今回の高島トレイルでの一番の敵は暑さでした・・・。
最初に書きますが、全線スルーハイクの予定でしたが、およそ半分の水坂峠でリタイアしてしまいました。その理由は本文内で詳しく書きますが、ザッと書くと、その一番の理由は前述の通りで想像以上の暑さでした。次に水の制限、騙しピークの多さ、想像以上のアップダウン・・・等と続きますが、結局は暑さで熱中症の一歩手前までいったため、山中でぶっ倒れる前に下山を決めました。その辺の経緯は本文にて・・・。
まずは、今回歩いた高島トレイルについて書きます。まぁ、検索してこのサイトに辿り着いたという人には不要だと思うので、飛ばして読んで下さい。
正式名称を「中央分水嶺 高島トレイル」といいます。その名の通り、中央分水嶺を辿るトレイルです。距離はおよそ80kmあり、滋賀県の琵琶湖の北西にあります。ここで「中央分水嶺」って何? という人の為に簡単に説明すると、まず「分水嶺」とは、文字通り「水を分ける嶺」です。日本にはこの「分水嶺」がたくさんありますが、ある場所に落ちた雨が太平洋側に流れるのか、日本海側に流れるのか、その境が日本の背骨とも言える「中央分水嶺」といいます。その一部、滋賀県高島市にある(というか、通る?)中央分水嶺にトレイルを設定したものが「中央分水嶺 高島トレイル(以下、高島トレイル)」です。日本を代表するロングトレイルのひとつと言っていいと思います。
昨年はもうひとつの日本を代表するロングトレイルの「信越トレイル」を歩きました。コチラもおよそ80km(実際には起点の斑尾山からゴールの天水山まで80kmありません。アプローチルートを最大限に歩いてやっと80kmです)ですが、スタートはスキー場を登るという共通点はあるものの、ずいぶんと印象が違うな・・・と感じました。その辺の「信越トレイル」との違いなども本文では書いていきたいと思います。また、最後には今回リタイヤしてしまいましたが、反面得ることも沢山あったので、まとめ&反省点として書こうと思っています。
山行データ
山行日 | 2013年08月13日(火)〜15日(木) | ||
---|---|---|---|
コース | 【1日目】:(スタート)愛発越~乗鞍岳〜葦原岳〜黒河峠〜三国山〜明王ノ禿〜赤坂山〜粟柄越〜寒風手前(ゴール) 【2日目】:(スタート)寒風手前~寒風〜大谷山〜拔土〜近江坂〜大御影山〜三重嶽北尾根分岐〜三重嶽〜水谷別れ手前(ゴール) 【3日目】:(スタート)水谷別れ手前~武奈ヶ岳〜赤岩山西峰〜水坂峠(ゴール) | ||
山 名 | 乗鞍岳(865m) 葦原岳(840m) 三国山(876m) 赤坂山(824m) 大谷山(814m) 大御影山(950m) 三重嶽(974m) 武奈ヶ岳(865m) | タ グ | |
山 域 | 近畿エリア | 累積標高 | 【1日目】(+)705m (-)285m 【2日目】(+)986m (-)1053m 【3日目】(+)438m (-)991m |
歩行距離 | 【1日目】6.459km 【2日目】15.433km 【3日目】9.523km | 所要時間 | 【1日目】09時間15分 【2日目】09時間46分 【3日目】04時間57分 |
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山行記録
【08時07分】
自宅から約400km。8時少し前にマキノ駅に到着。車は駅前の無料駐車場に駐める。
【08時11分】
