- 01 初の海外旅行ー出発ー
- 02 米国上陸&マンモスレイクスへ!(前編)
- 02 米国上陸&マンモスレイクスへ!(後編)
- 03 パーミットを取得してレッズメドウへ行こう!
- 04 ジョン・ミューア・トレイル1日目 ついに念願のジョン・ミューア・トレイル
- 05 ジョン・ミューア・トレイル2日目 千の島の湖を越えて
- 06 ジョン・ミューア・トレイル3日目 ドノヒューパスを越えて
- 07 ジョン・ミューア・トレイル4日目 カセドラルピークを仰ぎ見て
- 08 ジョン・ミューア・トレイル5日目 最後の登りからの長い長い下り、そして、ヨセミテ 公園へ
- 09 初心者ジョン・ミューア・トレイル・ハイカーの長い長い1日ーこの旅最大のピンチー(前編)
- 09 初心者ジョン・ミューア・トレイル・ハイカーの長い長い1日ーこの旅最大のピンチー(後編)
- 10 初めての海外旅行の終わりー帰郷ー
2日目起床
7時に起きる。初めてのアメリカの朝だ。一瞬、自分がどこにいるのかわからなかったけど、すぐに我に返る。そうだ、ここはアメリカだ。数時間しか寝ていない割に頭はスッキリしている。まぁ、ボッーっとしている余裕も無いほどやらなければならないことがあるせいだと思う。
眠りについたのは明け方になってからなので、実質的な睡眠時間は2〜3時間程度だろうか? それでも、十分に身体を休めることが出来た。
今日、やることはこの旅最大の難関であるパーミットの取得と、日本では確認出来なかった、マンモス・レイクスからレッズ・メドウへの移動である。
ザックの中は寝る前に整えていたので、自分の身支度を整えて、部屋を後にする。ここで、チップをベッドの枕元のテーブルに置く。このチップは、もちろん日本にはそのような習慣が無く、僕自身も生まれてから1度も払ったことは無い。しかし、アメリカでは、ホテルの部屋を出る際には枕の下にチップを置くのが常識だとかいうことが真しやかに語られていたりする。なので、僕も出発前にブログ等で散々調べたけど、払うべきという意見と、払わなくてもよいという意見が真っ二つに別れている。当のアメリカ人の間でも、同じように意見は分かれいる。どうすればいいんだよ〜! と散々悩んだ結果、チップを払う場面では、すべて払うことにした。こうすれば、どっちにするか悩まなくても良い。どうせ、今回の旅で払うチップなんていくらでもない。悩むだけ時間の無駄だ。ちなみに下記が今回払ったチップの一覧だ。
・ラーメン屋
・ホテル
・ホテル
・シャトルバスの運転手
全部足しても日本円で1,000円程度だ。
初めてアメリカのホテルをチェックアウト
ホテルをチェックアウト。まぁ、お金は先払いだし、これは特に悩まず、
フロントに行き、鍵を差し出しながら、
「ちぇっくあうと、ぷり〜ず」
と言うと、それをフロントの人が受け取って、
「OK」
「せんきゅ〜」
で、無事にチェックアウト。
ホテルを出て、そう言えば朝食食べてないなぁ〜。と気付くも、これからこの旅最大の難関が待っているので、それどころではない。
ホテルからパーミッションを受け取るマンモス・レイクスのウェルカムセンターまで徒歩で約15分。どちらもメインストリート沿いにあるので迷いようがない。
歩道を歩いていると、大きな松ぼっくりが道の端にゴロゴロ落ちている。日本の標準サイズの4〜5倍はありそうだ。もし、コレが落ちてきて頭に直撃したら、乾燥していて軽くなっているとはいえ、そこそこ痛そうだ。
