今回は前回登ろうと思っていた山梨県の青木ヶ原樹海の中にある大室山に登ってきました。富士五湖の精進湖の北側から富士山を見たときに、その懐に収まるようにある山です。その様子(サムネの写真参照)から子抱富士などとも呼ばれています。
この山には過去に2度ほど登っています。基本的に一般的な登山道は無く、地形図で確認しながら登っていくことになります。しかし、全く道が無いというわけでもなく、薄い踏み跡はあります。過去の2回はそんなものはガン無視して登っていましたが、今回はなるべくその薄い踏み跡を辿ろうと思っています。あくまでなるべく、ですが・・・。
山行データ
山行日 | 2022年07月02日(土) | ||
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コース | (スタート)精進湖登山口(富士宮鳴沢線)〜富士風穴〜大室山のブナ林〜大室山山頂(1468m)〜大室山山頂(1447.5m)〜精進湖登山口(富士宮鳴沢線)(ゴール) | ||
山 名 | 大室山(1468m) | タ グ | |
山 域 | 富士・御坂エリア | 累積標高 | (+−)455m |
歩行距離 | 6.7km | 所要時間 | 3時間59分 |
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マップ
高低グラフ
山行記録
今回はギリギリここ(精進湖登山口(富士宮鳴沢線))に停められました。以前は簡単に停められたんですが、最近はすぐにいっぱいになりますね。
準備を済ませて、スタートです。今日登る山は過去に2回登っている大室山です。勝手知ったる・・・とまではいきませんが、ある程度地形は頭に入っていますし、ちゃんと地形図も持ってきています。それに今日は可能な限り、一般的なルートを辿ろうと思っています。シンプルな山なので、過去2回は好き勝手に登っていましたからね・・・。でも、シンプルな山とは言え、山は山です。気を引き締めて行きましょう。
緑がキレイですねー。
何となくなんですが、樹海の中はすでに秋の香りがします。標高もある程度あるし、樹林の中なので、下界の暑さをチョットだけ忘れることが出来ます。
恐竜の横顔に見えませんか? 種類で言うと、ティラノサウルスですかね、小さな前脚も確認できます。
モフモフです。
富士風穴。今回もスルーです。
チョット見にくいですが、大きな岩の上に木が着床しています。樹海はまだ若い森なので土が少なく、植物たちの陣地取り競争で負けたものは、こういうところででも頑張っています。
この先にブナの森が広がっています。
降り注ぐ緑がキレイです。自分まで緑色に染まりそうです。
ブナの森を過ぎるといよいよ、大室山の縁です。画面の右側が盛り上がってますよね。ここから大室山が始まります。
今回は出来るだけ一般ルートで進もうと言っておきながら、取り付き点だけは無視しました。一般ルートだと取り付き点が大室山の西側に回り込むように付けられていてチョット遠いです。なので、最短でゴリゴリ登っていきます。
そこそこ大きな谷(雨裂?)があります。その谷を左手に見ながら登っていきます。
そう言えば過去2回登った時は、こんな谷に出会っていないぞ? どこを歩いてるんだ? 僕は?
と言うわけで、地形図で確認する。なるほど、大室山の北東にもう一つ山がコブのようにくっついている。その境が谷のようになっている。もしかしたら、大室山とくっついている山では出来た時期が違うのかもしれないですね。うーん、ちゃんと植生を確認しておけばよかった。
先程は谷を雨裂と間違えたけど、ここは最初から谷でしたね。でも、季節によれば幻の川が出来ていたりしませんかね?
一般ルートだとここはルートから外れているようだけど、ピンクテープがあり、薄い踏み跡も付いているので、サブルートなのかな? とりあえずこのテープを信じてみた。
その結果、ピンクテープは所々途切れているけど、どうやらここが一般ルートのようだ。
先程から一般ルートと言っているけど、この山には明確な登山道はありません。道標も一切ありません。誰かが手を入れていたような跡はみられますが、それも不明瞭で所々途切れています。それを補完するようにピンクテープもありますが、これもやっぱり途切れています。なので、地形図は必須です。
樹林帯の中だから直接日光は当たらないものの、やはり暑い。蒸す。でも、標高が上がってくると涼しい風が通るようになり、少しは楽になった。
なんとなーく、道っぽく見えませんか? 恐らく以前誰かが山頂まで登山道の整備をしたんだと思いますが、利用者が少なかったからか? 整備を続けることが出来なかったからか? その道は自然に還ろうとしている。
緑に心癒されます。
ふう、やっと山頂の一角まできた。今日はいつもより時間が掛かっているように思う。
山頂到着ッ!
