このページをスマートフォンで閲覧するときは、横向きにすると(ちょっとだけ)見やすくなりますよ。
今回は雪の丹沢で一番好きな菰釣山(こもつるしやま)に行って来ました。ちょうどひと月ほど前(菰釣山トレッキング紀行)にも登ったんですが、雪が無かったのでリベンジ(と言うほどのものでもないんですが・・・)です。とは言うものの思っていたより雪は多く、トレースも山頂まで無かったので、一部ではラッセルも強いられました。
当初は、菰釣山から山伏峠方面に向かって少し行ったとこにあるブナノ丸からのバリエーションルートで下るつもりでしたが、菰釣山までが通常の2倍以上の時間がかかってしまったことと、それ以前に国道413号の路側帯に雪が積まれれていて人が歩くスペースが無く危ないので、スタート時点でこのルートは中止としました。
山行データ
山行日 | 2013年01月19日(土) | ||
---|---|---|---|
コース | (スタート)道の駅どうし~菰釣山~道の駅どうし(ゴール) | ||
山 名 | 菰釣山(1379m) | タ グ | |
山 域 | 丹沢エリア | 累積標高 | (+)912m |
歩行距離 | 14.278km | 所要時間 | 08時間06分 |
関連記事 |
山行記
【07時38分】 | 1月14日の大雪で、ある程度は雪は残っているだろうとは思っていましたが、実際には残っているどころかほとんど溶けていないというのが実情で、それなりに雪山が楽しめるだろうと期待しつつ出発です。
出発して1分、バラクラバ(目出し帽)を持って来なかったことを後悔・・・さ、寒い・・・。 |
【07時43分】 | 富士山の頭がちょっとだけ見える。山頂からの展望が楽しみだ・・・。 |
【07時46分】 | 民家の多い所は除雪されているが・・・ |
【07時48分】 | ・・・民家がまばらになると、この通り・・・。 |
【07時53分】 | ここからは、たまに地面が顔を出している所もあるけどほとんどは雪。
ここで、犬を散歩させている地元の人にこの先の雪の状況を教えてもらった。この先の民家のあるところまではある程度除雪されているけど、その先は除雪車が入っていないので雪が深くなっているとのこと、さらにその先はもっと雪が深く難行苦行(!)が待っているだろうということ。ある程度は雪があることは期待しているので多少の雪は歓迎なのだが、はたして丹沢でしかもそれほど標高が高くないところでそんなに雪が積もるのだろうか? と言う思いと、雪が降ったのは月曜日なので、すでに何人かが山に入っているだろうからトレースはしっかり付いているだろう、という思いで楽しい雪山トレッキングを想像していたのですが・・・実際には・・・。 |
【08時06分】 | この辺りが最後の民家、その先で雪が深くなる、と言うこと。 |
【08時13分】 | 除雪車はここまで、この先は雪が深くなる・・・っていうか、トレースが一切付いていないじゃん! ここ数日は誰も入っていないってこと??? |
【08時14分】 | でも、まだ雪の深さは20〜30cm程度。それほど苦労は無く歩けるけど、ペースはどうしても落ちる。登山口まではスノーシューとかがあれば楽しくあるけそう。 |
【08時16分】 | 振り返ると、自分が付けたトレースが一直線に伸びている。 |
【08時17分】 | 目の前には動物たちの足跡がいっぱい。 |
【08時21分】 | まだ写真を撮る余裕もある。 |
【08時26分】 | 雪が深くなっていくると靴が雪面より上に出なくなるので、足跡が点々から2本線になる。 |
【08時33分】 | おたまじゃくし? |
【08時33分】 | 何かの種ですね。何の種だろう? |
【08時50分】 | この得体の知れない物を過ぎると登山口への分岐はすぐ。
左上のピークのテッペンに前回ダマサれた(?)モミの木が見えます。 |
【08時58分】 | 分岐。沢を渡って進みます。 |
【08時59分】 | チェーンの一部が埋まってます。 |