始発のバスが8時43分なのでノンビリ準備・・・。と言いたいところだけど、今回のトレイルは事前に公式マップを手に入れられなかったので、マキノ駅の観光案内所で売っているというウワサを聞きつけ、購入しようと駅に行ったらまだ駅のシャッターを開けている所でした。駅員さんに観光案内所の事を尋ねると、開くのは9時からということ・・・。バスの始発が8時43分・・・間に合わない・・・。仕方なくまだシャッターの閉まった観光案内所の前に高島トレイルのチラシが置いてあったので、それを貰う。見開きの内側にはかなりコンパクトだけど高島トレイルの地図がある。また、ポイント間の距離とコースタイムも書いてある。無いよりはマシだろうと思ったけど、結局は最後までメインの地図となった・・・。とは言っても他になんの資料もなかったのかというと、そんなこともなく、BE-PAL6月号の付録のトレイルブックと、カシミール3Dを使ってコース図を作成してGPSとiPhoneに移しておいたデータを活用した。そんなわけでコースに関しては特に不安も無かったのだけど、水場情報やエスケープルートの情報が皆無だったので、ちょっと不安だったけど、まぁ、行けばなんとかなるだろうとスタート地点に向かう。
念のため駅員さんに、駅前の駐車場に数日間車を停めるということを伝えておいた。
【08時38分】
少し早いけどバスが来た。でも、出発は43分だった。お客さんは自分の他には昭和6年生まれというおじいちゃんがひとり・・・。おじいちゃんはすぐに降りてしまい、あとは貸し切り状態でした。
バスの終点である国境(くにざかい)バス停が近づくと、運転手さんが、スキー場の入り口まで行きましょうか? という提案があり。これから高島トレイルを歩くと言うと、スキー場の入口の方が近いですよということなので、提案通りスキー場の入口まで乗せて頂くことにした。まぁ、国境バス停からはほんの百メートルくらいだけど、緩やかな登りなので、ありがたかった。運転手さん、ありがとうございます。
【09時05分】
マキノ駅からおよそ20分でスキー場の入口に到着、結局降りてすぐが高島トレイルのスタート地点。
【09時05分】
「国境高原スノーパーク」と書かれた看板がある。
【09時05分】
二つ上の写真がバスを降りた地点。写真右側に見える電柱の下に高島トレイルの地図と登山ポストある。つまりここが高島トレイルのスタート地点である「愛発越(あらちごえ)」ってこと?
【09時06分】
高島トレイルの地図。トレイル上でも見かけたけど、信越トレイルと違い現在地が書かれていないので、山行中はあまり役に立たない。
【09時06分】
ここが乗鞍岳への登山口になっている。
【09時10分】
登山ポストもあり、用紙と筆記用具もあったので、記入して投函する。本当は事前に用意しておくべきだったけど、色々バタバタしていて書く暇が無かった・・・。というか、3日前までは信越トレイルの南下ルートと高島トレイルのどちらにしようか悩んでいた。
今回の計画では4泊5日(予備日1日)で全線踏破予定。スタート時点のザックの重さは6日分(予備日含む)の食料と2Lの水をかついで約16kg。がんばって軽量化した成果は現れていたと思うけど、それはあくまで数字上のことで、実際には多少重くなっても妥協してはいけない装備もあることを知ることになる。それは追々書いていくことになると思います。
【09時17分】
さぁ、スタートです。まずはスキー場のゲレンデに向かいます。
【09時18分】
舗装された道路からゲレンデ内に入ります。この高島トレイル、先ほどのスタート地点から乗鞍岳へと繋がる稜線手前までは何の標識もありません。他の方の山行記を見ていてもほとんどの人が指摘しています。と同時に稜線までのルートを詳しく書いている方もいて、今回はそれらが大変参考になりました。先輩方、ありがとうございます。
実際には正解ルートはひとつではないようです。なので、自分自身もとりあえずはどの稜線に向かって行けば良いのか、ということだけは確認していて、あとはいきあたりばったりです。まぁ、その程度の考えでも、運良く最短のルートで稜線に取り付けたと思います。
【09時19分】
