相変わらず無駄話が多いので、時間の無い方は下にある目次から「3.カスタマイズ」に進んでください。
測量野帳
アウトドア派の方ならもちろん知っているでしょう。また、文具マニアの方々も知っているでしょう。知らないという人でも、見れば、あ〜! って思う人もいるかもしれませんが、やはり一般の人で知っている人は少ないように思います。
というわけで、まずは知らないと言う人のために簡単に説明します。
コクヨさんが出しているメモ帳です。1959年(昭和34年)に発売されて以来、ほぼデザインが変わらずに今でも販売され続けています。これだけ長く販売させてるということは、それだけニーズがあるということで、名前から想像出来ると思いますが、測量士さんなんかが使用しています(もちろん全員では無いでしょう。少なくても僕の知っている数名の測量士さんは普通に使っていました)。
また、表紙が固く、立ったままでもメモを取りやすいということから、野外活動をする人にも愛用されています。
その流れで、当然というか、必然というか、野外活動=アウトドア、ということで、アウトドア派の人でも愛用しているという人は多いです。
アウトドア雑誌の代表ともいうべきビーパルなんかは毎年、年末の号にこの測量野帳が付録で付いてきます。それで知っている人も多いかもしれませんね。
この測量野帳のことをもっと知りたいという方は、以下にコクヨさんの測量野帳のページのリンクを張っておきますので、そこを参照してください。測量野帳について詳しく書かれていますよ。
測量野帳と僕
本題に入る前に僕の測量野帳歴を書いておきます。
出会い
正直言って最初の出会いは覚えていません。しかし、覚えている範囲内で考えると、山登りを始めて、その記録のためのブログを書くにあたってメモを取る必要が出てきました。そんな時に、野外でも使いやすいメモ帳はないかな〜? と探しているうちに出会ったのがこの測量野帳だったと思います。山登りを始めた頃はメモを取るのに測量野帳を持っていっていました。その後、さらに小さなロルバーンのメモ帳に移行しましたが・・・。
ハードユース期
2010年、ひょんなことから山奥にある史跡の測量調査のお仕事をすることになりました。そこで数人の測量士さんと出会い、実際に測量野帳を使っているのを見て、やっぱり野外で使いやすいのはコレだよな〜、ということで再び使い始めました。
ただし、このお仕事はかなりハードなお仕事で、両足で普通に立つこともままならないような場所での使用でした。今回のカスタマイズはそんなところでも使いやすいように考えられたものです。
倦怠期
測量調査のお仕事が終わって、しばらくは山登りでも使用していましたが、再び使わなくなりました。今度は他のメモ帳に移行したというわけではなく、そもそもそれほど大量のメモを取るわけではないので、スマホのメモ機能でも十分なことに気付き、スマホに移行しました。
復活
そんな中、2022年、訳あって再び山でメモを取る必要性が出てきたため、測量野帳を復活させることにしました。
今回、測量野帳を復活させるにあたって、以前このブログでも紹介している測量野帳のカスタマイズしようと過去記事を見直した時に衝撃的なことがありました。それは、自分で書いた記事なんですが、あまりに分かりにくく、不親切で、全然分からないんです。特にモレスキン風のポケットの組み立て方なんて、何の説明もしていないので、果たしてこれで組み立てられた人はいたのか? という疑問と共に、自分自身に対する腹立たしさでいっぱいになりました。
これはイカン!
