今年の7月13日から2泊3日で予定していた前穂高岳への山行は、悪天候の為に小梨平に1泊2日のキャンプに変更を余儀なくされてしまいました。今年は今までに無く途中リタイア&予定変更が相次いてしまい、どうも消化不良気味なんで、再び前穂高岳にチャレンジしてきました。
当初は2泊3日の予定でしたが、台風の接近があったために1泊2日に変更しての前穂高岳にチャレンジです。
また、今回もGPSが途中で切れてしまいました。高島トレイルのGPS切れ事件、前回の(丹沢)大山〜のデジカメのデータが壊れてしまった事件、そして今回再びGPSが切れてしまった事件、と3回連続でデジタルデータの破損が続いてしまいました。過去の山行で、自分でGPSのスイッチを入れ忘れた1回を除けば、GPSが切れた(衛星の捕捉不備は別)事もデジカメのデータが壊れた事も一度もありませんでした。それが今回に限って3回連続であるなんて、呪われているとしか思えません。
でも、原因が分からないわけでもないです。まず、GPS切れは乾電池に問題があるのだと思います。高島トレイルの時と今回はGPSの乾電池にエナジャイザーの充電池を使用しました。この乾電池はGPS(GARMIN GPSmap 60CSx)と相性があまりよくないようです。バッテリーが残っているのに4〜5時間程度で電源が勝手に落ちてしまうようです。
ちなみに、前回の大山の時は今までと同じようにエネループを使用しています。デジカメのデータが壊れてしまった問題も原因に心当たりがあります。今まではメモリーカードには全てサンディスク製のものを使用していました。それで、一度も問題は起きていませんでしたが、大山の時はWi-Fi機能のついたPQI Airというメモリーカードを使用しました。それが問題だったようです。撮影自体は、最初の初期化に手こずりました(初期化しても初期化して下さいというアラートが上がってしまい、数回初期化を繰り返してようやく使用可能な状態になった)が、普通に撮影出来ていました。帰宅後もiPhoneにデータを移すために一度は問題なく全てのデータが表示されていました。そして、いざ、Mac本体にバックアップを取ろうとした時にはすでに160枚くらい撮影していたのに3枚しか認識しなくなっていました。今回の問題の教訓としては、信頼のおけるものを使え! ということですね。なので、これからも乾電池はエネループ(最近会社が変わってちょっと心配・・・)、メモリーカードはサンディスク製を使用します!
山行データ
山行日 | 2013年09月14日(土)〜15日(日) | ||
---|---|---|---|
コース | 【1日目】(スタート)上高地~河童橋〜岳沢小屋〜紀美子平〜前穂高岳〜紀美子平〜岳沢小屋(ゴール) 【2日目】(スタート)岳沢小屋~河童橋〜上高地(ゴール) | ||
山 名 | 前穂高岳(3090m) | タ グ | |
山 域 | 北アルプスエリア | 累積標高 | 【1日目】(+)1.032m(-)107m 【2日目】(+)66m(-)695m |
歩行距離 | 【1日目】5.933km 【2日目】4.897km | 所要時間 | 【1日目】9時間32分 【2日目】1時間51分 |
関連記事 |
注)途中でバッテリがー切れた為に、途中までしかGPSを記録することが出来ませんでした。なので、赤字は途中までのデータです。
トレッキング【1日目】
【08時16分】
当初の予定としては2時半に起きて3時出発で6時には沢渡到着、7時前にはここ上高地バスターミナルに到着している予定でしたが、実際には起きたのは3時50分で、慌てて準備して4時5分、約1時間遅れでの出発になってしまった。んで結局、上高地バスターミナルに付いたのは8時ちょっと過ぎ・・・。ただでさえ2泊3日の予定を1泊2日に縮めたのに大丈夫なのかこんなんで???
【08時17分】
早速、登山計画書を投函した。
【08時18分】
いつもはバスターミナルから河童橋までは林間コースを歩くけど、今日は珍しく梓川コースで梓川のほとりに出る。目の前に、今日歩く予定の岳沢が見えた。
【08時22分】
河童橋。いつもより少し遅いので、人が多い・・・。
【08時22分】
河童橋からの穂高連峰・・・
【08時22分】
・・・振り向くと焼岳。
【08時25分】
岳沢ズームイン! ちょっと分かりづらいけど、中央右寄りに岳沢小屋(旧岳沢ヒュッテ)が見える。
【08時26分】
サル、サル!