ゲレンデに入ってすぐにリフトをくぐります。上の写真でケーブルが左右に伸びているのが見えると思いますが、そこをくぐると木道のようなものがあります。木だけでなくスキー板をつないでいる所もあります。はたして、これが道なのかは分かりませんが、とりあえずそこをたどります。少し行くと・・・
【09時21分】
・・・左手の緩やかな尾根に雨裂のようなものがずっと上まで続いています。写真には写っていませんが、左に先ほどくぐったリフトが、この雨裂とほぼ平行に上に伸びています。
【09時24分】
はたして、この尾根でいいんでしょうか? 右手方向にも尾根が見えます。でも、どちらも同じ尾根に繋がっているようなので、あまり気にせずにとにかく上に上にと進みます。この辺りは高い木も無く、太陽を遮るものはなにも無く、白い地面の照り返しもあり、結構暑いです。でも、この時はまだ想定内の暑さだったのでとにかく登ります。
【09時35分】
やがて、リフトの終点が見えてきました。
【09時37分】
リフトの終点で振り返ったところです。
【09時37分】
正面は崖で行き止まりですが、右手方向に踏み跡が確認出来たので、そちらに進んでみると・・・
【09時38分】
・・・高島トレイルのテープを発見しました。
【09時38分】
そこからは少し急な登りになりますが、樹林帯の中で日陰があるので、先ほどまでのゲレンデの直登に比べれば楽です。
【09時46分】
少し登るとすぐに稜線上に出ます。
【09時46分】
右が国道161号方面、手前が今自分が登ってきたルートで国境スキー場と書かれています。でも、左方向は何も書いていません。あれ〜っと思って後ろの回ってみると・・・
【09時46分】
・・・あっ! なんか書いてある・・・。しかもひっくり返った字で・・・。壊れたために誰かが修復してこの様になっているのだと思いますが、この後このような壊れた道標をたくさん見ることになる。
【09時47分】
乗鞍岳へと続く稜線に乗ったので、あとはここをたどって行けばいいんだと思っていたけど、この後早速ルートを踏み外すことになるとは・・・。
【10時04分】
開けた所からスタート地点が見えた。まだ1時間も経っていないけどだいぶ登ってきたなぁ〜。
【10時26分】
んんん、あそこのピークが乗鞍岳か???
【10時30分】
鉄塔の下に辿り着いた・・・。でもピークらしいものは見えない。
【10時44分】
この道標、支柱から落ちてしまったようで、近くの木に無理やり取り付けられていた。登山道はまっすぐ続いている。しかし、道標によると乗鞍岳方向は少し左に向いているような気もするけど、その方向はヤブでルートがあるようには見えない・・・。なので、道標が少しズレて取り付けられているのだろうと解釈して真っ直ぐ進む・・・。
しばらく進むと、あれ? 稜線から外れてルートが下っている??? おかしいぞ! と思い、道なき道を稜線上に向かってよじ登る。稜線上に出てもルートらしきものは見えない。というか、鬱蒼とした木に阻まれて歩くのも容易ではないような所に出た。ここで初めてルートから外れている可能性を考える。通常ならば地図で確認すべきだけど、チラシに付いている小さな地図ではどうにもならなさそうだったので、ザックを降ろしてGPSで確認すると、明らかにルートを外れているのが分かったので、正しいルート方面に向かうとすぐに・・・
【10時54分】
・・・正しいルートに戻れた。
そこから展望の好い尾根道を進むと、何か見えてきた・・・。
【10時57分】
何だ? これ?
【10時57分】
と思ったら、そこが乗鞍岳の山頂だった。
【10時57分】
三角点もある。
【10時57分】
こんなのもあった。
【10時57分】
乗鞍岳の山頂はこんな感じ。
【10時57分】
琵琶湖側の展望が少しいい。けど、この日は水蒸気が多いのか、遠くは白く霞んでいた。
【10時58分】
謎の建物の逆側に回りこむとこんな感じ。何だろう?
【10時58分】
ここでは休憩は無し。先を急ぎたいけど、あれ? ルートは???
【11時03分】
なんとなく道らしい所の樹木をかき分けて進むと、ルートが見えた・・・。
【11時07分】
電波塔・・・。
【11時09分】
あれ? あっちにもある。
【11時12分】
2段階の階段を下る。幅が狭いので、横に広い人はチョット窮屈かも・・・。
【11時15分】
相変わらず道がよくわからないけど、とりあえず前方の塔に向かう。
【11時18分】
電波塔の下に出た。
【11時18分】
いま来た道を振り返って見ている。右端の電波塔が11時7分の電波塔。
この辺りは比較的平らなので、テントが張れそうだけど、近くに水場らしきものは無い。また、遮蔽物が何もないので風が強い時は無理か・・・。
【11時19分】
車道に出た・・・
【11時19分】
少し下ると、右手前に曲がる道がある。
【11時21分】
道なりに進むとすぐに行き止まりの円形広場(駐車場?)のような所に出る。道標のようなものも見えない・・・。とりあえず、縁を右側から回ってみるとすぐに・・・
【11時22分】
・・・踏み跡のようなものがあった・・・。
【11時22分】
かろうじて道標の支柱だけはあったけど、ここでいいのか分からない。
【11時23分】
下を見るとピンクテープが落ちている。ここの高島トレイルは黄色で高島トレイルと書かれたテープもあるけど、このようなピンクや無地の黄色いテープも沢山ある。というか公式のテープよりこっちの方が多いかも・・・。
【11時25分】
いや、ここまで無駄に長くする必要はないと思うけど・・・。
樹林帯の中に入り傾斜もそれほど無いので気持ちいい樹林帯歩きを楽しむ・・・。
【11時30分】
ブナの大木。まだ、樹を見る余裕もある。
【11時30分】
雪の為だろうか? 根本で大きく曲がっている。
【12時01分】
やがて、鉄塔のある開けたところに出た。
【12時02分】
鉄塔のほぼ真下に左に曲がれという指示がある。道は真っ直ぐにも続いているので、本当にこっちでいいのかよ? という疑問を抱きつつ左に曲がり・・・
【12時02分】
・・・鉄塔をくぐる。
【12時03分】
しばらくは開けた草原を歩くけど、直射日光が体力をドンドン奪っていく。
【12時04分】
植林地に入る所に高島トレイルのテープがあった。このルートで正解でした。
【12時12分】
丁字路に出た。左に曲がるとこれから向かう「黒河峠(くろことうげ)」、手前がいま通ってきた乗鞍岳。じゃあ、右は???
【12時12分】
とここで振り返ったら木になにやら手作りの道標が・・・。上の写真と同じ立ち位置で180度後ろを見ています。なので、上の写真の右方向が「葦原岳(あしはらだけ)」ということです。
【12時22分】
自分が向いたいのは「黒河峠」、でも、そこに行くには「葦原岳」を通過しなくてはならない。手持ちの地図では葦原岳のピークがルートを外れたところにあるようには書かれていない。どうゆうことなんだろう??? と地図(ここで言う地図とは高島トレイルのチラシの中にあるもの)を見ながらウロウロ・・・。
結局行ったり来たりしている内に開けた鉄塔のある所に出た。
【12時23分】
奥にピークが見える・・・。まさかアレが葦原岳か? 一度大きく下って再び登り返さなくてならない・・・。うわーっと思っていると・・・
【12時24分】
このような物が・・・。おー、この鉄塔のある所が葦原岳のピークか。
【12時26分】
とりあえず葦原岳のピークを踏んだので、先ほどの丁字路に戻ってきた。これでやっと黒河峠に向かえる。今度は直進する。
このチョット先で二人組のハイカー(というより、何かの作業員のようにも見えた)がザックを降ろして休んでいた。その脇を挨拶をして通り過ぎる。
【12時33分】
ここからしばらくは鉄塔の林立する尾根を下る。
【12時43分】
開けた所に出た。
【12時52分】
急な下りもある。
【12時54分】
監視小屋(?)の付いた鉄塔もある。
【13時03分】
尾根の稜線をずーっと下っていると、道を塞ぐように何かがあった・・・。
【13時03分】
逆側に回って見ると・・・。上の写真で言うと右下のルートを指し示していたようだ。
【13時07分】
濡れていると滑りやすそうな道を下ると・・・
【13時30分】
・・・あっ、林道に出た。実はここに出る10分ほど前に2L持ってきていた水が底をついた。
【13時30分】
林道脇にはこのようなプレートが・・・。
【13時31分】
道標に従い車道を下る・・・。
【13時32分】
あっ! 見たことがある、ここが黒河峠だ! 正面に見えるのが高島トレイル唯一のトイレ。
【13時32分】
そのトイレの建物の斜め前辺りから次の赤坂山に向かうルートがある。
【13時33分】
赤坂山までは3.3km。1時間半から2時間くらいだろうか?