片側2車線ある広いメインストリート沿いを歩いているので、そこに合流する細い道を何本もまたぐことになる。そのほとんどは信号が無いので、車が来ていないのを確認して足早に渡る。しかし、かなりの割合で車が来る。日本なら大概の場合、車が通り過ぎるのを待ってから道を渡るのだが、ここではほぼ100%車が止まってくれて、先に渡っていいよ〜、と合図してくる。なんか、意外だった。大変失礼な話だが、僕はアメリカ人はこんな事をしないものだと思っていた。しかし、僕の見たリアルなアメリカはそんな事はなかった。もちろん、アメリカ人だって良い人もいれば、悪い人もいるだろう。僕がたまたま良い人としか出会わなかった可能性だってゼロでは無いはずだ。しかし、僕は自分の経験した、自分の見たアメリカ人を信じたいと思った。百聞は一見にしかず、とはよく言ったものだ。実経験に勝る体験はないと思った。だからと言って、警戒心を無くすという事では無い。
さて、そんなわけで、アメリカ人は優しい人が多いんだな。という事がわかった。では、今回のように道を譲られた時に、どうやってお礼をするの? 日本なら、お辞儀をしたり、片手を上げたりして、謝意を示すわけだが、アメリカでは? こんな事はどの英語の参考書にも書いていなかった。
実は、今回の旅で1番心配だったのは、言葉ではなく、このようなマナーや習慣に関する事だ。前述のチップのこともそうだけど。言葉が多少カタコトでも、それほど失礼になる事は無い(TPOにもよるが)と思うけど、マナーや習慣はそうはいかない、しかし、このような情報は意外に少なかったりもする。結局のところ自分で失敗を繰り返しながら身に付けるしかないのかもしれない。
結局、今回は日本と同じようにお礼をしたり、片手を上げたりして(聞こえないだろうけど、Thank you!も付け加えた)して謝意を示した。まぁ、何かは伝わっただろう。
パーミットを取得
ウェルカムセンターの前まできた。結構、人の出入りがある。緊張は最高潮に達している。意を決して扉を開く。まあ、中は日本の一般的なビジターセンターと違わない。総合受付に何人か並んでいる。少し奥にPermit専用の受付があった。始めはここのシステムが分からないので、ウロウロしていたら、僕の後から入ってきて総合受付に並んでいる人が、僕に順番を譲ってくれようとした。僕は並んでもいないし、そもそも総合受付に用はない。一瞬、えっ? で思ったけど、大きいザックを背負っている僕を見て理解したのか、
「Permit?」
「Yes」
と、ここで、それぞれの人が目的ごとに並んでいるのを理解した。僕はパーミットを受け取りに来たので「Permit」と書かれたところに並んだ。そこでは、1組のグループが、受付の女性のレンジャーとなにやら真剣に話している。なんか変だなと見ていると、予約番号が分からないのか、やたらあちこちに電話している。何本目かの電話で予約番号が分かったのか、無事にパーミットを受け取れたようだ。良かった、良かった。そして、ようやく自分の順番が回ってきた。予約番号をプリントアウトした紙を差し出しながら、
「Permit please」
プリントアウトした紙を受け取り、予約番号をPCに入力すると、どうやら予約はちゃんと通っていたようで、
「OK」
とニッコリして、何やら紙を取り出し、説明してくる。ここからはこんなような会話があったと言うことを僕の意訳ので書きます。ちなみに女性のレンジャーの英語は比較的聞き取りやすかったです。
まず、日付を確認しました。
レンジャー(以下、レ)「12日にスタートして、17日にヨセミテ公園にゴールね」
僕「はい、出来れば16日にはゴールしたいですが」
レ「まぁ、それはたいへんね。」
レ「ベア・キャニスターは持ってる?」
僕「はい」
レ「バーナーの燃料はガス?」
僕「はい、Jetboliを持っています」
レ「それは素晴らしい!」
レ「焚き火はしますか?」
僕「いいえ」
レ「それは良いことね」
レ「(シャドー・レイク周辺の地図にマーカーで何ヶ所か丸を書きながら)ここはキャンプ 禁止よ」
僕「オーケー」
レ「ここにサインをして」
僕「はい」
レ「オーケー、他に何か質問はある?」
僕「いいえ」
レ「(許可証を差し出しながら)以上よ、楽しんできてね」