というわけで、今度はもっと分かりやすくします。
ヤチョラーとしてメディア掲載
カスタマイズする前に、過去に僕の測量野帳が紹介されているメディアを紹介します。一応これでもヤチョラーです。ただし、かなり底辺にいますが・・・。
まずは、本家コクヨさんのサイトの「100人、100の野帳」で紹介していただいています。
次に「測量野帳スタイルブック」という書籍でも紹介していただいています。[Kindle Unlimited]なら読み放題で読めますね。
カスタマイズ
さて、ここからが本題になります。ただし、今回ご紹介するカスタマイズは僕の以前の記事でも紹介しているモノです。以前のモノと全く同じです。違いを強いて言うと、カレンダーが2022年版になっていることくらいです。
ここでは4種類カスタマイズを行います。
- 栞(しおり)をつける
- ゴムバンドを付ける
- モレスキン風ポケットを付ける
- カレンダーを貼り付ける
この中の「3.モレスキン風ポケットを付ける」の型紙と「4.カレンダーを貼り付ける」のカレンダーはこのページの下の方でPDFでダウンロード出来るようにしています。A4用紙に原寸でプリントアウトすればそのまま使えるようにしてあります。常識的な範囲内で自由に使っていただいて結構です。
必要なもの(その1)
測量野帳
まぁ、これがないと始まりませんよね。
平ゴム
平らなゴムです。幅は2cm〜3cm程度が良いと思います。100均で購入しました。
丸ゴム
通常のゴム紐です。女性が髪の毛を束ねる時によく使うあれです。もっとも最近では色々なものがあるようですが・・・。ここでは便宜上、断面の形状を取って丸ゴムと表記します。これも100均で購入しました。
しおり紐
しおり用の紐です。ちょっと大きめの文具店で売っています。これは100均では見つけられませんでした。僕は随分前に東急ハンズで購入しました。
無印良品でもちょっと形状が違いますが売っています。シールが付いているのでそれを利用しても良いし、切って今回紹介するように使っても良いです。
もっとも、専用のしおり紐ではなくて、適当な紐でも代用できます。
接着剤(G17)
平ゴムを接着するのに使用します。通常の接着剤だと伸縮するゴムを接着するのには不向きなので、この「G17」の使用をオススメします。ホームセンターでも売っていますが、大抵は100均も置いています。
必要なもの(その2)
- 定規
- カッター
- ライター
- はさみ
- テープのり
- 木工用ボンド
- カッターマット
まぁ、こっちは説明はいらないですよね。その他にもありますが、その都度説明します。
しおりを付ける
今までしおりを付けたことがある人は。この項目を飛ばしてもらっても大丈夫でしょう。今回始めてしおりを付けるという人は一通り読むことをオススメします。
まず、簡単に手順ですが、
- しおりを長めに用意する。(長辺の1.5倍程度)
- しおりを上部にある本体と背表紙の隙間に押し込む
- しおりを接着する
- しおりを適切な長さにカットする
- 必要なら紐に末端処理を施す
となります。なんか面倒そうですが、慣れれば1〜2分程度で終わります。
では、順番に説明していきます。
しおりを長めに用意する。(長辺の1.5倍程度)
しおりを初めて付ける時によくある失敗があります。それが、長さのミスです。これは僕も初めての時は失敗しました。まぁ、一度失敗すれば次からは同じ過ちは犯さないと思うので、一度失敗してください、と言うわけにはいきませんよね。なので、長さのミスを犯さないために、一度今回の手順通りにやってみてください。一度ミスのメカニズムを知ると、次からはミスらなくなります。では、初めていきましょう。
まず、しおりを長めに用意します。測量野帳の長辺の長さが約16.5cmなので、それの約1.5倍の25cmほどの紐を用意します。不安ならもう少し長め(30cm)にしても良いです。短めにするのはやめておいたほうが良いです。
しおりを上部にある本体と背表紙の隙間に押し込む
写真のように背表紙との間にしおりの一端を押し込みます。爪楊枝のようなものでやると楽に入ります。長さは1〜2cm程度押し込めば十分です。