【13時33分】
赤坂山一角はわりと道が整備されている。また、道標にも残りの距離が書いてあるので歩きやすそうだ。
【13時34分】
トイレの脇には高島トレイルの地図があるけど、あくまでここから入山する人のため用だと思う。
【13時35分】
ところで水場は何処だ???
写真右奥が乗鞍岳方面。つまりここから出てきて左にトイレのある赤坂山への登山口のある場所から再び戻ってきた。次は右に向かう。自分の持っているガイドブックでは福井方面の方が水場が近い、とあるが、地元の人間ではないので左右のどちらが福井県側なのかよくわからないので感で進む。しばらく下ると、水の音が大きくなって、やがて・・・
【13時40分】
・・・水場があった。
【13時59分】
水量も豊富でそのまま飲めそうだけど、浄水器を使用して約5Lの水をゲット。
水を汲みながらもう少し先に進むか、ここで一泊するか悩んだ結果。少々時間が早いものの一日目と言うことで今日の行動はここで終わることにした。実は密かに可能ならば「抜土(ぬけど)」まで行きたかったけど、ここからのコースタイムで約6時間ほどかかるようなので、今からだと到着が20時頃になってしまう・・・。んで結局、あっさりと諦めた。4泊5日の予定だけど、一日目に抜土まで行ければ3泊4日でもいけそうだけど、そのためには1日目のスタート時間を早くしないと無理だと思った・・・。
【14時17分】
そうと決まればテントを張れる場所を見つける。
この高島トレイルには「テント適地」と呼ばれるところが何箇所かあることにはあるけど、一般的なテント場と呼ばれるものは無いです。基本的には幾つかのルールを守る必要があるものの、どこに張ってもいいこと(あくまで最低限のルールを守る必要はありますよ)になってます。
今回は林道脇のスペースにテントを張ることにした。ザックを降ろして石ころを除いて整地していると、一台の車が脇に停まった(ここは林道なので車がたまに通る)。ん? と思っていると一人の人が車を降りてきて、少し下の沢の所(水場の下流か?)で熊を見たので注意したほうがよい、と教えてくれた。じぇじぇ、と思ったけど、とりあえず教えてくれた方にお礼を言って、車は去って行った・・・。
さて、どうしよう? 多少は離れているとは言っても、近くに熊がいるのは間違いないので、時間を確認して、もう少し先まで行くことにした。高島トレイルは厳密なテント場が無いのを幸いに、どこか一張くらい張れる所はあるだろう、というなんの根拠も無い確信を持ちつつ、最悪は登山道上でテントに包まれば一晩くらいなんとかなるだろうと思い先に進むことにした。先ほどの沢でゲットした水をザックにしまっていると、先ほどの車がバックで戻ってきて、もし、下山するなら車で送ってくれるという、ありがたいことを言って頂いたけど、とりあえずもう少し先に進む旨を伝えて、お礼を言った。
【14時20分】
結局ここ、黒河峠で50分ほど滞在して、再び赤坂山の登山口に戻ってきた。
【14時20分】
どこまで行けるかはわからないけど、とりあえず赤坂山は越えたい!
