンエアを見るまではてっきり若手の女性タレントだと思っていました(一人だけ妙にテンションが高かった・・・)。
富士山トレッキング紀行(登頂4回目編)
ちなみにこの後、撮影の合間に野口建さんとツーショット写真を撮ることが出来ました。良い思い出が出来ました。野口さんありがとうございます。
おいおい、人多すぎだろ!
剣ヶ峰にある日本最高峰の碑で記念写真を撮るために並んでいる列です。
夏の富士山頂なんてこんなもんです。なので、僕はこれ以降は時期を少し外してずらして登るようになりました。
で、結局この人が1番変な人だった。
・・・って言うオチでどうでしょう?
このほかにも、ミッキーマウスの着ぐるみを着て歩いている人や、サラリーマン風にスーツを着て手にはアタッシュケース、足は革靴なんて人も見たことがあります。みんなそれぞれ富士登山を楽しんでいます。
昨今の富士山は色んなルールが出来て、色々と登りにくくなっていますが、それでも、普段山登りをしない人でも、一生に一度は登ってみたいでしょう。今回は特に富士山の登り方に付いて触れていません。その代わり富士山に登れば見られる、かもしれない、または経験できる、かもしれないことを書いてみました。なのであなたも富士山でのあなた自身の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか?