富士五湖一周シリーズの最終回、本栖湖編です。山中湖、河口湖、西湖、精進湖はそれぞれのブログを見ていただくとして、ここまで書いておいて何なんですが、そもそも、富士山は日本人ならほぼ知らない人はいないでしょうけど、富士五湖ってどうなんでしょう? 関東近辺の人なら遠足や野外活動などで訪れた人も多いので全く知らないと言う人は少ないと思いますが、九州や北海道の人たちは知っていますか? 富士五湖という言葉は知っていても、五湖の名前を全部言えますか? 名前から推測して富士山の近くにはありそうだけど、それぞれの湖の位置関係は判りますか? などの疑問が湧いたので、今さらながら、富士五湖について説明します。
富士五湖とは富士山の北側(山梨県側、上側)にある湖群の総称です。五湖というくらいなので、5個(?)あります。位置関係は下の地図を見てください。
さすがに富士山がどこにあるのか分からない人はいないと思うので、富士山の位置については言及しません。富士五湖は富士山の北側に東から山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖と弧を描くように並んでいます。なんでこんなキレイに弧を描いているのかは、おそらく、富士山の裾野に沿っているためだと思います。つまり、富士山の裾野はここまで広がっているってことですね。富士山って思っている以上にデカイですよねー。
その昔、西湖、精進湖、本栖湖はひとつの大きな湖だったと言われていました。そこは”古せのうみ(古剗の海)”と呼ばれていました。それが富士山の噴火で、一部が埋め立てられ、本栖湖が分離します。この時点で東から山中湖、河口湖、”せのうみ(剗の海)”、本栖湖となります。富士四湖です。そして時代は進み、西暦864年再び富士山は噴火します。その時”せのうみ”の一部が埋め立てられ、西湖、精進湖に別れます。この時点でやっと富士五湖となります。その証拠に西湖、精進湖、本栖湖の水位は常に連動していると言われています。そのせいもあってこれらの湖は湖底で繋がっていると言われています。
そして、そこにモッシー(本栖湖版ネッシー)が潜んでいるなんていう都市伝説が昭和の時代にありました。懐かしいですね・・・。
ちょっと脱線しましたが、もう一度上の地図を見て下さい。富士山と富士五湖の間に広がっている広大な森が世界的にも有名(何で有名なのかは触れないでおきます)な青木ヶ原樹海になります。とは言っても、実際には東側、特に山中湖、河口湖の周りは開発が進み普通の街になっています。なので、通常青木ヶ原樹海と言うと、西湖、精進湖の南側を指すことが多いようです。ここ最近はこの青木ヶ原樹海の中の山(富士山の周りには側火山といって小さな火山がたくさんあります)に登るのがマイブームになっています。以下に最近の山行記のリンクを張っておきます。
脱線ついでに、富士山の東側には自衛隊の演習場があります。なので、山中湖周辺を散策しているときや、富士山を登っているときなど、ドーン、ドーンという音が聞こえてきます。初めは雷なか? とも思いますが、ある程度規則正しく鳴っているので、それは自衛隊の演習の音です。つまり、大砲の音ですね、そして、富士五湖の辺りを(車で)走っていると、よく自衛隊の車両を目にします。ちょっと富士五湖からは外れたところですが、装甲車が走っていてびっくりしたことがありました。
さて、富士五湖について超ウルトラ簡単に書きました。普通に書けば本が数冊楽に書けるくらいの情報はありますが、そもそも目的が違います。今回はその富士五湖を歩いて一周することです。でも、当初の予定ではもう少し湖周りの名所も周る予定だったんですけどね。それはまぁ、次回への宿題としましょう。
では、富士五湖最後の湖、本栖湖を一周しましょう。
山行データ
山行日 | 2022年08月20日(日) | ||
---|---|---|---|
コース | (スタート)西湖根場浜 無料駐車場〜(反時計回り)〜(ゴール)西湖根場浜 無料駐車場 | ||
山 名 | タ グ | ||
山 域 | 富士・御坂エリア | 累積標高 | (+−)480m |
歩行距離 | 14km | 所要時間 | 3時間27分 |
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マップ
山行記録
前回のリタイアから1週間。足は7割程度まで回復した。もう少し回復を待ちたかったけど、この先いつ来られるか分からないので、少々の無理は承知で富士五湖一周の最後の本栖湖に挑戦する。
本栖湖の東側にある無料駐車場には停めてスタートします。ここの駐車場にはチップ式のトイレもあります。
