今回は『霧ヶ峰をガッツリ登山!』の最終回です。前回までを読んだ方は、一見ペース良く鷲ヶ峰まで登ったようでしたが、実は結構ギリギリな時間でした。果たして当初予定していたコースでを歩けるのか? それとも途中で8つのピークの登頂を諦めるのか? 結果は本文にて・・・。
1回目、2回目を読んでいないかたは、下記にリンクを張っておきます。
山行データ
山行日 | 2020年11月21日(土) | ||
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コース | 車山肩駐車場〜車山〜車山乗越〜殿城山〜南の耳〜北の耳〜大笹峰〜男女倉山(ゼブラ山)〜八島ヶ原湿原〜鷲ヶ峰〜八島ヶ原湿原〜旧御射山神社〜蝶々深山〜車山湿原〜車山肩駐車場 | ||
山 名 | 車山(1925m) 殿城山(1801m) 南の耳(1838m) 北の耳(1829m) 大笹峰(1807m) 男女倉山(ゼブラ山)(1776m) 鷲ヶ峰(1798m) 蝶々深山(1836m) | タ グ | |
山 域 | 霧ヶ峰エリア | 累積標高 | (+−)1,074m |
歩行距離 | 20.7km | 所要時間 | 8時間07分 |
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マップ
高低グラフ
山行記録
鷲ヶ峰山頂到着。男女倉山でコースタイムを確認したら、ここに到着するのは13時30分くらいになる予定だったけど、頑張って少し早く到着出来た。
山頂にある方向版。円の縁にそれぞれの方向の山名が書かれているようだが、かなり薄くなって、判読するのはかなり難しそうだ。
予定ではここ(山頂)で昼食を食べようと思っていたけど、風が強く断念した。と言うか、実はここに来るまでに昼食を食べるのに適している場所があり、そこに目を付けていた。
そうと決まれば話は速い。さっさと下山しよう。
登る時は富士山を背にしていたので、下りはは富士山を正面に見ながら進むことになる。やはり富士山はどこから見ても富士山だよな。
霧ヶ峰全体に言えることだが、大きな木はあまりない。そんな中、ここに1本の木があった。松の仲間だろうか 地を這うように枝を伸ばしている。常に風が吹いているせいかあまり上には成長出来ないようだ。しかし、ここなら、他の木で光が遮られる心配もないので、上に伸びる必要はない。
八島ヶ原湿原が一望出来るところまで下ってきた。ハートに見えます?
ゲートまで戻ってきた。
分岐がある。
上の写真のすぐ脇に、道が広くなっているところがあり、ご丁寧に椅子兼テーブルもある。展望こそないが、その分風もなく温かい。
よし、ここで、昼食にしよう! と思ったけど、その前にこの先のルートを確認する。
実は男女倉山でコースタイムを確認したとき、今回登る予定だった8つのピークの内の最後の2つ、つまり鷲ヶ峰か蝶々深山のどちらかを諦めなければならないと薄々考えていた。なので、ここ鷲ヶ峰を登ったあとは最短のルートで車山肩に戻るつもりだったけど、思っていたより早く進んでいるので、もしかしたら蝶々深山にも登れるかもしれないと思い始めた。
この先のルートも、山と高原地図に書かれているルートだと少し遠回りになり16時までのゴールは難しいと思うけど、国土地理院の地形図には山と高原地図には書かれていないルートがあり、こちらのほうが無駄が少ない、しかし、そのルートがどのようになっているのかは、現場に行くまではわからない。
とりあえず山と高原地図と国土地理院の地形図のルートが分岐するところまで行ってみることにした。
なので、食事は中止。半分残っていたチョコレートを口いっぱい頬張って先を急ぐ。
先程の分岐から10分ほど下ると、八島ヶ原湿原の入り口に出る。
ここで初めて八島ヶ原湿原がハード型をしているのを知る。そして、これが書かれた石は恐らくその八島ヶ原湿原のカタチになっているものと思われる。これは帰宅後写真を見ていて気付いた。現場で気付いていたら、もう少し引いて撮っていたものを・・・。
なるほど、ここは天然記念物なのか・・・。
湿原をほぼぐるりと廻る木道がある。湿原の南から東に向かうルートが、2重になっているようだ。より湿原に近い、つまり湿原の縁を進むルートと、その少し上を進むルートがあり、ここから湿原の縁を進むルートは一段下がらなくていけなく、ここの入り口から高低差の無い、つまりこれ以上下らなくてよい一段上の木道を歩くことにした。
難しい事を言っているようだが、ようは、これ以上下りたく無いってことだ。下るってことは、必ず後で登ることになるのだから・・・。
それに少し高いところを歩くことになるので、湿原の全体が見渡せる。
木道が終わった
あれ? 山小屋? 行き止まり? どこで間違えたんだろう?
