後編は登山開始からゴールまでです。
後半に入ってやっと登山開始です。大室山本体に取り付き山頂を目指します。基本的に登山道のようなものは無いので、ただひたすらテッペンを目指してゴリゴリ登って行きます。
この山は噴火して出来た山なので、山頂付近には火口もあり、底まで降りることが出来ます。
山行データ
山行日 | 2020年11月07日(土) | ||
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コース | 精進湖登山口(富士宮鳴沢線)〜富士風穴〜大室山のブナ林〜大室山の縁を一周〜大室山山頂(1468m)〜大室山山頂(1447.5m)〜噴火口〜本栖風穴〜精進湖登山口(富士宮鳴沢線) | ||
山 名 | 大室山(1468m) | タ グ | |
山 域 | 富士・御坂エリア | 累積標高 | (+−)641m |
歩行距離 | 11.5km | 所要時間 | 5時間18分 |
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マップ
山行記録《前編からの続き》
大室山を一周しました。と言いつつ、厳密に言うと一周はしていません。このページの上にあるマップを見ていただくと一目稜線ですね。もう少しで一周出来たんですが、あとは遊歩道を歩くだけなので、あまり気にしません。
ここ(マップ上の紫の星マークの位置)から大室山に取り付きます。黄色のテープやピンクのテープがあるので、それほどとんでもない位置から取り付くのではないと思います。
ここからは、傾斜もきつくなるのでストックを使用します。
まずは、大室山の山頂から北東にまっすぐ伸びる尾根に取り付いて、そこからまっすぐ山頂を目指すつもりです。まっすぐと言っても、実際は傾斜がそこそこあるので、ジグザグにのぼりますが・・・。
山頂まであと少しっ!
チョイチョイこの黄色のテープがあります。とりあえず、大室山の南峰(大室山はゆるやかな双耳峰になっています)までは信じて良さそうです。
よしっ! もうこれ以上高いところは無いぞ。山頂の一角にいることは間違いない。でも、山頂標はどこだっけ?
少し、奥に行ったところに山頂がありました。
山頂標がどこにあるのか分かります?
ここにあります。上の写真では、中央奥の木に架かっています。ここは北峰で、最高峰になっています。
取り付きから山頂までは40分ほどでした。体感的にはもっと掛かったと思っていました。
山頂は狭く、展望も無いので、南峰に向かいます。北峰と南峰の間は薄く踏み跡があります。それと、先程の黄色いテープもあるので迷うことは無いです。とは言えません。僕は何度もルートを外しました。しかし、方向も分かっているし、一度来たことがあるので、多少ルートを逸れても問題ありません。
踏み跡が左右に分かれています。右に進むと、展望台を経て、火口に向かいます。左が南峰になります。
まずは南峰に寄るので左に進みます。
左に曲がって数メートル進むと南峰です。ここも藪藪で分かりづらいですね。
写真の右上に・・・
・・・山頂標があります。北峰より20mほど低いですね。
さらに進むと、三角点があります。三角点があるということは、ある程度展望が効くということですね。
ここから数メートル藪を掻き分けて進むと、正面に富士山が・・・
・・・ドーンと・・・見えませんね。
本来なら富士山が見れる特等席なんですけどね。まぁ、こんな日もありますよね。
前回来たときは、こんな感じで見えました。さすがに富士山に近いので、実際に見ると大迫力です。
分岐まで戻って、今度は右に進みます。
少し進むと、東から南にかけての展望が良い場所があります。勝手に展望台と呼んでいます。
右下に本栖湖、そして正面に見える山並みが天子山地(てんしさんち)です。たしか、富士山を一周するレースでは、あそこの稜線をずっと走るんじゃなかったでしたっけ?
一番高く見える山の向こう側が、ゆるキャン△の舞台の身延町になります。
一部をアップにしています。真ん中の1番高い山が大見岳だと思います。その右側にタカデッキ、大見岳の左にこの写真ではちょっと確認出来ませんが、毛無山の頭がちょっと見えています。
そこの麓に、この写真では少し尾根に隠れているけど、ゆるキャン△の聖地、ふもとっぱらキャンプ場があります。写真の左端になります。オリジナル写真で拡大するとテントがたくさん見えました。
さて、ここからどうしよう。予定ではピストンで戻るつもりだったけど、それじゃあ、つまらないので、火口に寄ることにしました。火口までは急な斜面を下らなくてはならないので、そこに行くということは、同じ道を戻ることは無い、ということを意味しています。
急な斜面を下って、火口の縁の1番低いところに来ました。特徴的な枯れた立木があるのが目印です。何故かこれだけはよく覚えていました。
火口を覗き込んで見る。ここを下って底に向かいます。ここからの斜面は今下ってきたところよりかなり緩やかなので、軽快に下りていきます。
底に着きました。特に穴が空いているとか、マグマが吹き出しているとか、水蒸気が噴出しているとか、硫黄臭いとか、温泉が湧いているとか、地底人がお出迎えしてくれるとかはありません。大きな倒木がありますが、それがなければフカフカの地面の草原です。ただしかなり狭いですが・・・。縁の直径でも100m強くらいしかないのではないでしょうか?