測量野帳の個体差で、ここの隙間がものすごく狭いものもあります。その時は紐を押し込む前に爪楊枝や千枚通しのようなもので隙間を広げておくと楽です。ただし、無理やりグリグリやると背表紙が破れるので慎重にやりましょう。
しおりを接着する
隙間を木工用ボンドで埋めます。写真では少々多めに付いてしまいましたが、乾くと透明になるので気にしません。
これで通常の使用時においてしおりが外れることはないでしょう。もちろん、しおりの先端を持って測量野帳をブンブン振り回すような使い方をする人は、それなりの対応をしましょう・・・。
しおりを適切な長さにカットする
ここからがこの工程の一番大事な部分です。上の図を見てください。水色の線がしおりです。しおりを切る時は必ず、対角線の長さ+αで切ってください。ここで初めての方は長辺の長さ+αで切ってしまう方がいます。僕もそうでした。この間違いをする方は結構多いです。
最初に長めに切っておけ、と言ったのは、固定後に実際にしおりを使用してページを開いてみて、最適な長さを調整するための保険でした。短く切ってしまった後では、後の祭りなので・・・。
もちろん人によっては「俺は長辺+αの長さがいいんだよ」っていう人もいるでしょう。もちろん自分の使いやすい長さで使うのが理想ですので、それはそれで正解だと思います。
必要なら紐に末端処理を施す
次は必ず必要というわけではないです。
しおりの素材によっては末端部分がほつれてきてボロボロになっちゃうことがあります。もちろん、それが味だというのならそのままでも構わないのですが、それでは使いにくいという場合はしおりの末端部分をライターで軽く炙ってやるとほつれにくくなります。素材によってはうまくいかない場合もあるので、その場合は末端に玉結びを作ってやるのもいいかもしれません。
ゴムバンドを付ける
次にゴムバンドを付けます。これは測量野帳が勝手に開かないようにするためのものです。はっきり言って普通の輪ゴムでも代用できないこともないですが、そもそも今回のカスタマイズを考えたのが山中での仕事中で、そこで使用しやすいようにするのが目的なのです。なので、必ずしも一般社会で使いやすいとは限らないので、そのへんはご了承ください。
特徴としては、前述した測量野帳が開かないようにするための平ゴムと、(写真では見ずらいですが)縦に丸ゴムを巻いています。この丸ゴムの使用目的は後述します。
ここでは、この写真のようなものを作ります。
輪っか状の平ゴムに丸ゴムを通して結ぶだけです。このとき、それぞれの長さに注意してください。
平ゴムは約21cmくらいの長さのものを、重なり部(接着部)を2cm程度で作成しています。ただし、これはあくまで目安で実際には自分の環境に合わせて微調整してください。きつすぎると測量野帳が丸まってしまします。
丸ゴムは長さ約32cmのものを使用しています。
では実際に作成していきます。
まずは平ゴムを輪っか状にします。これにはG17というボンドを使用します。平ゴムは伸縮するので、普通のボンドでは駄目だと思います。このG17なら伸縮するようなものでもしっかり接着出来るし、なによりも手に入れやすい100均でも取り扱っているので、今回はこれを紹介します。
まずは接着する両面にボンドを塗布しします。専用のヘラがあるので、それを使用すると簡単に広げられます。
ボンドを塗布したらすぐに接着しないで、手で触ってもベタベタしなくなるまで待ちます。
塗布したところを手で触ってもベタベタしなくなったら、接着面を合わせて圧着します。
今回は木の切れ端にはさみ、それをさらに洗濯ばさみの親分のようなものでしっかり押さえます。
このまま数時間放置しました。
次に丸ゴムを平ゴムに通して結びます。上の写真では見ずらいので、以前作った時に写したものを貼っておきます。
このとき丸ゴムの長さに気を付けてください。きつすぎると背表紙が裂けます。まぁ、ただ結んでいるだけなので、調整はいくらでも行えます。少しくらい緩くても大丈夫です。
出来たら、まずは丸ゴムを写真のように取り付けます。
次に平ゴムを取り付けます。
上の写真を見ての通り、このゴムバンドの特徴は平ゴムを外したときも測量野帳から離れないということです。山の中での作業なので誤って落とすことがないようにこのようにしました。