ここからは熊鈴を鳴らしながら歩いた。
【14時29分】
少し登ると、林道に出た。先ほどのテントを張ろうとしていた林道の分岐した先のようだ。
【14時29分】
林道に出て左に進む。
【14時31分】
ここの林道脇にもテントが張れそうなスペースがあった。しかし、まだ日陰になっていないことと、熊の目撃現場からもそれほど離れていないようなのでパス! 先を急ぐ。
【14時32分】
林道を少し歩くと、右側に登山道が続いていた。
【14時32分】
あと3km。どこまで行ける?
【14時40分】
ロープが張ってあるけど、それほど危険ではない。
【14時51分】
展望のいい所に出た。その脇に・・・
【14時51分】
・・・変わった形の岩が・・・。
【15時02分】
振り返ると、自分が歩いてきた稜線が見えた。うわ〜、結構歩いたな・・・。
【15時14分】
木道?
【15時14分】
この辺一帯は湿原なのか、水の気配が多くある。
【15時15分】
流れはあまりないけど、水たまりのようなものがある。さすがに浄水器を使うとはいえ、ちょっと抵抗がある。
【15時17分】
こっちはちょっと流れている。でも、水辺には近づけない。
【15時19分】
小さな沢を渡る(ここで水の補給が出来る)。と、その前に顔を洗って、持っていたタオルを水で濡らして首に巻く。ひんやりして気持ちいい。
【15時23分】
水の気配のする箇所を過ぎると右手側に三国山(みくにやま)への分岐ある。400mくらいだからすぐだろうと、ザックを背負ったまま進む。ハッキリ言ってここは分岐点にザックをデポして空身、またはそれに準じる格好で山頂をピストンすれば良かった
【15時26分】
分岐してすぐに小さな沢を渡る。ここでも水の補給は出来そう。
分岐してコチラ側は原生林なのか、森の密度が高い、と同時に、すごく蒸暑い。
最初はゆるやかな登りなので、これなら山頂のピストンもそれほど大変そうじゃないよなーって思っていたら・・・
【15時33分】
・・・最後、真っ直ぐな急な登りが待っていた。しかも、幅が狭く、歩きにくい。
一度、肩のような所に出て、再び登ると・・・
【15時42分】
・・・三国山山頂! 展望無し!
【15時42分】
この高島トレイルにはこのようなプレートがある。下部に「ポイント3」とあるが、これは公式マップと連動している。と、言っても公式マップを持っていなかったので、実際に歩いている時には気にもしなかった。というより、気が付かなかった・・・。ちなみに「ポイント1」は乗鞍岳、「ポイント2」は黒河峠にある。公式マップには「ポイント0」もあってこれは愛発越にあることになっているが、愛発越でこのようなプレートを見た覚えは無い。次回は是非確認したい。
【15時43分】
とりあえず、山頂で自分写真・・・。小型の三脚を持っていたけど、暑さのために体力を奪われて、三脚を使う元気は無い!