僕「サンキュー!」
かなりの意訳だけど、大体このようなやり取りがありました。もちろん、こんなにスムーズに会話が進むワケはなく、何度か聞き直しています。それでもレンジャーさんは嫌な顔をせず、始終笑顔で接してくれました。
無事、パーミッションの取得に成功! とりあえず、最大の難関を突破してホッと一息。ウェルカムセンターの前のベンチに座り込んでしまった。たった今貰ったパーミットの紙をマジマジ見る。今の僕にとってはどんなものより大切な物だし、それ以前に、これを手に入れられた自分を誉めてやりたいと思った。
しばらくはボーッとして、ウェルカムセンターに出入りしている人を眺めていた。
いつまで、そこにそうしてはいられないので、立ち上がり、来た道を戻ると、あっ! 写真等でよく見たジョン・ミュアのボードがあった。ここにあったのかと近づき写真を撮る。
レッズメドウへはどうやって行くの?
この後はレッズメドウへ行かなくてはならない。しかし、ここも出発前に調べたけれど調べきれず、マンモス・レイクスからレッズメドウまでの移動手段がよく分からなかった。これも、まぁ、行きゃあ、何とかなるだろ! と、いつものクセを発動させる。
しかし、何となく、バスで移動するんだろ、的な事は分かっていたので、とりあえず、バスの集まるvillageに向かう事にした。ウェルカムセンターからのんびり歩いて30分くらいの距離だ。しかし、メインストリート沿い歩いていると、ふとバス停が目に入った。近づいてみる。
マンモス・レイクスはリゾート地なので、バスが縦横無尽に走っている。んじゃないかな? 一応、出発前にマンモス・レイクス周辺のバスについて調べたんだが、色分けされた色々な路線がある。っことまでは分かっていたんだけど、そもそも、それまではアメリカのバスなんて乗った事はない。どうやって乗って、どうやってお金を払って、どうやって降りるの? そもそも、そこから分からない。ても、再び、まぁ、行きゃあ、何とかなるだろう。発動!
バス停の構造は日本とそれほど違わない。そこのバス停の名前、路線図、時刻表が掲げられている。それを見ると、どうやら無料のシャトルバスがあるらしい。空港から市街地まで乗ったアレかな? でも、ここからvillageまでは歩いても30分程度だし、今日はレッズメドウまで行ければ良いので、時間もだっぷりある。乗り方すらよく分からないバスより、歩いた方が確実だ。と、心の中では思ってみても、無料という言葉の魅力には抗えなかった。
時刻表を見ると、次のバスはすぐに来るようだ。バスを待ちながら目の前のメインストリートを走っている車を眺めてみる。やはり日本車は多い。トヨタ、レクサス、ホンダ、スバルなど、日本でもお馴染みな車種がほとんどだが、見たことも無いような車種も走っている。こんな田舎の街でも日本車がこんなに走っているのか。日本人としてチョット誇らしくなった。ちなみに日産車はあまり見なかった。
バスが来た。乗り込む。一緒にバス停で待っていた家族連れも乗る。バスの中は僕とその家族連れだけだった。バスが走り出して、ふと気づいたいことがある。あれ? このバスどうやって降りるんだ? 日本のバスのように降車を知らせるボタンのようなものは見当たらない。え? あれ? あれ? と、周りをキョロキョロしているうちにVillageに到着。運良く一緒に乗った家族連れがここで降りたので一緒に降りた。
さて、ここからが問題である。ここvillageでは前述した通りバスが集まる場所だけど、特別なバスターミナルのようなものは無い。と思う。ならばどうするか? とりあえず、止まっているバスの行き先を片っ端から確認する。または、バス停とにらめっこする。一応、なんとなくだけど、レッズ・メドウに行くには、メインロッジというところで乗り換える必要がある。とふわっと理解していた。けど、これも確かな情報ではない。色んな事が、ふわっとした情報だけで動いている。