このゴムバンドは測量野帳が開かなくするためだけではなく、写真のようにプリントを挟み込んでもおけます。これならただページに挟むより、プリントが落ちにくくなります。
モレスキン風ポケットを付ける
じつは今回新たに記事をリメイクしようとした理由がこれです。前述したとおり再び測量野帳を使い始めようとして10年ほど前に書いた記事を読み直して、PDFをダウンロードして型線をプリントアウトして、カットして、いざ折ろうとしたとき、はて? これはどうやって折ればいいんだろう? となってしまいました。自分で作っておいて自分で作れないってどうゆうことだよっ! ってなりますよね? 自分でわからないのだから、人が読んで分かるはずないじゃんかよー! 10年前の自分に言ってやりたいです。「全然わかんねーよー」って。
っという訳で今回リメイクすることにしました。出来るだけ分かりやすく書きます。
型紙ダウンロード
ポケットの為の用紙は厚めのものの方が良いと思います。今回は100均の色画用紙を使用しました。ポケットになるので、厚すぎても薄すぎても使いにくいので、適宜調整してください。
まずは型紙を作ります。A4でプリントすれば出来るようにPDFファイルをダウンロード出来るようにしておきました。リンクをクリックしてダウンロードしてA4用紙でプリントアウトしてください。
外周の線に沿って切ります。
とりあえず、説明しやすいようにこの向きで置いてください。
余談ですが、下の方の左右にある1cm角の飛び出しているところは切り落としても大丈夫です。そもそもポケットの補強のために付けたのですが、実際にはあまり補強にはならなさそうなので、無くても問題ないです。というか無いほうが楽です。
まずはすべての点線に沿って紙を折ります。黒い破線は谷折りで赤い破線が山折りになります。
すべての破線に折り目を付けたら、赤いX面のところに糊を付けます。
そのまま、折り目に沿って折って、接着させます。ここはポケットの入り口になります。
再び赤いX面に糊を付けて、奥を手前に折るようにして接着させます。
すると一気にポケット感が出てくると思います。
せっかくなのでここまで作ったものを複数用意しておくと次回以降楽になります。
正直に白状しますが、ここで測量野帳本体にポケットを貼り付けるのを間違えました(この記事を書いている時に気づいた・・・)。なので、以前作ったときの画像を使います。
ポケットが出来たら、面積の狭い方に糊を塗り接着します。ポケットの高さが段々になっているので、低い方を野帳に貼り付けます。
貼り付ける面を間違えた・・・。これは間違いです。ポケットの高い方を貼り付けてしまった・・・。まぁ、これはこれで使えないこともないですが・・・。
ちなみに型紙で薄いグレーになっている面は、ここは接着面だよ、っていう意味です。しかし、必ずしもグレーの色が付いている面に糊を付けるわけではありません。一部グレーの印刷面の裏に糊を付ける箇所もあるので、注意してください。
カレンダーを貼り付ける
これは説明の必要は無いですね。カレンダー用のPDFファイルを用意しているので、それをダウンロードして、それをA4用紙にプリントアウトします。
PDFをプリントアウトします。このときの用紙は普通のコピー用紙で十分です。特にこだわりが無ければ厚くする必要は無いと思います。
プリントアウトしたらトンボ通りに切ります。トンボの見方がわからない人もいると思うので、そういう人用に四つ角に薄く角トンボを付けています。それを目安にしてください。
切ったら裏に糊を付けて表紙裏に貼ります。このとき糊はテープ糊かスティック糊がおすすめです。ヤマト糊のようなものだと紙によっては染み込んで波々になるので、紙に染み込まないタイプの糊がおすすめです。
ダウンロード
以下より今回必要なPDFがダウンロード出来ます。個人的な使用でしたら自由に使って頂いて結構です。必要ならイラストレータ等でもカスタマイズ可能ですので自由にイジってください。
モレスキン風ポケットの型紙
モレスキン風ポケット
こちらよりダウンロードしてください。
2022年(令和4年)版、測量野帳用カレンダー
測量野帳用カレンダー(2022年版)
こちらよりダウンロードしてください。