【08時27分】
毛づくろいしてる・・・。
【08時37分】
岳沢への分岐。
【08時37分】
結構人気のコースなのかな? 何人かの人が入っていった・・・。
【08時42分】
コースタイムで、河童橋から2時間半なので、岳沢小屋には11時くらいに着く予定。寝坊していなければ10時には着いていたのに・・・。
【08時47分】
時折このような標識がある。現在地及び岳沢小屋までの時間が書かれている。
ここは「岳沢原生林(1590m)」。
【08時55分】
やたら倒木が多い所があった。
【08時56分】
岳沢小屋まであと90分。
【09時06分】
風穴(天然クーラー)と書かれているけど、実際の風穴まではちょっと離れている。
【09時08分】
「岳沢名所 天然クーラー 風穴」は一段高い所にあるために、ルート上からは直接穴を覗きこむことは出来ない。時間に余裕があれば、穴のそばまで行きたかったけど、時間が無いのでパス。
【09時11分】
ゴゼンタチバナ。もう花期は終わっていますね。
【09時18分】
樹林帯から抜けて岳沢のガレ場に出た。目の前に穂高の峰々が・・・。
【09時28分】
再び樹林帯に突入。このあとは沢と樹林帯の際を進む。
【09時28分】
登山ルートを整備するための道具類だろうか???
ここまで歩いてみて感じたことに、ここの登山ルートはとても歩きやすいと感じた。登山道が他とはちょっと違う印象だ。とにかく高い段差がほとんど無い。階段も一段一段が低く作られていて歩きやすい。小屋のスタッフが整備を行っているのだろうか? とにかくここのルートを整備している人たちに感謝です。
【09時30分】
中間地点(1803m)
【09時32分】
あざみ。
【09時55分】
トリカブト。
【09時55分】
石階段(1960m)
【10時01分】
文字通りの石階段が続く。でも前述の通り段差が低いので歩きやすい。
【10時10分】
胸突八丁(2030m)。ここからちょっと急になる。
【10時27分】
小屋見峠(2130m)。時期はずれのこいのぼりがお出迎え。でも地形的には「小屋見峠」というより「小屋見台」という感じ。
【10時27分】
小屋が見えた。
【10時29分】
今まで登ってきたのが岳沢の左岸、小屋は右岸側にあるので、小屋の少し下で岳沢を渡る。
【10時31分】
沢の真ん中から上流を見る。
【10時31分】
こっちは下流側、遥か下に上高地が見える。
【10時39分】
岳沢を渡って右岸の樹林帯を直登すれば・・・小屋まであとチョット。
【10時39分】
岳沢小屋到着。
正直言ってこの時は、今日中の前穂高岳へのピストンは不可能だと思い、仕方ないので、岳沢で一泊して明日(翌日は台風接近のため雨予報)下山しようと思っていた。しかし、受付で小屋の人と話すと、翌日は間違いなく天気が崩れるので今日中にピストンしてきた方がいいですよ、とのこと。この時間からでまだ間に合うか聞いたら、まだ大丈夫とのことなので、やっぱり前穂に向かうことにした。
【10時48分】
そうと決まれば、ユックリはしていられない。キャンプ指定地に向かう。
【10時49分】
岳沢小屋のテント場は岳沢の左岸側にあるので、再び岳沢を渡る。
【11時09分】
とりあえず、大急ぎでテントを立てる。このまま前穂に向いたかったけど、一度テント内に転がりこんで、休憩&軽い食事(行動食をつまむ)をして・・・
【11時36分】
・・・前穂に向かう。結局、テント内で30分もユックリしてしまい。決して早くない時間のスタートとなる。コースタイムで往復約6時間。なんとか暗くなる前には戻れそうだ。
ここからはサブザックに必要最小限のものだけを詰め込み、ヘルメットをかぶる。ストックは自分のバランス感覚を重要視してテントに置いていく。
【11時36分】
さぁ、行くぞ! 重太郎新道!