すると一台のバスが目に入った。後ろに今まで見たこともないようなデカイ自転車のキャリアを引っ張っている。ドライバーさんにレッズメドウへ行きたいんですが、と告げると、バス停の前の建物でチケットを買えと言う。とりあえず、言われた通り、建物に入ると、さきほどの家族連れもチケットを買っていた。
そういえば、一回$8だけど、3日間有効で3回まで乗れる$18チケットのがあることを思い出した。そうかここのことだったのか! と急いで建物に走り込んでチケットを買う。そこで、3日間有効なクーポンチケットをくれと言うと、本当にこれでいいのかとしつこいほどに聞いてくる。
「OK OK 3days 3times OK」
と何度も答えて、何とかそのクーポンチケットをゲット成功。
しかし、ここで間違いを犯していたようだ。僕の考えだと、3日間で3回使えるので、この後、メインロッジまでで1回、そのあとそこからレッズメドウまでで1回、明日、レッズメドウからアグニューメドウまでで1回の計3回という計算をしていたけど、どうやらこのルールは間違っていたようだ。この後の諸々のやり取りからどうやら、villageからメインロッジまではフリーのシャトルバスで行けて、メインロッジからレッズメドウまでは1回分料金を払う。そして、下りは無料なのかもしれない。と思った。しかし、このルール、合っている自信は全く無い。この後の僕のクーポンの使い方から正しい使い方を推測して欲しい。または、正しいルールを知っている方は教えて欲しい。
なんとか、チケットをゲットして、急いで建物から出てバス停に向かうも既にバスは出ていた。仕方が無いので次のバスを待つか、と思い、次のバスを確認しようとバス停とにらめっこしていたら、すぐに次のバスが来た。結構頻繁にフリーシャトルは出ているようだ。
そのバスに乗り込む。チケットを(チケットに3ヶ所チェックが付けられるようになっている)見せると、ここでは確認程度でチケットにはチェックを入れなかった。
そここら20分ほどでメインロッジに到着した。バスを降りるときに運転手にチケットを差し出したが、ある方向を指差して、あっちに行けと言う。そちらを見ると、人が沢山並んでいる。そうか、ここで乗り換えて、レッズメドウに向かうんだな。確かにそここら発車するバスの行き先表示はレッズメドウになっている。しかし、人があまりにも多く一台目のバスには乗れなかった。次のバスには間違いなく乗れる位置にいたので、まぁ、まだ時間はあるし、のんびり待つことにした。これでレッズメドウに行けると、ちょっとホッとして、辺りを見渡すと、他の人のブログでよく見たマンモスの像がどーんとある。おぉ、ここにあるのか〜、てっきりマンモス・レイクスの町の中にあると思っていた。
地図で見るだけだと、やはりその町の構造を理解するのは難しい。一度でも行った後に地図を見れば、その町を深く理解する事は可能だと思うけど、やはり、初見で理解するのは難しい。なので、実際にここに来て初めてこの町の構造を理解した。
マンモス・レイクスの市街地はVillageと呼ばれる一角を中心(物理的中心ではない)に広がっている。マンモス・ヨセミテ空港は街の南西にある。メインロッジを入り口とするアクティブティエリアはさらに標高をあげなくてならない。レッズメドウはそこより更に奥まったところにある。
レッズメドウ行きのバスはそれほど時間を開けずに来た。バスに乗るときにチケットを差し出すと、一つ目のチェックを入れられた(チケットには三ヶ所チェックを入れる欄がある)。あと2回使えるはずだ。自分は前の方に並んでいたので、座ることも出来たけど、荷物も大きいので、少し広くなって足元に荷物の置けるところに立った。バスにはかなりの人が乗っていた。イメージは南アルプスの芦安から広河原行きのバスのイメージだ。もちろん、バスははるかに大きい。