今日は富士山も見えています。。しかし、少々雲が多いのが気になりますねー。このまま最後までもってくれればいいんだけど・・・。
歩道は本栖湖の東側に少しある程度で、後はほとんど無い。つまり車道を歩くことになる。しかし、西側は車の通行も少なく、比較的歩きやすい。
左側に歩道が無くなったので・・・
・・・右側に移るけど、すぐに歩道が無くなり・・・
・・・再び左側に移る。歩道は無いけど、車道の外側に人が歩けるスペースがある。
他の湖の時もそうだったけど、トンネルの前後には歩道がある。トンネル内にも必ず歩道があるのでその延長だと思う。しかし、すぐに無くなります。
ガートレールが出てきて、一気に歩きにくくなります。
本栖レークサイド。相変わらずキャンプは人気ですね。
ここがキャンプ場の入り口。本栖湖の周りには代表的なキャンプ場が3箇所(本栖レークサイド、浩庵キャンプ場、本栖湖キャンプ場)あります。その他にも何か所かはあるようです。
歩いていて、独特な香りが鼻をついた。山椒です。富士山の周辺って本当に山椒が多いですね。
湖の北側からは富士山がよく見える。富士山の左手前に見えるのが大室山です。
さぁ、ゆるキャン△の舞台の身延町に入るよ。
遠くに浩庵キャンプ場が見えてきた。右寄りの山の中腹に見える白い建物が弘庵キャンプ場の受付です。
上の写真を見てもらうと分かるけど、弘庵キャンプ場の受付は少し高台になっている。このルートはそこのすぐ脇を通るので、しばらくは緩やかな登りが続く。他の湖は基本的にアップダウンはほぼ無い。本栖湖だけが弘庵キャンプ場をピークとしてアップダウンがある。
つまり、浩庵キャンプ場の受付に向かって登って、受付を過ぎると下りになる。ここ以外はほぼ平坦になっている。
歩道が出できたということは、そろそろあそこですね。
道が分岐して右に進むと、トンネルを越えて長い長い坂を下ると下部町です。
左に進むと・・・
・・・富士山のビューポイントです。あ〜、ちょうど雲で隠れちゃってますね。日本人ならここから見た富士山に見覚えがあるはずです。千円札の裏側にある富士山はここから見た風景だと言われています。しかし、厳密に言うと、ここからではなく、背後の山の斜面を登った尾根の上からの風景が真のモデルと言われています。
とは言うものの、実際にはわざわざ山の上まで登って見ようとする人は少なく、車で簡単にアクセスできるこの写真のポイントが有名になっています。下の写真は以前に撮影したものです。
さきほどの分岐を左に進んだところです。右奥に中ノ倉トンネルがあります。ゆるキャン△第一話でりんちゃんがこのトンネルを通って浩庵キャンプ場に来ました。
余談ですが、このトンネルを抜けて下部町までのルートは10年ほど前、僕の通勤路でした。なので、ほぼ毎日のように朝晩通っていました。なので、この先行ったことのある人なら分かると思いますが、下部町からここ本栖湖まではかなり長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い上り坂が続きます。なのでりんちゃんがキャンプ道具を積んだ自転車で登って来たといってもにわかには信じられません。正直言って化け物です。自動車でもうんざりするようなルートです。たとえこちら側から下部町に下るにしても相当長い下り坂でうんざりすると思います。
道を少し進むと有名(?)なトイレがあります。ここの前のベンチでなでしこが寝ていました。その後、りんちゃんと出会うことになります。
上の写真をちょっと引いてみると、・・・
・・・右側に中ノ倉峠への入り口があります。この中ノ倉峠が千円札の裏の風景のモデルになったと言われるところです。
中ノ倉峠は湖畔道路から20〜30分程度登ったところにあります。
展望は期待できませんが、ちょっと寄ってみましょう。
ちょっと登ったところから、振り返って見る。富士山がどんどん雲に隠れていく・・・。
急な斜面をジグザグに登っていく。
ある程度登ると尾根の上に出たのか、平坦な道になる。道もしっかり整備されていて歩きやすい。
とは言うものの、普段山登りをしていない人は一人では来ない方が良いと思います。平坦になる前はそれなりの山登りですし、下りはちょっと危険です。サンダルで来るなんて論外です。
道標はしっかりあるので道迷いは無いとは思いますが、絶対ではありません。迷う人は迷います。
中ノ倉峠到着。峠感はあまりありませんが、ちょっと開けています。
標識がなければここが、中ノ倉峠だとは思わないでしょう。
中ノ倉峠から10mほどで展望台があります。
階段? ベンチ? ここでボーっと富士山を眺めることができます。んで、ここから富士山がどう見えるかというと、
どどーん! 富士山が正面に・・・微かに見えます・・・よね?