【08時59分】 | 菰釣山の標識は完全に埋もれています。 |
【09時17分】 | 旧道との分岐です。新道を進むので、ここからが本格的な山道になります。コースや踏跡は完全に消えていますが、ピンクテープと過去の記憶(このコースは雪のあるときも無いとき何度か歩いています)で、特に不安もなく歩けます。 |
【09時20分】 | 途中、何度か沢を渡りますが、沢までの段差がかなりあり、雪の下がどうなっているのか分からない所はビビりながら沢に降ります。 |
【09時23分】 | 丸太橋が何箇所かあるのは記憶しているので、このような写真の所は・・・ |
【09時23分】 | ・・・慎重に進むと、ボコっと穴が開きます。丸太橋の隙間です。気をつけなければ足を取られます。 |
【09時26分】 | このような橋は慎重に進めばなんとかなりますが・・・ |
【09時31分】 | ・・・こっちの橋は雪で覆われているうえに滑るので、雪を落としながら慎重に進みましたが、危険だと判断して、左側の小さな尾根を越えて数メートル上流の沢を渡るコースに変更しました。 |
【09時34分】 | モミジの種。 |
【09時38分】 | 途中、大型動物(イノシシ?)の足跡。というか通った跡を進みます。この程度のトレースでもちょっと楽。 |
【09時40分】 | 最後の沢渡り。もう何がなんだか分かりません。 |
【09時44分】 | 稜線に続くV字の谷に入ります。ここをしばらくは直登して、最後にジグザグに登って稜線に取り付きます。 |
【09時53分】 | まだ、雪の深さは膝程度。この後、雪中行軍が始まります。 |
【10時50分】 | 上の写真から1時間。まだ稜線に辿りつけていません。通常ならば谷の入り口から稜線までは30分弱です。 |
谷の入口からしばらく(最初の少しは底から一段上を進みますが)はV字の底を直登しますが、底は雪が溜まっています。一番深いところは腰ほどの深さがあります。また、この谷のほとんどは一日中日が当たらないので、降った雪がそのままでサラサラ状態です。踏み固めようにも思うようにいかず、周りの雪が崩れるだけなので、どうにも進めなくなってしまいます。その度に戻り、別のルートを探します。それでなんとか少しづつ進みましたが、最終的にはどうにもこうにも進めなくなってしまいました。一瞬、撤退という言葉が頭をよぎりました。が、ここでふと思ったのが、V字の底だから雪が深いのであって、左右の斜面を少しでも登ればなんとかなるんじゃないかと考えました。なので、腰まで埋まった状態から、なんとか這いずりだし、匍匐前進と言うかハイハイ状態で雪面に脛全体を付けるようにして(腕は肘から手のひらまで付けている)浮力を確保し、斜面をハイハイでよじ登りました。数メートルよじ登り、なんとか深さが股下程度にまでなったので、一歩一歩雪を崩しながら進めるようになり、これで山頂を目指すことが出来ます。
直登ルートが終わると、次はジグザグに進みます。ルートは完全に消えていましたが、ピンクテープと記憶を頼りに、なるべく夏道に近いルートを取りつつ、歩きやすいルートを探します。で、ここでやっと写真にある軽アイゼンを装着しました。12本爪のアイゼンも持ってきていましたが、足が重くなるのが嫌だったし、そもそもアイゼンを履かなきゃならないような状態でもなかったので、これで十分でした。これと同時にピッケルも使用。こっちは滑落防止というよりは、一歩先の雪の深さを見るのに便利でした。これはもっと早くから出していればよかった・・・。
アイゼンを装着したからピッチが上がるわけでもないですが、斜面の上の方に行けば多少は雪が少なくなるので、少しづつ進むことが出来るようになりました。まだこの辺りでは、稜線に乗ればきっと山頂まではトレースが付いているだろうと信じていましたが・・・
【11時11分】 | ・・・稜線について唖然・・・ |
【11時11分】 | ・・・山頂までキレイな雪面が続いています。おいおい、月曜日から今日まで誰も歩いていないってこと???