とりあえず引き返す、しかし、5mほど戻ったところで、どうも腑に落ちないので、地図で確認する。やっぱり、ここを直進することになっている。
再び戻って先程の山小屋の奥の方を確認すると・・・
・・・あっ! 奥に道が続いていた。
この後、もう1本の橋を渡ると古そうな神社、というか祠がある。諏訪神社の末社なのか、ちゃんと4本の御柱もある。
でも、何でこんなところに・・・。今でこそ道路が出来ているので、近くまで簡単にくることが出来るけど、それがなければ、ただのだだっ広い草原のようなところだぞ。特に地形的に変わったようなところにも思えないし・・・。
なになに、解説板がある。
頑張ってなんとか解読しました。間違っている箇所もあるかもしれませんが、最低限の内容は理解できるんじゃないかと・・・。
旧御射山(もとみさやま)
霧ヶ峰一帯は旧石器時代の遺跡が多く、また国内有数の黒曜石の産地です。ここは旧御射山といい、諏訪神社下社大祝金刺氏の禁猟地で太古から御射山祭が行われた所です。
鎌倉、室町時代は信濃武士、鎌倉武士が参加する全国的な大祭として盛大でした。『諏訪大明神画詞』から中世の下社御射山祭を想い描いてみましょう。
旧暦七月廿六日、大祝、神官社人、御頭役(祭の当番)一行が山に登り尾花(ススキ)で葺いた穂屋(ほや)に五日間籠りました。周囲に見える人工の土壇は、穂屋の敷地跡です。別名穂屋祭りと言われる由縁です。この頃ちょうど二百十日に当るので、雨風を鎮め五穀豊穣を祈るため狩猟を行い、その幸を山宮の神に供えました。この間奉幣、狩猟、饗膳(神と人が相嘗(あいなめ)する式)があり、廿九日の矢抜きの儀には鹿を射止めた者に、尾花を添えた尖矢(とがりや)が授けられました。
参集の武将たちは小笠懸(こがさかけ)、相撲、草鹿(くさじし)、武射、揚馬など競い馬乗に秀でた諏訪の武士は名声をあげ人々の心を引き付けました。また鎌倉幕府の篤い崇敬により諏訪神の武神としての信仰が確立したといわれています。
諸国から白拍子、田楽、巫女、呪師などが山に群集し、祭場は里のような賑わいであったと和歌にも詠まれています。この祭を機縁に諏訪神が広く勧請されていきました。各地の諏訪神社の多くが廿七日を祭日としているのも故あることです。
江戸時代の中頃、御射山の祭場は秋宮近くの山中に遷され、以来旧御射山は遺跡地となりました。ここに鎮まる石祠を「本御射山神社」といい、建御名方神をお祀りしております。
付近には清水が湧き、風そよぐススキは秋の稔りをほうふつさせます。旧御射山は諏訪大社下社の山宮、水霊の籠るお山であり諏訪信仰の原点です。尾花ふく 穂屋のめぐりのひとむらに しばし里あり 秋の御射山 下社大祝、金刺盛久
本御射山神社社務所
ススキ箸 見たばかりでも 涼しいぞ 小林一茶
雪散るや 穂屋のススキの 刈り残し 松尾芭蕉
神社の前にも分岐がある。インターチェンジ? 強清水? どこだ? 行き先がよくわからないので地図に従うことにした。
また、すぐに分岐だ。左が沢渡・車山とあるのでそっちに行く。ちなみに直進がインターチェンジ・強清水とある。
車道に出た。でっかいダンプカーも通り過ぎていった。
砂利道が終わって、舗装路になるところに分岐がある。ここが山と高原地図に出ていない分岐だ。道標のようなものは一切無いけど、踏み跡はしっかりと付いている。地形図と、念の為にGPSでも確認する。間違いない。ここを直進すると沢渡経由で車山肩に行けるはずだ。僕はまだ蝶々深山を完全には諦めていないのでここを左に入る。
かなりの笹ヤブだけど、踏み跡はしっかり付いている。
森を抜けたら一気に目の前が開けた。地形図で確認すると、右のピークが蝶々深山で、ルートは左に1,792mのピークを越えて、蝶々深山の稜線尾根に合流するらしい。