【11時52分】
最初は緩やかなジグザグ道を進む。次第に前方に壁のように立ちはだかる岩が見え隠れするようになる。
最初の岩場・・・とは言ってもまだここは序の口。というか公園のジャングルジムより簡単。
とは言うものの、ここから先は写真はめっきりと減ります。危険なところではカメラなんて出している余裕はありません・・・。
【12時09分】
なんだこの程度なら楽勝だな・・・。なんて鼻歌混じりで歩いていると、段々と難易度の高い岩場が出てきた。でも、まだこの辺りはそれほど危険や恐怖を感じない。
【12時12分】
重太郎新道と言えばこのハシゴ! と言うくらい有名なハシゴ。でも、しっかりと岩に固定されていて、手もしっかり握れて、足場もしっかりしているので、ウワサほど怖くも危険もなかった。
【12時21分】
ちっちゃい木のハシゴもある。
先程から登る人に会うことは一切無いけど、下ってくる人とは結構な人数とすれ違っている。ルートが狭いのでその度に先に降りてもらうようにしていた。まぁ、すれ違いを待っていることにかこつけて休憩しているだけだけど・・・。
下ってくる人たちに聞かれることが多いのが、岳沢小屋はまだか? と言うことでした。ほとんどの人たちが、もう、足が限界だ! と言っています。この先にはどんな過酷なルートが待っているのか不安が過ります。と同時にここからは足の筋肉に負荷をかけないような歩き方にしました。
【12時22分】
一部、登りルートと下りルートが分かれているところもあります。
【12時29分】
再び合流。
【12時40分】
2連のハシゴの下の方と・・・
【12時42分】
・・・上の方。ここもハシゴがしっかりしているので不安はありません。
【12時48分】
ここの岩場ではアンザイレンしている人たちとスレ違いました。距離も長いので結構長い時間停滞していました。いざ、自分が登ってみると、思ったよりも楽に登れますが、落石を起こさないように歩くのに神経を使いました。
【13時33分】
樹林帯を抜けた。
【13時48分】
基本的にはガスっていますが、たまに晴れることもある。
【14時00分】
雷鳥広場・・・
【14時00分】
・・・残念ながらここでは雷鳥には出会えませんでした。だけど・・・。
この少しあと、足を温存しながら歩いてきたけど、高いステップを登ろうと左足を上げたら攣(つ)りそうになり、慌てて足を伸ばす。激痛が走ったけど、数分じっとしていたら何とか痛みが収まった。ふ〜、びっくりした。しばらくは左足をかばいながらの歩行だったけど、左足をかばいながら歩いていたために、今度は右足が攣りそうになる・・・。一瞬リタイヤが頭を過ぎったけど、落ち着いて考えると、それどころじゃなくて、岳沢まで下れるかどうかが問題だ・・・。でも、しばらくその場で立ち止まってじっとしていたら、なんとか歩ける程度には回復したので、さらに慎重に歩を進める。
【14時03分】
おっ! 稜線までハッキリ見えるようになった・・・
【14時07分】
・・・と、同時に先のルートがずっと見渡せるようにもなった。
で、ここのどこを歩けと??? 一応岩に白ペンキで◯が書かれているので、道に迷うことは無いけど、先に人が歩いていなければスケール感が分からない・・・。
【14時27分】
肝を冷やしつつ、何とか紀美子平まで到着した。岳沢小屋から約2時間50分。ほぼコースタイム通り。
【14時27分】
「平」と言うからもう少し広い場所を想像していたけど、思っていたより狭かった。ここは同時に、奥穂への吊尾根と前穂との分岐になっている。前穂に寄る人はザックをデポしている。自分はサブザックで荷物も最小限しか入っていないので、背負ったまま前穂に向かうことにした。
山頂へ向かおうと歩き出したら、同じヘルメット(色違い)をかぶった一人の男性が降りてきた。話を聞くとこの人は5峰、明神岳と縦走してきたらしい。ルート上には懸垂下降が必要な場所もあるということなので、オレには無理だ〜。
【14時31分】
奥穂への吊尾根。
【14時35分】
コースタイムでは、紀美子平から山頂までは30分とあるけど、とてもじゃないけど初めてでここを30分で登るのは無理だ・・・。何回か登っていれば可能だと思うけど・・・。
それにしても前穂の山頂はなかなか確認出来ない。
【15時12分】
あとチョット。と言うところで、少し前に抜かれた人が下ってきた。お話しを伺うと、今日は天狗ノ頭でテン泊するらしい・・・。ここからコースタイムで約5時間もかかるのに・・・すっげーな・・・。
この後の急登で何度か岩に頭をぶつける。そのほとんどは軽くコツンといった具合だけど、一度おもいっきりゴツンッ! とぶつけてしまった。ヘルメットをかぶっていなかったら目から火花が飛び出ていただろう・・・。初めてヘルメットが役に立った。やはりこのルートでヘルメットをかぶって来て正解だった。とは言うものの実際にヘルメットをかぶっているのは多く見積もっても3〜4割程度、いや、もっと少ないかな? でも、自分は少しでも必要だと思ったらこれからもヘルメットをかぶっていこうと思う。
【15時18分】
あっ! もうコレ以上は高い所はないぞ。
【15時18分】
前穂山頂! でも、展望は全くなし。30分も粘れば絶景を楽しむことは出来ただろうけど、時間的にそんなにユックリはしていられない。
【15時19分】
三角点。
【15時19分】
山頂は細長いので、ちょっと奥まで行ってみる。あれ? あっちの方がここより高そうだぞ・・・。
【15時20分】
山頂にはテントを張れそうな整地されたところがある。強者はここにテントを張るらしい。
【15時24分】
山頂を一周してサッサと下山の途につく。滞在時間約5分。
【15時25分】
ここを真っ直ぐに行けば明神岳?