【15時46分】
ピークを踏んだのでサッサと分岐に戻る。
【15時54分】
分岐の近くにある小さな沢。ここでも顔を洗って、タオルを濡らして首に巻く。少しでも体温を下げたい。
【15時55分】
分岐に戻ってきた。ここの分岐の道標も倒れている。恐らく赤坂山までの距離が書いていると思うけど、しゃがんで覗き込む元気は無い。正直言って暑さには強いハズの自分が暑さにまいっている。時間も時間だし、そろそろテントが張れそうな場所を選定しなくては・・・。
【16時12分】
登山道脇の草地。ここは気持よさそう。しかも・・・
【16時13分】
・・・水量の豊富な水場がすぐそばにある。
ここでも、顔を洗って、タオルを濡らす。
【16時16分】
赤坂山まであと700mと言うところで・・・
【16時16分】
・・・目の前の展望が開けた。
逆光で見にくいけど、岩のピークが見える。
【16時19分】
再び急な登りを詰めると・・・
【16時24分】
・・・おっ! 目の前が開けた。と同時に風が強くなった。と言うか稜線に出て日本海側からの風が直接当たる様になったんだと思う。帽子の紐をあごの下でしっかり締める。
【16時24分】
ここが「明王ノ禿(みょうおうのはげ)」。確かに下から見るとこの一角だけハゲ山のようになっている。ちなみにポイントは「4」です。
【16時24分】
しばらくは足元が白いザラザラした砂地のような所を進む。今回は軽量化のために、普通の登山靴ではなく、トレラン用のローカットの靴にした。しかし、ローカットは問題なかったけど、この靴のソールは凹凸があまりないタイプなので、すべるすべる・・・。ここで一回と、3日目の水坂峠の手前の急な下りの一回の計2箇所で尻もちをついてしまった。荷物も軽く、どちらも結構な急斜面だったので、その後の山行に影響が出るようなこともなかったけど、ちょっとびっくりした。リベンジする時はちゃんとした登山靴のローカットにしようと思う。
【16時25分】
再びちょっとだけ樹林帯に入る。
【16時26分】
あと600m。
【16時29分】
おっ! あの奥が赤坂山か?
【16時30分】
遠くに琵琶湖が見える。
【16時30分】
あと400m。
【16時41分】
赤坂山への最後の登り。それほど急ではないけど、ペースが上がらない・・・。
【16時49分】
ん? もう高い所は無くなった・・・。
【16時50分】
ここが赤坂山でした。黒河峠から休憩込みで2時間30分。コースタイムは資料によってまちまちだけど、約2時間10分から25分くらい・・・。ってことはそれほどペースが落ちているわけじゃないのか? コースタイムはブログを書きながら確認しているけど、実際に歩いている時は暑さにやられて、コースタイムの確認もしていなければ、時計もほとんど見ていない。体感的にはコースタイムの2倍の時間がかかっているように思えた。
【16時51分】
相変わらず、強い風が吹いているので、ゆっくりと腰を下ろして休憩、なんてわけにもいかない。いや、それ以前にもうかなり夕方になっているのは太陽の位置で容易に想像できた。
【16時51分】
のんきに景色なんか楽しんでいる暇もなし。
【16時51分】
ここは「ポイント5」。
【16時51分】
さぁ、次はテントを設営出来そうなところを探すぞ!
【16時58分】
登山道の左に一段下がった所にテントが設営出来そうな所があった。ここなら風も避けられそうだぞ、って思ったけど、やはり稜線上は風が強すぎて無理だ。
【16時58分】
ずーっとルートが続いているのが見える。ってことはしばらくはテントの張れそうな所は無いってこと・・・。
【17時00分】
んんん? 分岐に出た。
【17時03分】
再び分岐。ここは「ポイント6」。
【17時03分】
ここが「粟柄峠(あわがらとうげ)」。
【17時03分】
次の目標は「寒風(かんぷう)」。
【17時06分】
道標の無い分岐。方角的には左だけど、右の少し行った所に道標が見えたので、そっちに回ってみる。
【17時07分】
やはり、先ほどの分岐は左だ。でもまた戻るのは面倒なので、ショートカットルートで・・・
【17時07分】