ううう、さっきまでは見えていたのに・・・。なんだよー、富士山見えないのかよー、という人のために以前撮った写真をアップしておきます。
運が良ければこんな景色が見られます。↓
展望台から下を見ると、下の展望台(?)が見えました。このページの少し上にあそこから撮った写真があります。上の展望台から撮った写真と比べてみてください。どっちが千円札に近いとおもいますか?
いつまで待っても富士山から雲が退いてくれなさそうなと、雨がパラパラ降り始めたので、早々に撤退します。
緑、緑、緑。
湖畔道路まで下ってきました。再び本栖湖一周のつづきです。
なでしこベンチです。よくよく考えてみれば、変なところが名所になったよなー。
浩庵キャンプ場の受付。
余談ですが、本栖湖の周りでここが1番高いです。
受付のすぐ前にキャンプ場の入り口があります。受付しないと入れないようです。入り口にチェーン(見えるかな?)が張っています。そうです、なでしこが足を引っ掛けて転んだところです。名付けて、なでしこチェーンです。
すみません。ゆるキャン△見ていない人には全然分かりませんよね。
浩庵キャンプ場の受付を越えると、しばらくは緩やかな下り坂になります。そして、本栖湖の西側は車の通行量がグッと減るので、歩きやすくなります。
17年前に歩いた時にはほとんどいなかったSUP(サップ)。以前はウィンドサーフィンの人がたくさんいた記憶があります。それとカヤックの人も見ました。実は僕がカヤックを始めたのは、ここの湖の上を気持ち良さそうに漂っている姿を見かけたのがキッカケです。
この辺りは通る車は少なく、歩きやすいです。
富士河口湖町に戻ってきました。本栖湖なのに・・・www
でも富士河口湖町ってめっちゃ広くね? 帰宅後調べてみたら本当に広かった。河口湖、西湖、精進湖がすっぽり入っている。本栖湖は湖畔の東側までは富士河口湖町で、湖面は身延町(こっちは富士河口湖町より更に広い)なのかな? と思ったけどGoogleマップでは本栖湖の西側までとなっている。じゃあ、湖面はどっち?
あっ! 見慣れた場所にきた。ここまでくればゴールは目と鼻の先。
僕がカヤックをやっていた頃はここから入水していた。懐かしいなぁ。
右側はキャンプ場。
本栖湖にある三大キャンプ場(?)のひとつ、本栖湖キャンプ場。この日も繁盛していました。
ここでチョット寄り道します。詳しく書くのは大変なので、分かる人にだけ分かるように書くと、Agletのスタッシュがこの奥にあるので取りに行きます。
あっ! 竜ヶ岳の登山口ってこの奥にあるのか。知らんかった・・・。
無事、スタッシュを開いて再び湖畔道路に戻る。時間にして10分弱程度のロス。
ここを左に進むと・・・
・・・丁字路にぶつかります。ここを左に曲がると・・・
・・・ゴールです。これで無事(かどうかはわかりませんが)富士五湖完歩しました。
今回はちゃんと登山用の靴下を履いていたので、足は大丈夫です。←詳細は精進湖編を御覧ください。
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