で、結局谷の入口からここまで1時間半ほどかかってしまいました。通常の3倍強です。疲れた〜・・・。 ラッセル泥棒、なんて言葉もありますが、何をしみったれたことを言っているんだ、と思っていましたが、この言葉の意味が少し分かったような気がしました。また、下山時にすれ違った2人組の登山者にお礼を言われました。苦労が報われた気分です・・・。 |
【11時16分】 | さすがにヘロヘロになっています。稜線上は楽に歩けると思っていたのに・・・。 |
【11時27分】 | やっと避難小屋到着。 |
【11時27分】 | 山頂まではあと800m。 |
【11時51分】 | 左下が前になっています。野うさぎ??? |
【12時25分】 | 何? |
【12時35分】 | 山頂まであと100m位の所で突然雪質が変わりました。急に雪が重くなりました。それと同時に再び股下くらいの深さになります。もう、山頂のベンチが見えているのに〜・・・。 |
【12時36分】 | 山頂直下、雪が一段高くなっています。地形がこうなっているんじゃないと思うので、風が強くて吹き溜まったんですかね? |
【12時38分】 | 山頂! スタートから5時間!
山頂にはベンチが2つありますが、ひとつは完全露出、もうひとつは完全に埋没、何でだ? |
【12時39分】 | 富士山もキレイ・・・。前の木が邪魔ですね、ホントはもっとベストポジションがあるんですが、雪で辿りつけず・・・。 |
【12時40分】 | 疲れた〜・・・。 |
【12時44分】 | 早速お昼〜・・・。一時間くらい前からお腹がグゥグゥなっていました〜。 |
【13時00分】 | ご飯を食べて、下山開始です。次にくるのは恐らく一年後ですね。
下山開始すぐに、二人組の登山者とすれ違う。道志からのトレースはあなたですか? と言う問に、そうです。と答えるとお礼を言われました〜。自分も逆の立場になったら、ちゃんとお礼を言おうと思いました。 |
【13時26分】 | 避難小屋。誰かが中にいた模様・・・。 |
【13時33分】 | 分岐。
ここから再び魔のラッセル地帯を通るのか??? とテンションは下がっていたけど、下りということと、トレースがあるので、思っていたより全然楽に進めた。トレースの有り難みを身をもって理解しました。また、途中の急斜面では何箇所かは尻セードで下りました。楽しかった〜。 |
【13時57分】 | V字の谷が終わったところにある水場。でも、近づけない・・・。 |
【14時08分】 | 少し下流で沢を渡る。ここで水補給。通常は冬場ならば、1.5リッターあればお昼の分も含めて十分に足りるのですが、今日は足りなかった・・・。登りのラッセル時にかなりの量を飲んでしまった・・・。 |
【14時11分】 | 登山口まで戻ってきました。ここまで下りながら考えていたことは、自分が登りで付けたトレースを後続の人たちは忠実になぞっていた模様です。自分的にはなるべく歩きやすく、安全なルートを通ったつもりですが、トレースを付ける者の責任みたいなものを感じてしまいました。 |
【14時25分】 | 分岐の沢を渡ります。 |
【14時44分】 | まだ、軽アイゼンをつけていたので足が雪団子になっています。必要性は全く無いのですが、雪が深く、ザックを下ろしたりするのが面倒なので、もうちょい先まで雪団子と付き合う。 |
【15時04分】 | やっと車が入ってこれる所まで戻ってきた。 |
【15時06分】 | ここで、軽アイゼンを外す。足が軽くなった〜。 |
【15時14分】 | 民家。ここの前を通っていたらどこからともなく声を掛けられた。声のする方を見ると一件の家の窓から、今朝会った犬を散歩させていたおじさんが顔を出していた。ここでしばらく立ち話・・・。山中の雪の状況などを話した。 |
【15時22分】 | キャンプ場への分岐。朝は分岐があることに気が付かなかった。それもそのはず、雪で完全に道が閉ざされていた。 |
【15時30分】 | 毎年ここはこうなのだが、ここの下りはいつも凍っていて怖い。でも、今年は雪が多かったので例年よりは歩きやすかったけど、1ヶ所で滑って転びそうになった・・・。 |
【15時32分】 | やっと、雪が無くなった・・・。 |
【15時42分】 | ゴール! まる8時間もかかってしまった・・・。 |