振り向くと八島ヶ原湿原が眼下に広がっていた。それにしても、今日一日で色んな角度から見たなぁ。
この辺りが1,792mのピークかな。ここを越えると少し下っている。
遠くに物見岩が見える。
ここで稜線尾根に合流。
蝶々深山の山頂直下までは足元がドロドロで歩きづらい。
蝶々深山の山頂の一角までくると、車山が見えた。
よしっ! ここが最後のピークだ。とりあえず、予定していた8つのピークを回れたので良しとしよう。
ここまでくればゴールの車山肩まで1時間は掛からないはずだ。なんとか16時までにはゴール出来そうだ。
そう思った途端、急にお腹が空いてきた。そういえば、m&mを1袋と水しか飲んでいない。ここで持ってきていたカップ麺を食べようと思ったけど、じっとしていると寒いので、ゴールを優先することにした。
太陽がだいぶ傾いてきた。あの山の向こうに落ちたら一気に暗くなり、気温も下がる。太陽が出ている内にゴールしなければ・・・。
蝶々深山からの下りは岩がゴロゴロしていて歩きづらい。お腹が空いているせいもあり、身体全体に力が入らない。足の踏ん張りも効かなくなっているので何度も滑ってコケそうになる。
下りきったところに分岐がある。ここを右に曲がると沢渡に行く。もし、国土地理院の地形図に書かれていたルートがだめだった場合は、沢渡経由でここから蝶々深山に登ることになっていた。そうすると、再び同じルートで下山しなくてはならなくなるため効率が悪い。時間も掛かる。なので、地形図の地形図のルートがだめだった場合は蝶々深山を諦めるつもりだった。
なので、ここでは曲がらない。ここで曲がったら引き返すことになる。ここから車山乗越までの途中にもう1箇所分岐がある。そこの分岐は直接車山肩に向かうのでゴールまでの最短ルートだ。
蝶々深山を下って、少し登り返したところにも分岐があり。ここが車山肩へのルートだ、
分岐で振り返る。右寄りのピークが蝶々深山で、そこから真っ直ぐ下って、少し登り返したところに分岐がある。ここからは車山湿原の脇を通るので木道がある。木道は足に優しいので、ありがたい。
もう、ここまで来たらゴールはすぐそこなので・・・
・・・遊んでみる。
右上の稜線上にあるワシャワシャのすぐ裏が車山肩の駐車場だ。
鹿の声がするのでそちらを見ると、数匹の鹿がいた。かろうじて写真に撮れたのがこの2匹。2匹いるの分かります?
木道が終わると稜線までの最後の登りだ。あと一息!
登り切るとすぐ正面にバイオトイレがある。今朝入っていったところだ。
トイレのすぐ裏が駐車場だ。つまりゴールだぁ! なんとか16時前にゴール出来た。
駐車場に隣接して食堂&お土産売り場がある。こんなご時世なので、早く閉まる可能性もあるので、とりあえずザックを車に放り込んで、お土産屋に急ぐ。そう、山バッジを買うためだ。まだ、お店はやっていた、山バッジはどこかなぁ? と探していると、ある張り紙の文字が目に入った。正確な文言は忘れたけど、あなたが振り向いたところにバッジごあるよ、みたいなことが書かれている。果たして、僕はその場で振り返ってみたら、あった、正面に、なんで気が付かなかったんだろう? というところにあった。恐らく、僕と同じ経験をした人は多いのではなかろうか? お店の人もざんざん、バッジは何処だ? と聞かれたのでこのような貼り紙をしたのだと思う。
バッジは色々な種類があったけど、オーソドックスなものを1つ購入した。とりあえず、無事にゲット出来て良かった良かった。
今日は諏訪市内に1泊、宿を取っている。1泊して明日は半日だけだけど、諏訪観光を考えている。せっかくここまで来たのだから山だけではモッタイナイ。
なので、この山旅は続きます。諏訪観光では、山人にとっては関係なくもない場所を訪ねます。僕もすっと気になっていた場所です。ある意味こっちの方がメインだったかもしれません。その時の様子は次回に続きます。