・・・本線に戻れた。でも、この後、背の高い草に阻まれて何度かルートから外れてしまう。この季節は暑さの他に、背の高い草も天敵となる。一応この辺りはそれまでに比べるとマーキングが数多く見られるけど、草に隠れていて確認しずらい。
【17時16分】
一度本線から100m以上も正反対の方向に歩いてしまったことがあった。あまりにもマーカーが見当たらないので、一度確実な場所まで戻って事なきを得たけど、本線から100m以上も離れた所にテントのようなものがあった。素材自体は普通のブルーシートだけど、明らかにテントとして使おうとシートの端をビニールの紐で縛ってそれを木に括りつけている。そのときはそれほど気にしてなかった(厳密に言うと本線に戻るので必死だった)けど、いま考えたら中に・・・。
【17時17分】
外れたコースから戻ってくるとまちがったルート上に行っちゃダメ! の目印があった。
【17時18分】
所々にマーキングはあるけど・・・
【17時20分】
・・・背の高い草のせいで先も見えないけど、同時に足元も見えない。自分の場合は特に胸の前にカメラがあるので、さらに足元が見えにくくなっている。ルート上はずっと平らになっているわけではないので、たまに段差があると、気付かずにそのままストン! と落ちてしまうこともしばしば・・・。
【17時27分】
赤いマーカーがなければこの先にルートが続いているとは思えない。この近辺は、iPhoneに入れていたルート付きの地図のおかげで随分と助けられた。
【17時37分】
あっ! ついに太陽が稜線の向こうに沈んだ・・・。
【17時46分】
稜線上は風が強くてテント設営は無理なので、樹林帯の中に設営地を探すけど、なかなか適地は見つからない。暗くなるまえにテントに潜り込みたい。
【17時51分】
再び稜線上に出た。風が強い。
【18時18分】
再び樹林帯の中に・・・。
【18時19分】
ん? ブナ林の中の少し下ったところにテントを張れそうな場所を発見! 一度下った向こう側に風を避けるような盛土があるので風の影響もほとんどない! 時計を見るともうすぐ6時半、この辺りが限界だろうとここでテントを設営することにした。
【18時23分】
一番低いところは平らだけど、水があったような跡がある。この季節以外はもしかして小さな池でもあったのかな? だとしたら夜中に、野生の動物が集まっていくる可能性もある。なので、気休めだけど、最下部ではなくて一段上がった棚のような所にテントを張ることにした。
【18時33分】
完全に平らというわけではないけど、物が転がるほどの斜面でもないので、とりあえず、テントに転がり込む。マットを出す元気も無い。テントはこの日のために用意した「nemo meta 1p」軽さで選んだけど、ザックはテント内には入れられなかった。テント内をキチンと整理すれば入れられたけど、その元気も無い。ゆえにテント内の写真も無し。しばらく休んで、カップヌードルリフィルで夕食にする。
水は黒河峠で補給した5L、内訳は折りたたみ水筒3L。ハイドレーション2L。ハイドレーションの水はここまでに1.5Lほど飲んでしまったので、残りは折りたたみ水筒3Lとハイドレーション500mlの計3.5L。明日はつぎの水場の「抜戸(ぬけど)」まで持てばよい。
とにかく、想像以上の暑さで思うようにペースが上がらなかった1日目だったけど、夕方になって・・・と言うか明王ノ禿からの稜線上では風がある程度吹いていてまだ救われた。ハッキリ言って一雨来てくれないかと願っていたが、ザックの後ろにぶら下げていたてるてる坊主君が思いの外がんばったおかげで、その気配は全くなかった。ただし、暑くて想像以上に体力を消耗していたけど、この時はまだリタイアする気持ちは無く、テント内で食後、地図を見ながら今後の予定を修正していた。2日目は水坂峠までは行きたい、それには朝のまだ気温が上がらない内にどこまで行けるかにかかっていると思う。可能ならば、午前2時頃に出発して、昼の12時頃にその日の行動を終えられたら、という考えが何度も頭を過ぎったけど、明るい昼間でさえコースを確認するのが難しいので、暗闇の中をヘッドランプの明かりだけを頼りに歩くのは不可能だと思う。なので、明るくなる頃には出発したかったけど、身体を休ませることも重要なので、結局、2日目は5時起床、6時出発とした。