えっ? ここが山頂? って思うかもしれないけど、展望は全く微塵も無いです。富士山にもっとも近い山のひとつなんだけど、富士山は全く見えません。これは、葉が落ちた季節でもあまり変わらないですね。
では、なんでここが山頂だって分かるかと言うと・・・
・・・上の写真の右寄りの木に山頂標が付いているからです。
しかし、この山にはもう一つの山頂があります。ちなみに今いる山頂は北側の山頂です。
北側の山頂は前述した通り、展望はまったくありません。なのでここでは、軽く動画を撮ってもうひとつの山頂に向かいます。
北峰から南峰へのルートは比較的しっかりと踏み跡が付いているので、よっぽど、ぼーっと歩いていない限りルートを外すことは無い、はずなのにこれを外すのが僕の得意としていること。しかし、今回はその得意技を披露すること無く無事に南峰分岐まで来た。ちなみに前回この山を登ったときは、はかなり派手にルートを外してしまった・・・。
ちょっと分かりづらいけど、まっすぐ伸びているのがこの山の火口に向かうルートで、左に行くと南峰になります。ここの分岐はちょっと分かりづらいけど、注意深く歩いていれば見逃すことは無いと思います。北峰からは約10分程度です。
上の分岐から数メートル進むと大室山の南峰があります。ここはものすごく狭いです。三角点もありますが、今回は写真を取り忘れました。動画には写っています。
南峰から藪こぎのように少し進むと(僕が勝手にそう呼んでいる)展望台があります。そこからは正面に富士山がどーんと見えます。晴れていれば・・・ね。
下の写真は2015年10月に登ったときに撮ったものです。晴れていればこんな風に見えます。
厳密に言うと上の写真は大室山の南峰の展望台からではなく、そこから少し南にある第2展望台(これも僕が勝手にそう呼んでます)からの撮影です。そこからは富士山方向の展望に加え南側の展望も広がっています。ここからならキャンプ界隈で聖地の一つとされている、ふもとっぱらキャンプ場も見えます。
上の写真から視線を左に移動させると、以前登った長尾山が見えます。詳細は以下に
オートミール完結編
さて、ここからはここ数回立て続けにテスしている山頂オートミールです。縦走時やロングトレイル時の食事にオートミールが使えるんじゃね? という考えを元にテストしてきました。今回はその最終回、というか自分なりの結論に達したので紹介します。
まずは用意するものとして、
1・オートミール
2・フリーズドライのカレー
3・カップ麺(お椀で食べるシリーズ)
です。まぁ、これは基本として、カレーやカップ麺はカスタマイズ化です。
前回まではオートミールはあらかじめ米化して持ってきましたが、今回はそのまま持ってきました。そこに・・・
・・・フリーズドライのカレーをオートミールが入ったフードコンテナに直接入れます。前回はカレーを別の容器(タッパー)で解凍していましたが、洗い物が増えるだけなのに気がついて、今回は直接フードコンテナに入れています。
そこにお湯を注いで(この日は山専ボトルにお湯を入れて持ってきました)グルグルかき混ぜればカレーオートミールの完成です。
一口、パクッ! うわっ! 熱っ! さすがにこの時期、炎天下での熱々のカレーはキツいですね。本当はもっと寒い時期にテストするつもりでしたが、すっかり夏になってしまいました。まぁ、それは置いといて・・・。
結果、オートミールを米化して持ってこなくて正確でした。オートミールのプチプチ感が残っているので、食感がいいです。
食べ(飲み?)終わりました。当たり前ですが、容器は汚れたままです。そこで、次は・・・
・・・お椀で食べるシリーズのカップ麺を入れます。今回はカップヌードルのシーフード味です。カップヌードルにはリフィルシリーズもありますが、あれは大き過ぎてこのフードコンテナには入らない(もちろん砕けば入りますが)し、そもそも(僕的には)量が多過ぎます。なので、このサイズがちょうど良いです。