バスが動き出した。レッズメドウまでは大きく迂回するせいか結構時間が掛かった。翌日スタートするアグニューメドウも通り過ぎる。レッズメドウまであと少しのところでバスは脇道に逸れた。どこに行くのかな? と思っていると、デビルズ・ポストパイルのバス停に止まった。特に寄る予定は無かったけど、かなりの人々が降りたので、釣られて一緒に降りてしまった。
デビルズ・ポストパイル
デビルズ・ポストパイルはJMTのブログを見ていると、かなりの確率で出でくる。つまりJMTハイカーはかなりの確率で寄る場所だということだ。それならと、つい、バスを降りてしまった。僕のイメージだと、北アルプスの沢渡または、平湯から上高地のバスターミナルを目指すのに、その手前の大正池で降りるようなものだ。ここから、大正池や、梓川を散策して、のんびりバスターミナルまで歩こうというわけだ。つまりそのアメリカ版でメインロッジからレッズメドウを目指すのに、途中のデビルズ・ポストパイルで降りて、歩いてレッズメドウに向かおうというわけだ。もちろん、デビルズ・ポストパイルからレッズメドウまでの距離は知らない。まぁ、時間も早いし何とかなるでしょう。
バスを降りると早速ジョン・ミューア・トレイルの道標が目に入る。おぉ!!! 確実に近づいている実感が、ふつふつと湧いてきた。
しばらく辺りを見廻してみる。レンジャー・ステーションのような建物の前で、人を集めてレンジャーさんが何か解説している。もちろん、僕には微塵もわからない。なので人がゾロゾロ歩いている方向へ進む。考えてみると、これがアメリカ初トレイル歩きということになる。
バス停からデビルズ・ポストパイルまでは緩やかな登りになっている。考えてみると、今日はまだ何も食べていない。水はホテルで水筒に詰めてきたので水分は摂っている。緊張の連続だったとはいえ、さすがに少しは小腹が空いた。
だいたい、どのトレイルもそうなのだが、歩き始めは辛い。いや、かなり辛い。あっという間に汗がポタポタと落ちてくる。アメリカ人の小学生くらいの子供にどんどん追い越されていく。少し歩いては立ち止まって休憩、こんなんじゃ、これから100km以上の距離を歩けるのか? と不安になる。
デビルズ・ポストパイル到着。おぉ〜、ここか・・・イメージでは見渡す限りこの絶景が広がっているもんだと思っていたけど、実際にはとてもこじんまりとしていた。逆に何でここだけ? と疑問に思う。ここを最初に発見したした人はビックリしただろうな。
デビルズ・ポストパイルを越えて少し行くと、斜面を登る道と分岐する。この斜面を登るとデビルズ・ポストパイルの上部に行ける。折角なんで行ってみる。確かに地面が六角形で埋め尽くされている。亀の甲羅みたいだ。
そのまま道なりに進むと、再びバス停に戻る。ここで、レッズメドウの位置を確認するとデビルズ・ポストパイルを越えてレインボーフォール(こっちは少し距離があるので、今回はパス)に向かう途中にレッズメドウへの分岐がある。らしい・・・。折角バス停まで戻って来たけど、再びデビルズ・ポストパイルに向かわなくてはならない。仕方なく再び歩き出し、デビルズ・ポストパイルを越えて、上部への分岐も越えてレッズメドウへの分岐まで来た。
レインボーフォール方向には、何人かの人は歩いて行くが、レッズメドウ方向は誰もいない。
道なりに進むと、レッズメドウキャンプグラウンドへの道標があった。それに従い進むと、バス通りに出た。さらに道標に従うと、レッズメドウキャンプグラウンドに着いた。
バックパッカーキャンプグラウンドを探せ
レッズメドウのキャンプグラウンドには無事に着いた。さて、基本的にこの辺りのキャンプ場は予約制だ。キャンプ区間まで指定するはずなので、適当な場所にテントを張るわけにはいかない。では、我々バックパッカーはどこに行けばいいのか?
