皆さん、登山中の小物をどこに入れていますか?
例えば、登山地図(&コンパス)やスマホ、行動食、などのように、いちいちザックをおろさなくてもすぐに取り出したいモノってありますよね。
最近のザックにはウエストベルトにポケットが付いているものが多いです。でもこのポケット、ちょっとした小物なんかを入れるのには便利なんですが、小さかったり、チャックが開けにくかったり、決して使いやすいとは言えません。
そんな時、ザックとは別に小さなバックやポーチを使っている人は多いと思います。僕の場合は、山登りを始めた頃はウエストポーチくらいしかなかったように記憶しています(他のものを知らなかっただけかもしれませんが・・・)。しかし、最近ではチェストバッグやサコッシュなんていうのも出てきて、その選択肢は増えました。
僕も例に漏れず、登山を始めた頃はウエストポーチを使っていました。やがてもっと使いやすいモノはないのかな〜? と思い、色々なタイプの小物入れを使ってきました、
今回はそんな僕が、最終的に(自分にとっての)理想的な小物入れにたどり着くまでのお話をします。
僕がサコッシュに辿り着くまで
ここからは僕が現在使用しているお気に入りのサコッシュにたどり着くまでの流れを簡単に書きます。特に興味は無いよー、という方は、すぐ下のボタンを押すと、ひとっ飛びにおすすめサコッシュの項目まで飛びます。
ウェストポーチ
山登りを始めてすぐの頃はウエストポーチを使っていました。まぁ、これを知らないという方はあまりいないとは思いますが、念のためイラストをアップしておきました。(このページのイラストは『いらすとや』さんのものを使用させて頂きました、ありがとうございます)
このウエストポーチ、使ったことがある人は分かると思うんですが、意外に物が入らないんですよね。それに山登りで使う場合、足を大きく上げた時にかなりの確率で干渉するんですよね。特にお腹が出てたりすると・・・。
そんなわけで、すぐに使わなくなってしまいました。
ホーボージュン パスファインダー・チェストバッグ
次に使ったのが、当時ビーパルで紹介されていたチェストバッグです。確かホーボージュンさんが開発に携わっていたものです。始めて見た時、お〜! こんなものがあるのかっ! と速攻ポチってしまいました。
チェストバッグは最近ではパーゴワークスのものが有名ですよね。実はこのパーゴワークスさんのチェストバッグは僕が待っているパスファインダー・チェストバッグの発展系というか、純粋なる後継モデルなんですよね。その辺の詳細は以下のページで読めるので、興味ある人は是非読んでみてください、面白いですよ。
結局、このパスファインダー・チェストバッグは数年は使ったと思います。日帰りでの登山の時はあまり使いませでしたが、大きなザックを背負っている時、つまり一泊以上のテント泊山行の時には結構使っていました。ザックが大きいだけに、いちいち小物を取るのに下ろしたり背負ったりするのは面倒ですよねー。
しかし、このお気に入りのバッグともお別れしなくてはならない時が来ました。山登りも経験を重ねてくると、ザックの中に入れておく物と、すぐに取り出せるようにポーチに入れておく物とかはっきりしてきました。これは人によると思いますが、僕にとって、ザックを下さずに使いたい物って意外と少ないんです。そうなると、このパスファインダー・チェストバッグは大きすぎるんです。今なら確か小さいサイズも出ていると思いますが、当時は大きさは1種類しかありませんでした。チョットしか物を入れないのに大きなバッグは効率が悪いです。
それと、これも大きさに起因する事なんですが、これを胸元に付けていると足元が見にくくなります。山の中は大抵の場合は地面はかなり凸凹しています。なので、チョット不安な時もありました。
Osprey GrabBag(オスプレー グラブバッグ)
そんなわけで、次に使ったのが、チェストバッグのように身体の前面に配置しているけど、チェストバッグほど大きくなく、かつ、胸の前ではなくそれより少し下で少し横に配置するようになっているバッグです。場所的には脇腹辺りにあります。一見邪魔そうですが、腕とかにも干渉することも無いし、大きさも(僕にとっては)ちょうど良く、足元も見やすいし、かなり気に入りました。
このバッグ、かなり気入っていたんですが、僕の山行(旅行)の形態が変わって来て、あれ? なんかコレジャナインジャネ? 的な思いが大きくなってきました。具体的にどういうのが良いのかは分かりませんでしたが、もっと自分に合った物が必要になってきました。
ちなみに、上のパスファインダーとこのグラブバッグを(無理やり同時に)ザックに取り付けるとこんな感じになります。ちょっと分かりづらいですよね。
実はこの写真は10年以上前に撮影したものです。今回新たに撮影しょうと思ったんですが、バッグ自体はあるんですが、ザックに取り付けるためのアタッチメントが見当たらないので撮影出来ませんでした。
サコッシュ
そんな時に出会ったのがサコッシュでした。知り合いの登山家の人が使っていたのを見たのが最初だと思います。
初めは、なんか中途半端なポーチだなぁ、ぐらいにしか思っていませんでした。そんな僕がサコッシュに傾倒していくまでを書いていきたいと思います。でも、その前にサコッシュって何? という人のために簡単にその特徴を解説します。
サコッシュとは?