【15時27分】
なんか、足元で動くものがあったと思ったら、雷鳥だった。以前に南アルプスで見たことがあったけど、北アルプスでは初めてだ。
【15時58分】
紀美子平に戻ってきた。
【15時58分】
さぁ、ゆっくり下るぞ!
【16時12分】
このハシゴ、チョット怖い。
【16時17分】
雷鳥広場通過・・・。
この少し後で外国人2人組とすれ違う、これから何処までいくのだろう?
【16時34分】
また、チョットガスってきた。
【16時42分】
岳沢パノラマ。なっ何も見えない・・・。登りでここを気が付かなったのは、この石に腰を下ろして休憩している人がいたから・・・。
【16時45分】
鎖のある急な下りを下る。
【16時54分】
さらに下る。
【17時01分】
今度は2連ハシゴ。
【17時04分】
今下ってきた2連ハシゴを振り返る。
【17時09分】
カモシカの立場。ここも、登りで気が付かなかったのはこの石に座って休憩している人がいたから・・・。ちょっとガスが晴れたけど、縁まで行く元気は無い。
【17時11分】
下り分岐。
【17時15分】
再び合流。
【17時21分】
長いハシゴを見下ろす。
【17時23分】
そして、見上げる。
【17時24分】
こんな狭い所も通る。横に広い人はチョット窮屈かも・・・。
【17時27分】
あっ! 岳沢小屋が見えてきた。
【17時36分】
最後の岩場。ココを抜ければ危険な箇所は無くなるので、チョットほっとした。
【17時43分】
テント場まであとチョット。
【17時48分】
本日のゴール! 何とか暗くなる前に戻ってこれた。
テントに入る前に、一度小屋に行って、ビールを購入。トイレを済ませて、水の補給をしてテントに戻る。
【18時38分】
周りがそろそろ就寝体制に入ったようなので、素早く食事を済ます。今日は「豚キムチうどん鍋」、まぁ、手っ取り早く言うと「男鍋」っていうこと。
夜の11時頃から断続的に雨粒がテントを叩いた。午前2時、先ほど飲んだビールのせいか、トイレに行きたくなった。雨は上がっているようだけど、ダウンをはおり外に出る。当たり前だけど真っ暗・・・。ヘッドランプの明かりを頼りに小屋に向かう。歩き始めて3分もしないうちに雨が降りだし、すぐに本降りになった。20分近くかかって小屋を往復。再び眠りに就く・・・。
トレッキング【2日目】
【08時16分】
二日目起床・・・。雨は降ったり止んだり、その合間を縫ってテントを回収。途中グループの人達の写真を撮る。
【08時17分】
下山開始の前に穂高連峰を振り返る。
【08時33分】
一度小屋に寄る。先ほど写真を撮った人たちがこれから下るところだった。トイレを済ませ、自分も下山開始! 雨は降っているけど、レニンウェアのジャケットだけ着用する。
【08時34分】
さぁ、上高地に向けて出発。雨が降っているので足元に注意して下る。
【08時36分】
岳沢を渡り、左岸側に・・・。
【08時38分】
左岸側の取り付き。
【08時40分】
小屋見峠で小屋を振り返る。
【08時59分】
上高地も見えてきた。
ガレ場の少し下で、
【09時10分】
なぜか、散乱するきのこたち・・・の謎?
【09時33分】
風穴。昨日は時間が無かったので寄れなかったけど、帰りはノンビリなので、穴のある所までよじ登って手を突っ込んでみた・・・。季節や時間が関係するのだろうか? ちょっとヒヤッとするくらいで冷たい風のようなものは出ていなかった。
【09時46分】
倒木地帯。
【09時47分】
木道。なんか面白い模様だと思った。初めは滑り止めの意味で付けられていると思ってよく見たらチェーンソーで切った跡だった。
【10時04分】
さぁ、ここまでくればあと少し。
【10時05分】
岳沢登山口に出た!
【10時17分】
10分程で河童橋に到着。この時間はさすがに人出ごった返していた。でも、聞こえてくるのは中国語ばっか・・・。
【10時22分】
上高地バスターミナル到着! お疲れ様でした。
このあとバスで沢渡まで下る。沢渡にある日帰り温泉から出て牛乳を飲みながら(腰に手を当ててはいません)、休憩所にあったテレビを見ていると、うちの近所の川が台風の影響で溢れている映像が流れていた。思わずびっくりして、帰路を急いだ・・・。