前回来た時はここで昼食にしたので、今回も南峰かここで昼食にする予定でしたが、余計に山を一周したせいで、予定よりかなり遅れています。今日の天気予報では午後から雨の予報なので、サッサと下ることにしました。
前回の時は火口の南西側、火口の縁の1番低いところから、山の側面に出ましたが、今回は同じルートだと面白くないので、下山時に寄ろうと思っていた本栖風穴まで一直線の線を引き、なるべくその線に沿って進むことにしました。
この山の斜面は凸凹が少なく、比較的思い描いたルート通りに進みやすいけど、いたるところに倒木があり、行く手を阻んでいます。簡単に乗り越えられるような倒木は無いので、それを越えるには、倒木の上部を通るか、下部を通るか考えなくてはなりません。なので、なるべく早めに倒木を発見して、そこまでのルートを頭の中でシミュレーションする。これが楽しかったりします。
倒木の下部を通る時には、そう滅多にあることではないだろうけど、それが斜面を滑り落ちてくるかもしれないと、想像してしまいます。なので、通る場合はなるべく速く通り過ぎるようにしました。かといって、安全を優先して上部ばかり通ると、なかなか高度を下げられず、目的地の本栖風穴を通り過ぎてしまいます。
斜面を斜めに下り、ドンピシャで風穴にぶつかれば、それが理想です。実際にどうなったかは、このページの上の方にあるマップを見れば一目瞭然ですが、チョット通り過ぎてしまいました。どうしても、障害物があったらその上部を通ってしまうようです。
まずは、火口の縁に向かってゴリゴリ登ります。西側の小さいピークの少し北を目指します。藪が多く足下がズルズルするので登りづらいです。
しかも、途中で雨がパラパラと・・・、すぐに止みましたが。
ふう〜、やっと火口の縁まで登ってきた。ヘロヘロ状態で写真を撮ったのでブレブレです。
さて、ここから縁を越えて山の斜面を下るのは、藪が多くて無理そうです。前回はここの少し下をトラバースしましたが、大分苦労しました。
なので、とりあえず、等高線上に進みます。地形図を見ると目標の本栖風穴はほぼ真北にあります。つまり、山の斜面を真っ直ぐ斜めに下っていけばよいはずです。しかし、ここは陸上競技場ではありません。真っ直ぐ、しかも斜めに下って行くなんて簡単ではありません。凸凹もあれば、大きな倒木が何本も行く手を塞ぎます。でも、本栖風穴までは最短で行きたいです。よしっ、頑張ろう!
高度は落とさないように北に向かいます。今ここで真っ直ぐ下ると、前編の時に通った崩落地辺りに出るはずです。しかもそこまではかなりの荒れたところを突っ切らなくてはならないので、ここで高度を下げたくはありません。
それに、地形図を見ると、この辺りは荒地のマークが付いていますが、少し北に進むと広葉樹林のマークになります。地形図は山の形だけではなく、このように植生も書いてあります。広葉樹林帯に入れば歩きやすくなると思います。まぁ、厳密なところまでは分かりませんけどね・・・。
ほら、紅葉樹林帯に入りました。上の写真と比べると、だいぶ歩きやすそうですよね。
ここまで来れば、あとは本栖風穴まで一直線に下るだけです。こういう斜めに下る場合は足元ばかり見ていると、方向が逸れるので、なるべく遠くの目標を決めて、そこを目指します。そこに来たら、再び遠くの目標を設定して、という歩き方をしてます。でも、ズレますけどね・・・。
大きな倒木がゴロゴロ倒れています。
見事ですよね・・・。
ブナが増えてきました。山の北側まで来たということですね。
GPSで位置を確認しました。。。あれ? 本栖風穴・・・ちょっと通り過ぎちゃっている・・・。
山を下りきりました。予定より少し北よりに着いてしまったので、少し引き返します。
ふ〜、本栖風穴に到着。火口の底からちょうど1時間かかりました。思っていたより早かったですね。
本栖風穴はロープが張っていて、近くまでは寄れません。というか寄りたくないです。富士風穴は横穴でしたが、ここは竪穴でとても深いです。近くまで行って、足でも滑らせたら洒落になりません。反対側に行くと、少し穴を覗き込めますが、ちょっと怖いので今回はやめました。
考えてみれば、今日はスタートから水以外何も摂っていませんでした。ここでちょっと休憩です。
本栖風穴からは遊歩道があるので、ここまで来れば、かなり気が楽になりますよね。
あとは広い遊歩道を通って帰るだけです。
ゲートを越えて・・・
・・・ガードレールが見えたら、そこを左に曲がれば・・・
・・・ゴールです。
今まではずっと樹林帯の中を歩いていたので、全然気が付きませんでしたが、車のフロントガラスや道路がかなり濡れていました。結構雨が降っていたんですね・・・。
久しぶりの、地形図ニラメッコ登山でしたが、めっちゃ楽しかったです。たまにこういう登山をしなくては感が鈍りそうです。地形図を頼りに歩くということは、五感だけではなく、あらゆる情報、知識を総動員して歩かなくてはなりません。例えば、今回の場合だと植生の変化には特に気をつけていました。この木があるということは、ここにはこういう特徴がある場所だ、という感じです。
それにしても、この大室山は楽しい山です。山登りの楽しさを再認識させてくれます。また、色々と勉強をさせてくれる山でもあります。また機会があれば、今日とは違うコースで登ってみたいですね・・・。