言葉で説明するより、このイラストを見てください。一度や二度や三度くらいは見たことはあるでしょう。最近では一般の人も使っているので、この名称も市民権を得てきていると思います。無印良品でも「サコッシュ」という名称で商品展開していますよね。
一言で説明すると、斜めがけする小袋、って感じでしょうか? 基本的にはマチなどは無く、ペラペラのものが多いです。しかし、最近では色々なバリエーションが出てきていますね。
四国お遍路
ここでふと、四国お遍路をしている人の装備の中にも似たものがあったなぁ、と思い出しました。調べたら『さんや袋』というらしいですが、まさにサコッシュですよね。
歩き旅の時の小物入れとして、この形状が理にかなっているっていうことを、日本では数百年前には分かっていたってことですね。
なので、サコッシュが最近の流行りなのかというと、そんなことはないってことですかねwww
サコッシュを導入してみて
ということで、僕が最初に導入したのがこのモデルです。最初は、登山マップ、コンパス、簡単な行動食などでした。
最初に使った感想は、思っていたよりブラブラしないなぁ、ということでした。その構造上、歩くとブラブラして邪魔なんじゃね? と思っていましたが、そんなことはなく、僕の脇腹でおとなしくしてくれています。
それと、位置的に物が取り出しやすく、思っていたより使いやすかったです。
だったら、パスファインダーやグラフバッグだっていっしょだろ? って思ったかもしれませんが、そうなんです。行動中に関して使い勝手はそれほど違いは無いんです。しかし、これらとサコッシュの一番の違いが、ザックを下ろす時です。パスファインダーやグラブバッグはザック側に取り付いているのに対して、サコッシュは自分側に付いています。
僕はロングトレイルが好きなので、行動中にコンビニなんかに寄ることがあります。その時は大抵大きなザックを担いでいることが多いので、そのままコンビニに入るのは邪魔になります。なので、通常はコンビニの外にザックを転がして、空身で入ります。その時、サコッシュだとザックを下ろした後に、カメラだけ持てばそのままコンビニに入れます。パスファインダーやグラブバッグはザックから取り外さなくてはなりません。また、再び行動する時はザック取り付けなくてはなりません。これって結構面倒なんですよね。なので、サコッシュのように自分側に付いていると、ザックを下ろして、そのまま次の行動に移れるのでかなり楽なんですよね。
そんなこともあり、次第にサコッシュの便利さにハマっていったんですが、僕の面倒くさがりは留まることがありません。次に面倒だと思ったのはチャックです。チャックが付いていると中の物が落ちない反面、中の物を出し入れするのにいちいち開閉する必要があるんですよね。その際、片手では開閉出来ないので、必ず両手を使う必要があります。それが面倒なんです。チャックがなければ片手で出し入れが出来るのにぃ〜・・・、と思い新しいサコッシュを探して出会ったのが『トレイルバム』の『タートル』でした。
おすすめサコッシュ(TrailBum TURTLE)
そこで出会ったのがこの『トレイルバム』の『タートル』というモデルです。
写真でも分かる通り、僕はこのモデルを色違いで3つ持っています。TPOに合わせて使い分けています、と言えばカッコ良いのですが、実際にはその日の気分でテキトーに使い分けています。
詳細は公式サイト(以下にリンク)で確認していただくとして、ここからは僕の個人的な使い方を書きます。
まず、構造ですが、袋にショルダーベルトが付いて、片面にはメッシュのポケットが付いているだけです。とてもシンプルな構造をしています。器用な人なら簡単に自作出来そうですよね。僕が作ったら入口の無いサコッシュが出来上がりそうですが・・・www
それと、問題のチャックなんかもありません。下の写真のように口の部分を折り曲げるだけです。これで中の物が落ちないの? と思うかもしれませんが、故意的にひっくり返さない限り中の物が出てくることはありません。というか、僕自身が使っていて出てきたことはありません。不安なら、折り返しの部分をメッシュのポケットの内側に入れてしまえば、かなり安心出来ると思います。それでも不安なら、この後でも説明しますが、口の部分にドロワーコードが付いているのでそれを絞って口を締めることも出来るので、それで安心出来ると思います。いやいや、まだまだ不安だという人は、鉄製の金庫でも担いで行ってくださいwww