カレーが残っていましたが、気にせずお湯を注ぎます。シーフードがカレー風味になるかと思ったけど、それほど気になりませんでした。
カップ麺を食べ終わった後です。カレーを食べ終わった後に比べればかなりキレイなっていますよね。これなら、あとはウエットティッシュでサッと拭けば問題無いです。また翌日以降も気持ち良く使えます。
とりあえず、今回のシリーズでオートミールは使えそうだと思いました。また、このシリーズではフードコンテナを使っていましたが、これはあらかじめオートミールを米化することを前提で考えていましが、特に米化する必要もなさそうなので、普通の山用のコッヘルで十分ですね。シェラカップでもいけるかもしれません。これはオートミールと何を組み合わせるかで考えれば良いと思います。
そもそも今回はカレーとカップ麺でしたが、カレーの代わりにシチュー系でもいいですし、カップ麺の代わりにスープ系もオススメです。しかし、後のことを考えて、食べ終わった後が汚くならないものがオススメです。
食事を終えて、さて下山しようかと思って何気なく正面奥に見える片蓋山(近々登ろうと思っています)の手前にも、こんもりとしたものが2つあることに気がついた。ここも山なのか後で調べてみようと思う。
雲がモクモク。
展望台の様子を写真に撮ろうとしたけど、目の前の景色が広すぎて、うまく撮れない。360度カメラを持ってくれば良かったんだけど、こういう日に限って持ってきていない。
その代わりに南峰山頂から展望台までの道のりを写した動画はYouTubeにアップしています。
南峰付近には野バラやアザミなどトゲトゲした植物が多いです。間違って握ったりしたら大変なことになるので注意しましょう。
南峰の山頂標の近くに山椒がありました。葉を軽く揉むと、あの香りが鼻孔をくすぐります。この山椒は長尾山の山頂にもありましたが、誰かわざと植えているんですかね? また、これもトゲトゲ植物なので注意です。
こんな山の上なのに、うなぎが食べたくなった・・・。
下山は来た道を戻ります。過去二回登った時は、さらに南にある火口の底まで行きましたが、今回はサッサと下ります。と言うのも、天気予報で午後から天気が崩れると言っていたのと、火口まで降りると、下山するのにもうひとつ小さな山を登るくらいの体力が必要だからです。今日は暑くてその体力はありません。
過去に登った時は二回とも火口に降りているので、火口の底の様子を知りたい方は、以下のリンクを参照してください。
北峰に戻って来ました。ここからは一気に下ります。
た、その前に久しぶりにストックを出します。一年半ほど前に買って、一年くらい使ったら使用感を書こうかと思っていたけど、結局は買った時に2、3回使っただけで、それ以降は全然使っていませんでした。まぁ、裏を返せば、ストックを使うような山に登っていなかったってことですね。
どのくらい使っていなかったかと言うと、ストックの伸ばし方を忘れるくらいです。あれ〜? どうやって伸ばすんだっけ? と格闘すること約5分、やっと伸ばすことに成功しました。結局はただ引っ張ればいいだけだったんですけどね・・・。
大室山の縁にあるブナの森まで一気に下りました。途中でカミナリもゴロゴしていました。北峰から約45分掛かりました。
ブナの森を抜けるとすぐに、富士山への分岐です。ここを右に進むと富士吉田口の五合目に行けます。なので今日は左に進みます。
富士風穴。ここを少し入ると大きな穴が開いています。そこではケービンクの体験ツアーがあるようです。もちろん専門家が同します。たまにお揃いのツナギを着ている人たちを見かけます。
富士風穴を抜けると再びゲートがあります。ここを越えると・・・
・・・ゴールです。やっぱり大室山は面白い山ですね。もう少し暑さが治まったら再び登ろうかな・・・。