キャンプ場の入り口付近にある案内板にはそれらしいことは書かれていない。そこには金払え!としか書かれていない。どうしたらいいんだろう? と途方に暮れていると、1人の犬連れの女性が通った。この人がキャンプ場の人なのかただのキャンパーなのかはわからないけど、
「I’m Jhon muir trail hiker. Where is (a) backpcker camp ground?」
と尋ねてみた。すると、その女性は笑顔でキャンプ場の奥を指差しながら、
「この少し奥の左側よ」
「How long time?」
「すぐよ」
「Thank you!」
まぁ、こんな感じのやりとりで、とりあえずその方向へ進んでみる。しばらく歩いてもそれらしいところは無い。ウロウロとしているうちにかなり遠くまで来てしまったので引き返しながら、再び探していると、大きくなザックの上にソーラーパネルを取り付けた、アジア系の若い女性が誰かと話している。よくみると、キャンプ場の人にバックパッカーキャンプグラウンドを探しているようだ。どさくさに紛れて僕も一緒に聞いた。バックパッカーキャンプグラウンドの場所が分かり、その若いアジア系の女性(見かけは日本人にしか見えない)と話しかならキャンプグラウンドに向かう。その人もJMTを歩いているらしく、景色が素晴らしいと言っていた。僕は明日からスタートするんだ、と伝えると、さらに景色の素晴らしさを連呼していた。そうこうするうちに、キャンプグラウンドに到着。
先ほどの女性と少し離れたところにテントを張る。ここのキャンプ場はトイレはあるけど、水場は無いので、近くの小川から水を確保する必要がある。もちろんその際には浄水器を使う必要がある。
水を確保してテントに戻ると、先ほどの女性が声を掛けてきた。何を言っているのかよく分からなかったけど、促されるまま付いていくと、バックパッカーキャンプグラウンド区画の奥まった位置にあるベア・コンテナを開けた。そこにはコンテナいっぱいに色々なモノが詰まっていた。
あぁ〜、そう言えばレッズ・メドウにはこのようにバックパッカーがいらなくなったモノを他の人にシェアするところがあった。ということを思い出した。けど、自分が認識していたのは確か、蓋付きのバケツに入っていたような気がするんだが、別の場所にもあるのか?
コンテナの中にはいろいろなモノが詰まっていた。しかし、そのほとんどは自分にとっては必要のないモノだったが、その女性は化粧品(ビンに液体が入っている)のようなものをゲットしていた。なかにはピーナッツバターのようなモノがあった。さすがに真夏の鉄のコンテナの中に、いつからあるのか分からないソレはヤバイでしょう。ソレを手に取りながら、
「うわっ! これは危険でしょう!」
と言ったら、女性は苦笑いしていた。
結局、自分は何も取らずにテントに戻る。夕食までは時間があるので、しばらくはゆっくりしようと、食料(ベア・キャニスター)をベア・コンテナに入れて、テントの中に潜り込んだ。
夕方になって夕食の準備をしようとテントを出たら、テントの数が増えていた。ちょうどその時、キャンプ場の人が、
「ヘ〜ロ〜」
と、独特の抑揚をつけてやってきて、一人一人にテント場の説明をして、お金を入れる封筒を渡していた。ちょうど、僕がテントを出た時に、僕の順番で、色々と喋っていたけど、理解出来たのは半分くらいで、とりあえず1番大事な料金のことが聞けた。一泊23ドル、高えなぁ〜オイ! と思いつつ、支払い方法を確認した。