通常は、袋の入り口側を折り畳んで使います。なので、これが通常使用している時のサイズです。横に『山と渓谷』を置いてみました。大きさがイメージ出来ると思います。
メッシュのポケットに入れてみました。
滅多に使いませんが、口の部分にはドロワーコードが付いていて、口を閉めることができます。こうなると完全に巾着袋ですね。
滅多に使わないと書きましたが、この機能を使うのは、テント場から温泉などに行くときに着替えを入れていきます。例えば、立山の雷鳥沢キャンプ場にテントを置いて、そこから温泉に行くようなときに使いました。テント場に隣接しているような温泉なら着替えを丸めてそのまま持って行ってもいいのかもしれませんが、雷鳥沢のように少し離れているような場合はこのような物があると便利ですよね。
ただし、女性の場合は化粧ポーチなど男性き比べると荷物が多いと思うので、そのような場合はこれ1つだけだとチョット足りないと思います。
ショルダーベルトは、長さが調整出来るようになっています。購入時には左の写真のような調整用のパーツが付いていて、それで調整は出来ます。しかし、決して使いやすいわけではないので、頻繁に長さを変えるようなことがなければ、固結びをして長さを固定してしまうのもひとつの手です。僕の場合は一番長い状態がちょうど良いので、長さ調整用のパーツも固結びもしていません。
このサコッシュを使い始めてもう4、5年経ちますが、今のところまだ不満はありません。まぁ、100%満足かというと、決してそんなこともありません。まだまだ使いやすいサコッシュはあるはずです。かといって、今のところはお金を払ってまで新しいサコッシュを試す気もありません。なので、まだ暫くはこのサコッシュにお世話になると思います。
最後に、このサコッシュに関してのエピソードをひとつ紹介して終わりにします。
僕は2019年にアメリカのジョン・ミューア・トレイルにセクションハイクですが挑戦しました。以下はその時のブログ記事の抜粋です。
最初こそ、その絶景に心躍らせていたけど、やがてその単調で気温の高いルートに、うぇ〜、と、なりながら進んでいると、トレイル脇の倒木に腰掛けたアジア系の人がいた。いつものように「Hello」と挨拶して通り過ぎようと思ったけど、何やら英語で話しかけてきた。2人の日本人の女の人を見ませんでしたか? と言っている。えっ? 普通に聞き取れた。すげ〜、英語が聞き取れるようになってるじゃん。やっぱり英語を話すには海外に出るべきだよな〜。なんて思いながら、その人をよく見ると、僕と全く同じサコッシュをしている。色も同じだ。基本、日本のメーカーなので海外の人が使っているとは考えづらい。まさかと思い、
【JMT本編】#06 ジョン・ミューア・トレイル3日目 ドノヒューパスを越えて
「Are you Japanese?」
と聞いてみる。続けざまに、
「I’m Japanese.」
「あっ! 日本の方でしたか。」
と日本語が返って来た。日本の方でした。
そうなんです。遠いアメリカの地で、偶然にもお揃いのサコッシュをしている人に会ってしまいました。このときのサコッシュが今回紹介したトレイルバムのタートルでした。日本では同じサコッシュをしている人を見かけたことはありませんでしたが、まさかアメリカで見るとは思いませんでした。これはロングハイカーにとって使いやすいってことですよね。
ちなみに、僕が考えている理想のサコッシュは、装備しているのを忘れてしまうくらい軽量で、チャックも無く、片手で取り出しでき、大量に入り、セキュリティもバッチリ、そんなサコッシュを探しています。ここで、おっ! それならあるんじゃね? と思った方は鋭いです。そうです、ドラえもんの『四次元ポケット』です。これが僕の理想のサコッシュです。しかし、残念なことに僕はこの『四次元ポケット』が何処で売っているのかを知りません。どなたか何処で売っているのか教えてくれませんか?