と、ここでアメリカのキャンプ場の支払いルールに関して書いておきます。まず、この時はアメリカのキャンプ場を利用するのは初めてでした。なので、もちろんキャンプ場のルールなんて知りません。他の人のブログでもそこに触れているのを見たことはありません。なので、この時の僕はキャンプ場の使い方を知らない外国人です。英語が堪能ならばキャンプ場の人や周りのキャンパーさんに聞く事も出来たでしょう。しかし、それは僕にはハードルの高いことです。
先に言いますが、この時の僕は料金の支払い方を、微妙に間違えています。いや、間違えていたと思います。その後、トゥオルミー・メドウ、ヨセミテ のキャンプ場の計3カ所キャンプ場を使いましたが、後の2カ所は大丈夫だったと思います。
(ここからは僕の経験した事を元に書いています。なので、間違いがあるかもしれません)
基本的にアメリカの国立公園内のキャンプ場は予約制です。それぞれの区画にナンバリングしてあり、場所を指定して予約します。しかし、我々のようなバックパッカーやロングトレイル・ハイカーには特例があり、レッズメドウとヨセミテ のキャンプ場ではパーミットで予約した日程の前後1日はそれぞれのバックパッカー用のエリアに予約無しで泊まれます。僕の予約が明日からなので、今日はキャンプ場に泊まれます。なので、最初に僕が
「あいむ ジョン・ミューア・トレイル、ハイカー」
と言っていたのはそのためです。ロングトレイル・ハイカーだと言うことを強調したかったんですね。特にキャンプ場の人にパーミットの用紙を確認されるということはありませんでしが・・・。
また、レッズ・メドウとトゥオルミー・メドウのキャンプ場はパーミットを持っていれば泊まれるようです。しかし連泊は無理みたいです。
さて、ここでキャンプ場の料金の支払い方ですが、キャンプ場では入り口、または案内板付近には専用の封筒があります。その封筒の表と裏のベロの部分に住所や名前、人数、区画番号などを書くスペースがあります。両面を書いたら、ベロの部分にある切り取り線からベロの一部を切り取ります。すると、ペラの1枚の紙と、お金を入れる封筒に分かれます。それぞれには住所、名前が書かれています。その、お金の入った封筒は、入り口、または案内板付近にあるポストに入れます。残った住所、名前の書かれた紙はテント付近に置きます。それは近くにあるテーブルの上や、区画番号が書かれたポールの上だったりします。キャンプ場によってその場所は違うようなので、周りを見て確認するとよいと思います。しかし、この方法の信憑性は、僕の経験から、こうだろうなぁ〜。という程度です。はたして本当に合っているのかかはわかりません。正しい方法を知っている方はコメントして頂けると幸いです。
結局、僕がここのキャンプ場で間違えたことは、ベロを切り離さずに、お金をいれたままテーブルの上に置いてしまいまいた。先ほどのヘ〜ロ〜のキャンプ場の人に、この封筒はポストに入れるんでしょ? って聞いたら、テーブルの上に置けと言うのでそのまま置いきてしまった。どうやら、こちらの質問の意図が伝わっていたなったようだ。あの封筒は無事にキャンプ場の人の手に渡ったのだろうか???
初時差ボケ?
夕食を取ろうとしていると、何やら身体がおかしいことに気がついた。痛いとか、気持ちが悪いとかではなく、なんとなくおかしい。うまく力が入らない感じ。考えてみると今は日本時間では朝の7時だ。なんかポーッとする。これが時差ボケなのか? 初めての経験なのでよく分からないけど、なんかおかしい。なので食事もそこそこでシュラフに潜り込んだ。外では周りのテントの人たちが楽しげに話している。近くの小川の音が心地よい。ここは日本じゃ無いんだと、思いつつ、なかなか寝つかれずにゴロゴロしている。やがて辺りの音は小川を流れる水の音だけになり、自分の意識も薄れてくる。それと同時に空が明るくなってきた。今日も睡眠時間は最短だな・・・。